『第10回CDショップ大賞2018』の授賞式が先日、都内でおこなわれた。大賞に米津玄師の『BOOTLEG』が選ばれ、準大賞はヒップホップ・ミュージシャン・PUNPEE(パンピー)の『MODERN TIMES』と、ロックバンド・台風クラブの『初期の台風クラブ』が同時受賞。今回は、入賞作以外に数ある注目作の中から記者が独断と偏見で2作を選んだ。

SUNNY CAR WASH

 「メジャー、インディーズを問わず、賞をきっかけにブレイクが期待される作品を、CDショップ店頭から全国へ向けて発信、選出」するというコンセプトのもと、選ばれたアーティストの作品。「洋楽賞」や「ジャズ賞」、「クラシック賞」など、各分野に特化した賞、アーティストの出身地、活動拠点から全国11ブロックに分けられた中からも「地方賞」として同時に発表された。このバラエティに富んだラインアップも「CDショップ大賞」の魅力の一つ。当媒体の記者が特に注目するアーティストを以下に紹介したい。

全国のCDショップ店員と準大賞を受賞した台風クラブ石塚淳、PUNPEE

 この日、「関東ブロック賞」を受賞した栃木出身の3ピースロックバンドのSUNNY CAR WASH。2015年1月に活動を開始した前身バンドから、2016年10月にメンバー脱退を機に現体制となりSUNNY CAR WASHに改名。現在も地元の宇都宮と東京を中心に活動している。

 ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』、企業共同型プロジェクト「Eggsプロジェクト」が主催する、2015年に初開催された10代アーティストのみによるロック・フェスティバル『未確認フェスティバル』で昨年「審査員特別賞」を受賞している。

 昨年11月に、初の全国流通盤『週末を待ちくたびれて』をリリース。収録曲「キルミー」は疾走するロックサウンドと<キルミー ベイベー 殺してくれ><溢れるほどの愛で溺れさせてくれ>という真っ直ぐ過ぎる想いを包み隠さずぶつける歌詞が清々しく聴く者の心をがっしりと捉えるキラーチューンだ。

 岩崎優也(Vo、Gt)は、受賞を受け「もっといい音楽作りまーす!」とパンキッシュな態度で一言。その雰囲気はどこかロック界の生けるレジェンド、甲本ヒロトを思わせるところもあった。

 2011年の『第3回CDショップ大賞』において『ファンファーレと熱狂』で大賞に輝いた、ロックバンドのandymoriを思わせる勢いと確かなメロディセンスを併せ持つ彼らが今後どのように活躍していくか、非常に楽しみである。

YOCO ORGAN

 昨年10月にリリースした、2ndフルアルバム『Good Bye』で「北陸ブロック賞」を獲得し、その熱いCDショップへの愛を語ったのが、石川・金沢市在住オルタナティヴ・ラップデュオのYOCO ORGANだ。0081オオヤチとPERUTANIの2MCから成り、Dubstep、JUKE、Breakcore、Funkot、Jungle、SOKAなど様々なビートに日本語ラップを乗せ唯一無二の世界観を見せる。

YOCO ORGAN

 授賞式で0081オオヤチは「僕らCDショップ、めちゃくちゃ大好きなんですよ。スタッフの方が熱意込めて書いた手書きのレコメンドとか、新しい出会いとか刺激があって。そのような場所で評価されてこの場所に立てていることを嬉しく思います」と喜びを述べ、「地方にいると、なかなか難しいこともあるけど、今日頂いた賞を励みに金沢らしい、僕ららしい音楽を続けて行こうと思います」と意気込んだ。

 その活動歴は90年代の日本語RAP黎明期からと長く、2003年に全国流通盤ミニアルバム『ロクホー』をリリース。2013年10月に発売した、1stフルアルバム『SHIBIRERU DAYS』はタワーレコード金沢店で初回入荷分が即日完売するなど、地元金沢を中心に絶大な人気を誇る。

 今回、準大賞を受賞したPUNPEEを始め、昨今ヒップホップシーンは大きな盛り上がりを見せている。長く活動を続け地盤を固めているYOCO ORGANが今回の受賞で一気に全国的にブレイクするか、注目される。【取材・撮影=松尾模糊】

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