時代に紡がれる「虚無感」

――藤岡藤巻名義として最後にアルバムを出されたのは2007年の『藤岡藤巻III』です。当時と比べると社会全体が縮こまっているようにも感じますが。

藤岡孝章 おっさんの説教を引き出すのが上手いね(笑)

藤巻直哉 ワハハハ

藤岡孝章 そういう風に言えばおっさんは語りたくてしょうがないから(笑)

藤巻直哉 だめだよ、そんなのを振っちゃったら止まらなくなっちゃうよ(笑)

藤岡孝章 いや~今の時代は最低だよ~、みたいな(笑)

藤巻直哉 俺の若い頃はさ~、やんちゃしていて、悪だったよ~、みたいな(笑)

藤岡孝章 皆真剣さが足りないよな。

藤巻直哉 足りない。

藤岡孝章 プロがいない。

藤巻直哉 俺の武勇伝聞きたい? 俺、時間通りに会社に行ったことないぜ~、みたいな(笑)

藤岡藤巻

リハーサルのもよう。「風に吹かれて」にて

――「プロがいない」という話は本当に思うところですか?

藤岡孝章 我々の事を指しているプロ、ということではなくて、高度成長期には凄い人がいっぱいいたなって。なんだろうね。今は熱が下がっているのかな。

――それは若い人と接して感じますか?

藤岡孝章 そうですね。だけど、我々の親父も同じことを言っていましたからね。

藤巻直哉 近頃の若い子は…てね。ただ、我々の親父は皆、戦争を体験しているんですよ。だから青春時代を戦争で潰されているじゃないですか。その腹立たしさというのもあったと思う。我々が髪を伸ばしたり、ロンドンブーツや10センチのヒールを履いたり、もう耐えられなかったんだと思うんですよ、戦争に行った人たちは。だけど、そういう連中も学生運動の真っ盛りの時に育っているわけですよ。でも、今の40代の人たちは学生運動ってやったことないでしょう。

 僕ら学生の頃は体制に対して反発していた年代なんですね。学生運動があのように挫折で終わってしまって、それから今の世の中が続いてしまって、いくら頑張っても、体制に反抗しても何も動かないんだという虚無感というかね、そういうものが僕らの世代だけでなくて、今の40代の若者にも蔓延しているし、特に今の20代なんか真面目じゃないですか。自分の子供を見ていてもなんでこんなに真面目なんだろうって思うけど、それは良いとか悪いとかの問題ではなくて、時代が違う。我々がいた頃とは本当に違うなって感じますよ。良いのか、悪いのかは全然分からない。

藤岡孝章 そういう真面目なことを言っておいて、僕らはくだらないことを歌うんだけどね(笑)MCと楽曲の整合性が…。

――と言いましても楽曲は社会風刺というか、人間の本質の所を見抜いているようにも感じます。

藤岡孝章 そうね、本質ね。難しいのは、やり過ぎちゃうと怒られちゃうからね。適度にエンターテインメントしてね。

藤岡藤巻

リハーサルのもよう。「風に吹かれて」にて

――歌詞作りはその辺の塩梅が難しそうですね。

藤岡孝章 その辺はね、長年社会にもまれてきた経験がね。長いものには巻かれつつ、でも言いたいことを言うみたいなね。微妙なところだね。皆さんもこれからそういう、我々みたいな境地を目指すようにした方がいいね(笑)

藤巻直哉 我々の曲に「よろけた拍子に立ち上がれ!」という曲があるんですけど、<誰も見てないところで 牙をむけ!>という歌詞にもあるように、見ているところに牙はむけないんですよ!(笑)

藤岡孝章 むいちゃうとね、軋轢を生んじゃうから(笑)

藤巻直哉 妥協にかけては誰にも負けない、すぐ妥協しちゃうんですよね(笑)というのは、20代の頃、我々もご多分に漏れず、反体制的な思想があったわけですよ。今の安倍さんとかは俺たちよりも年下ですからね。

藤岡孝章 安倍君だよ。

藤巻直哉 安倍君何を考えいるんだろう、というのはあるわけですよ。

藤岡孝章 安倍君脇が甘いからね。

藤巻直哉 我々は小池百合子さんと同い年なんでね、そう(森友学園の)籠池さんもね(学年では)。プーチン大統領も同い年。

藤岡孝章 辰年じゃん。

藤巻直哉 ロシアには干支があるらしいんですよ。

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