女優の深川麻衣(26)が、映画『パンとバスと2度目のハツコイ』(17日公開)で自身初の映画主演を務める。乃木坂46時代は、優しい人柄から“聖母”の愛称で親しまれた。卒業後は女優に転身、舞台やドラマ等で活躍する。夢だった映画出演を主演で飾った。2月某日に静岡凱旋。原点とも言えるこの地で、本作、そして乃木坂46への思いなどを語ってもらった。【取材・撮影=木村陽仁】

 映画は、結婚までの踏ん切りがつけられない、深川演じる市井ふみと、その初恋相手の山下健二郎(三代目JSB)演じる湯浅たもつとの恋愛模様を描いた。パン屋で働くふみが、中学時代の初恋相手でバスの運転手・たもつと偶然出会うところから物語は始まる。結婚に踏ん切りがつかずに彼氏と別れたふみ、一方、別れた元妻の事を思い続けるたもつ。2人の関係性を、リアリティ且つコミカルに描いた“モヤモヤ”としながらも“キュン”とする作品だ。監督・脚本は、恋愛映画の旗手として注目を集める今泉力哉氏が務めた。

 深川と言えば、乃木坂46の初期メンバーで、グループ時代は“聖母”で愛された。2016 年6月に、地元・静岡のエコパアリーナで卒業コンサートをおこない、卒業後は芸能事務所・テンカラットに所属。女優の道を歩み始めた。その深川は2月某日、映画PRのために静岡に凱旋。地元テレビ局や舞台挨拶にまわった。そのタイミングで、静岡朝日テレビ内で、本媒体の取材に応じた。原点の地でもある静岡で、特別な思いを寄せる本作、そして、卒業後の乃木坂46への思い、更には地元への思いなどを聞き、彼女の今の心境を探った。

<要旨>
○大事にした言葉と言葉の間、夢だった映画出演
○特別な思い出・卒業コンサート、歌は紡がれていく
○特別な地・静岡への想い、家族の応援
○心の支え、チャットモンチー
○地元テレビ局で「まいまい」節発揮(レポート)

大事にした言葉と言葉の間、夢だった映画出演

――静岡凱旋ですね。

 お仕事で来るのは凄く久しぶりです。『パンとバスと2度目のハツコイ』のなかでも、大室山(静岡県伊東市)で撮ったシーンがありますが、撮影が去年の5月・6月でしたので、それぶりです。プライベートでは正月に帰っていました。

――大室山の思い出は?

 撮影で行ったのが初めてだったんですよ。リフトもあって見晴らしも良いし、景色も綺麗、町を見下ろせたので気持ち良かったです。実はあのシーンはたくさん撮った苦戦したシーンだったんですよ。映っていませんが、社会科見学だったのか小学生がまわりにいて、小学生の子たちに見られながら叫び合うのが、凄く恥ずかしかったです(笑)。

深川麻衣

深川麻衣

――あのシーンは重要ですよね。

 そうですね。ふみは物語を通して喜怒哀楽を強く表に出すような子ではなかったのですが、終盤に向けて大室山で、ふみとたもつがお互いの気持ちを正面からぶつけ合ったので、大事なシーンになっていると思います。

――ふみの雰囲気が深川さんに少し似ているような気もしますが、演じるにあたって工夫した点などはありますか。

 全体を通して大きな事件が起きるような物語ではなく、ごくある日常を切り取ったような作品になっているので、世界観が凄くナチュラルだと思うんです。2人が並んでいる時の距離感とか、映画の予告でも “モヤキュン”と使われていますが、一つひとつの人と人との距離感が凄くキーワードになってくると思ったので、そこは意識していかないと、とは思いました。

 でも、私を応援して下さっている方には、試写を見て「雰囲気が似ているね」と言って頂くことが多くて、自分でも温度感とかは似ているのかなと思って。恋愛観は共感できる部分とそうではない部分と半々だったんですけど、普段の素の時の…そんなに私も喜怒哀楽とかが目に見えて激しくするタイプではないので、そこは似ているのかなと思います。

――演じるにあたってあえて間を空けたり、声のトーンを下げたり?

 そうですね。今泉監督が時間をたっぷり使って大事に撮られる方だったので、撮影しながら「そこはもうちょっと長く」とかそういう風に指摘頂く時もありました。それと、最後のシーンなどもそうですが、セリフを言い終えたあともずっと長回しをしていることがあって。そこを映画の部分で使われているところが何カ所かありました。言葉と言葉の間の時間などもそうですね。全体を通して出ている、あのゆったりとした空気感はそうして出来上がっていると思います。

――音楽もあまり使われていませんもんね。

 そうですね。たくさん使われていないですよね。ところどころで。使われているとしても結構、ポップな音楽だったり。

――印象に残っているシーンはありますか?

 撮っていても、初めて試写で見た時も印象に残ったのは、バスの洗車のシーンです。私は、母が運転する車に乗ってガソリンスタンドで洗車に行ったという経験があるんですけど、バスの洗車を見るのも、乗って経験するということも、ふみと一緒で、人生で初めての経験でした。迫力も凄いありましたし、映像になったものを見たとき、あの場面はスローモーションになって流れているので、窓から水が滴っているところや、ちょっと虹が出来ているところなど、もの凄く印象に残っています。ポスターにもそのシーンが使われています。

――当然、このシーンはふみとしてですが、心のどこかには深川麻衣さんの本心、気持ちがある?

 そうですね。ふみとしてずっと遠くからパンを食べながら洗車を見ている描写があるんですけど、ふみ自身の初めて見る体験と、私自身も初めての体験で、感動しました。

――本作を演じるにあたって学んだことは?

 今泉監督も凄く和やかな方で、一緒に作っていくチーム感の強い現場だったので、そこで助けられた部分もあって。終始緊張はしていたんですけど、余分な緊張を取り払って臨むことができました。撮り終えた後に感想も頂けて、そこで、自分はこう見ているのかとか、ここをこう感じる方もいらっしゃるんだなというのは凄く勉強になったというか、皆さんの感想を聞いて改めて感じるところはありました。

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