自分で選んだことは絶対間違いにはならない

――きっと、この曲で伝わると思います。そして「波を待つのさ」は、ギタリストでプロデューサーでもあるカワムラヒロシさんからヒントを得て。

NakamuraEmi

 そうなんです。私達は何か予想をして遊びに行くというのがあるんですけど、サーフィンをする方々は「風がこうだから」「ここじゃ岩に当たるからこっちだ」とか、何時間待っても「良い波に乗れなかった」とか、それでも毎日のように行くじゃないですか。

 カワムラさんもサーフィンをやっていて、それって自然にやってきた最高の良い波に乗れたときの気持ち良さが、この世にあるものでは感じられないほどのものみたいなんです。自然の素晴らしさを本当にこの人は知っているんだと。今回はギターよりそっちのリスペクトで申し訳ないんですけど(笑)。自然に対してアンテナを張っていられる人は違うんだなと感じました。自然のパワーというのは凄いんだなと思って…。

――サーフィンをやられている方は地球と一つになっている感覚もあるみたいですから。

 そうやって考えると、漁師や農家の方というのは自然ありきで色んなものにアンテナを張って生きているんだなと感じます。私は今本当に機械に埋もれて楽に生きているので忘れがちですが、人間として五感を感じて生きているということは大事なことだと、自分もそうだし、子供が生まれたとしたら子供にも教えたいし。そうなると若い方にもその楽しさは絶対に伝えるべきだなと。

 「波を待つのさ」を録るときは、サーフィンのDVDの映像も流して、伊豆のスタジオで海を共有しながら、カワムラさんのサーフボードを真ん中に置いてみんなで一発録りした曲なんです(笑)。

――自然とのコミュニケーションですね。Emiさんは海には入らないのですか?

 波乗りを凄くしたいなと思ったんですけど、カワムラさんがたまに体に凄い傷を付けているので(笑)。

――そうなんですね(笑)。さて、「教室」の歌詞にある<少し目立ったり違ったもんなら終わりだった>という部分から、オリジナリティって何なんだろうというところに疑問に持ちました。結局、当時のEmiさんはそれが個性だったのに押し殺してしまった訳じゃないですか?

 ホントにそうです(笑)。

――でも社会に出てみたら、それが重要だったということに改めて気付かされる部分もありますよね。Emiさんから見たオリジナリティってなんだと思いますか。

 あの時みんなに合わせて変わっちゃったからこそ、今この曲が出来ていると思います。オリジナリティはその時にとにかく自分がしたいことを心から「これだな」と自分で選んだことは絶対間違いにはならないんだなって私は思うので。

 押し殺したことによって、大人になってそれがマイナス面に表れてきちゃって、「どうするのこれから?」となった時に、こういう音楽が出来て今のマネージャー達に出会えることができたということもあります。たぶん、あのまま自己中に生きていたら、この曲を書くこともなく、音楽をやっているかもわからないので、押し殺したことによって今があるんだなと感じています。

――ポジティブに捉えたわけですね。

 狭い教室の中でも自分が「これだ」と判断したことは絶対に間違いじゃないから、そのまま突き進んで欲しいけど、今はコミュニケーション能力が乏しいし、まわりもそれを支えるコミュニケーション能力が乏しくなってるから、人を殺してしまったり、自分で命を立ってしまうという方も多いと思います。その選択肢が広がればいいなと思って書きました。みんなのオリジナリティは信じつつ、それが命に関わらないようにオリジナリティを持って生きてもらえたらいいですね。

――信じることから始まるわけですね。

 はい。そして、誰かに伝えようという覚悟を持った初めての曲なんです。<すごい奇跡が君の中に入ってるってこと>の部分は実は最初「君」ではなくて「自分」のことでした。曲を渡すことによって人からの色んな意見が飛び交ってくることに凄く迷いがあるから、いつも自分に置き換えてしまっていて。逃げですよね。

 でもエンジニアさんに「腹をくくって『君』を使うべきなんじゃない?」と言われまして。私が言うということは責任があるから逃げられないし、それくらいの覚悟を持ってこの「教室」を人に届けるべきなんじゃないかと。それくらい、いつも人に曲を書いていないんだなとこの曲で気付かされました。

――ターニングポイントとなる1曲になりそうですね。ここから曲の作り方や歌詞の書き方も大きく変わりそうですか。

 これからも「この言葉を誰かにちゃんと伝えたい」となったら、「君」とか「あなた」という言葉を使うことがあるのかなと思いました。

――Emiさんの歌詞は考えさせられるものも多いのですが、落としどころは明るいですよね。そこは意識しているのでしょうか?

 やっぱりマイナスで終わるということは、自分に意味がないと思っています。どこかでプラスにするために歌詞にしている部分があるので、最後は光があるようにいつもそう書いていますね。

――最後に今年の目標をお願いします。

 この2年間はツアーを頑張るとか、ライブを頑張るというのが凄く大きかったんです。それはもちろん常に頑張らなければならないことではあるんですけど、見られる立場でもあるし、今はもっと人として、戦うところはいっぱいあると思っています。

 とにかく沢山経験を積むということが今は自分にとって一番やらなければいけないことだと思っています。経験して、失敗して、ヘコんで、もう一回挑戦してということをとにかく去年以上にやらなくてはいけないなと思っています。

――その経験を積むのに行きたい場所などありますか。

 特定の場所よりも寝台列車に乗って、あてのない旅はしたいです!

(おわり)

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