シシド・カフカと東京スカパラダイスオーケストラが8日、東京・上野恩賜公園野外ステージ(水上音楽堂)でおこなわれた、ディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』ジャパンプレミアイベントに出席。日本版エンドソング「リメンバー・ミー」を生披露した。この日は、日本版声優を務めた石橋陽彩、藤木直人、松雪泰子、橋本さとし、横山だいすけも登場した。

 本作は、1年に1度、他界した家族に会えるメキシコの祝福“死者の日”を題材に、“死者の国”を舞台にした物語。家族の掟で音楽が禁じられながらもミュージシャンを志す主人公の少年・ミゲル。伝説のミュージシャンのギターを奏でたことがきっかけで“死者の国”に迷い込む。現実社会に戻るためには“死者の家族”の許しが必要だが…。キーワードとなるのは音楽、そして家族愛だ。

 先日、米国でおこなわれた『第90回アカデミー賞』で、長編アニメーション賞と主題歌賞を受賞している。

 この日、映画の世界観を彷彿させるように、中央には劇中の“死者の国”のイラスト画、そして両サイドには、劇中にも登場する、死者の国と現実社会に架かる橋、マリーゴールドが多数飾ってあった。

 屋根付きの野外会場。雨も降りしきり、吐く息も白くなる環境下にも関わらず、多くの観客が客席にいた。屋根を打ち付ける雨音は、小刻みなリズムを刻んでいるようにも聞こえた。

 そうしたなかまずは、主人公・ミゲルを演じた石橋陽彩、そして、ヘクター役の藤木直人、イメルダ役の松雪泰子、デラクルス役の橋本さとし、ミゲルの父役の横山だいすけが登場。挨拶を済ませてから、公開を間近に迫る今の心境や本作で描かれる家族愛などについてそれぞれ思いを語った。

 イベントも半ばになったところでライブパフォーマンス。石橋陽彩らがステージ横に移動すると、入れ替わるように、日本版エンドソング「リメンバー・ミー」のボーカルを務めたシシド・カフカ、そして、東京スカパラダイスオーケストラが登場した。

 ステージの明かりが絞られ、深い青色に染まる。シシド・カフカは、ドラムのカウントを待ってから低い声でそっと歌い出した。少しずつ力が加わる。一瞬のブレイクを置いてから、スカパラのサウンドが一斉になる。

 それを合図に、シシド・カフカは再び歌い始め、そして、ステージの明度も高くなる。一気にゴージャスで華やかな雰囲気になる。ファンキーで心が跳ねるグルーヴィーなリズム、そしてサウンド。シシド・カフカの歌声はその上で踊るように陽気でいて、そして伸びやかだった。

 ステージ横で見る共演者もノリノリだった。曲の終盤にはオレンジ色の紙吹雪も舞い、大歓声のなかで終えた。

 この日は「リメンバー・ミー」1曲の披露だったが、何曲も披露されたような熱気が、会場に充満していた。ステージを終えて感想を求められたスカパラの谷中敦は、シシド・カフカの顔を見て「すごい良かったな。リハーサルも良かったけど本番が良かったね」とその出来に満足の笑みを浮かべた。

 その谷中は、スカパラが先日、映画の舞台にもなっているメキシコでライブをおこなった際に、現地で同映画の感想を聞いたエピソードを紹介。「(この映画は)メキシコの人達から言わせると、胸が熱くなるところが満載で世界中で見られるのが嬉しいと言っていた。ホームの人達が誇りに思える映画は良いよね」と述べた。

 また、現地で取材を受けた際に、日本版はシシド・カフカが歌っているとの認知が現地にもあったと明かし「メキシコでライブしたいよね」とシシド・カフカに呼びかけ、シシド・カフカも「したいですね!」と応じた。

 また、ステージ横で聴いてた横山は「素晴らしかったです。生でこんなにも近くで聴かせていたただけるのは嬉しい。歌の力は凄いなと思いました。身体が温まるというか熱くなりました。音楽の力は不思議な力はありますよね。映画もそうですか、いままさにここで歌の力をいっぱい感じられました」と喜んだ。

 一方、劇中で伝説的ミュージシャンのヘラクルスの声を演じた橋本は「生演奏ってすごいですね。感動しました。なんで僕は隅っこに立っているのかなって(笑)。歌いたくてしょうがなくなるというのは最高ですね。今度一緒にやらせてください」と共演を熱望。松雪は「一緒にメキシコに行ってライブを見たいと思った」とほほ笑んだ。

 そのシシド・カフカは、本作には声優としても関わっている。映画の感想を聞かれ「終わった後に心が温まる。音楽は素敵だなと改めて感じられて、しかもそれをお仕事としてやらさせて頂いている。音楽を伝えられていることを大切にしたい」と改めて音楽の力を実感。

 同じく声優として参加したスカパラの茂木欣一は「家族の絆を感じられるし、生と死は一つで繋がっている。前向きな気持ちになれた」と絶賛。声優挑戦については、シシド・カフカは「楽しかったけど難しかった」、茂木は「キャラクターに生命を吹き込むのは凄いし、緊張しました」と振り返った。【取材・撮影=木村陽仁】

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