“意味のあるギターソロ”が欲しい

――最後に収録されている「The Perfect World (Guitar Version)」ではインストでマーティさんのギターも堪能できます。

インタビューに応じるマーティ・フリードマン

 デモ音源として主題歌のために8曲作ったんです。その8曲を投げたら、監督さんやスタッフみなさんが、「The Perfect World」を総意で気に入ってくれたんです。それで、「同じ曲のギターバージョンはどうですか?」と言われたので。僕はそれは得意だからね。

――ギターが歌っていますよね。こういったニュアンスは、演歌などをコピーしていた経験が活きているのでしょうか?

 絶対影響あると思います。僕はティーンエイジャーのときに演歌の歌い方の真似をしたので。基本的にギターを弾くときは、ギタリストではなくボーカリストを意識しているんです。ギターで歌いたい、スウィングしたい、という思いがあります。だからインストをやるときは、ボーカリストの存在としてギターを弾きます。

――2000年代に入ったあたりから、ギターソロを含む楽曲が少なくなってきたという気がするのですが、その点はどう思いますか?

 日本にいて思うんですけど、ギターソロはまだ生きているじゃん?

――確かに、国外の音楽に比べるとまだ生きていますね。

 僕は、ギターソロが必ず必要とは思わないんですけど、ギターソロがあったら“意味のあるギターソロ”が欲しいと思います。カラオケなんかで歌の間に拍手する場面、というようなギターソロだったら、むしろない方がいいですよ。僕はギターソロを凄く大事にするから、やるんだったらメインボーカルやサビと同じくらい大事にして欲しいというポリシーがあるんです。「ギターの腕をみせる」でも「曲の休憩」でもなくて…。例えばクイーンの曲のギターソロは別次元に行けるような存在で。

――歌と同じくらいの存在感がありますね。

 それを目指しています。今作はほとんどボーカルが入っているんですけど、インストの曲もいくつかあるんです。

――「Beautiful Freak」のリフが個人的にお気に入りなんです。この曲はどのようにして生まれましたか?

 『B: TheBeginning』は日本のアニメなんですけど、全世界に発信するので、日本っぽいんですけど、日本っぽくない部分もメインストリームだから。「Beautiful Freak」は僕が聴いたら日本的だと思うんです。でも、後半は非常に洋楽的というか。和洋折衷な部分があるということで、邦楽らしさを全世界にちょっと日本っぽさをみせたかったんです。日本らしさが過ぎるとちょっとハードコアな感じになっちゃうと思ったから、受け入れてくれるのは難しいかなと。それでもアメリカ人の耳で聴いたら凄く和風なんです。

――マーティさんにとって、“日本らしさ”や“歌謡曲っぽさ”というのはどういった部分から感じるものでしょうか?

 コード進行で歌謡曲っぽい、というのはあります。その進行はメロディが乗せやすいんです。そうすると、そのコード進行のおかげで歌謡曲っぽくなるんです。

――キーはマイナーが多いですか?

 そうなんですけど、メジャーもありますね。コードの種類が同じ場合が多いです。マイナー、マイナーセブンス、マイナーセブンス♭5とか。例えば、C、Bm7♭5、Em、Amなどのコードを入れたら歌謡曲しかできない(笑)。これらのコードには歌謡曲っぽいメロディが乗せやすいんです。

――メロディがそういったコード進行に引っ張られるのですね。

 そう。だからそんな簡単にしないで、冒険的に何かを混ぜたら未来的だなっていつも思っています。

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