エンドロールが涙を乾かすための時間でもあることを感じた。先日、16日公開の映画『リメンバー・ミー』を試写した。音楽が題材になっていることもあって、観始めるまではそこを着目しようと思ったが、いざ始まると綺麗な描写に引き込まれ、さらに時空を超えて繋がる家族の絆にすっかり心は奪われてしまった。涙をこらえるのが必死だった。

 本作は、ディズニー/ピクサーの最新作で、1年に1度、他界した家族に会えるメキシコの祝福“死者の日”を題材に、カラフルな“死者の国”を舞台にした物語。主人公の少年・ミゲルが、伝説のミュージシャンのギターを奏でたことがきっかけで“死者の国”に迷い込んでしまう。現実社会に戻るためには“死者の家族”の許しを得なくてはならないが…そこで巻き起こる冒険と感動の物語だ。

 この映画では「音楽」が鍵を握る。少年・ミゲルは、劇中に出てくる伝説のミュージシャンを崇拝し「彼のようになりたい」と憧れを抱くも、家族の掟で、音楽を奏でることも歌うことも禁止されている。それでも諦められないミゲルは、あらゆる手段を使い奮闘するが、それが災いして“死者の国”に迷い込んでしまう。

 ただ、“死者の国”での出会いや経験、ガイコツのへクターの存在は彼の考えを大きく変えることになる。変化した“考え”は様々あるが、その一つに、音楽への想いが挙げられる。初めは自分のための音楽だったものが、冒険を通じて誰かのための音楽へと意識が変わっていく。それは、音楽の本質を、少年・ミゲルを通じて表現しているかのようだった。

 そして、歳をとっても、死んだとしても親子は親子、家族は家族であることを考えさせられた。幼い頃に、父親を失った、ミゲルのひいおばあちゃんココは100歳近い高齢になっても、父親の姿を求めて「パパ」と呼ぶ。そのココの父親は音楽の世界を目指すために家を出た。その父親もまた娘を想い…。時空を超えて繋がる音楽と親子の絆にグッときた。

 音楽の見どころの一つだ。ミゲルの日本版声優を務める、子役の石橋陽彩(ひいろ)くんの歌唱力も驚きだ。そして、描写も美しく、様々なジャンルの音楽も登場する。

 音楽を通じて繋がる家族の物語。音楽とは何か、家族とは。きっと心を洗い流してくれることだろう。【木村陽仁】

公式YouTube

▽STORY
ミュージシャンを夢見る少年ミゲル。だが彼の家は代々音楽を禁じられていた。ある日 “死者の国”に迷い込んだ彼に手を差し伸べたのは、陽気だけど家族が恋しいガイコツのへクター。やがて二人がたどり着く、ミゲルの家族の秘密とは?重要な鍵となるのはミゲルの大好きな曲「リメンバー・ミー」だった…。

▽公開情報
『リメンバー・ミー』同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』
3月16日(金) 公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
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