the pillowsの山中さわお(Vo,G)、GLAYのJIRO(Ba)、ELLEGARDENの高橋宏貴(Dr)からなる3ピースバンドのTHE PREDATORSが8日、Zepp DiverCity TOKYOで全国ツアー『Arabian Dance Tour』のファイナル公演をおこなった。このツアーは彼らにとって2年4カ月ぶりとなる全国ツアーで、8カ所を廻るというもの。旅によって磨かれた楽曲たちで観客を熱狂させ、メンバーとファンの楽しさや喜びが交差した、この日の模様をレポートする。【取材=小池直也】

腰をシェイクする準備はいいか?

撮影=橋本塁(SOUND SHOOTER)

 3人が登場すると満員のフロアから歓声が。そして、そこに文字通りドロップされたのは「爆音ドロップ」。山中のカッティングが響いて演奏がスタートする。すぐさま観客は熱狂し、手を上げていた。曲間の間ではメンバーそれぞれを呼ぶ声が。やはり約2年4カ月ぶりのツアーファイナルに対してはファンも想いが特別なのだろう。

 ロックンロールな演奏が続けざまに並べられていく。そして、このツアーのタイトル曲でもある「Arabian dance」。「腰をシェイクする準備はいいか?」と山中がMCして、アラビックなフレーズを爪弾いたかと思えば、爆発力のあるイントロへ。全員がばっと止まる瞬間もぐっとスリリングだった。

 そして、乱反射するかの様な照明も合わさり観客は完全に魅了される。「サンキュー」とクールに告げてエンディングへ。そのまま間髪入れずに「TRADE」。ロックにギターを掻き鳴らす山中。ノリノリのJIROは、腰を振りながら太い音でドライブしていく。その様子にファンも歓喜。

 ここでMC。ツアー初日の渋谷CLUB QUATTRO公演の前日、高橋が39度の高熱を出した事を山中が回想。もしインフルエンザと診断され、欠席の場合はGLAYの曲をセッションする予定まであったという。しかし、無事に千秋楽を迎え「各地この通り楽しく元気にツアーを送ってきました」と報告した。フロアには温かい歓声が響いた。

撮影=橋本塁(SOUND SHOOTER)

 山中は「今夜も楽しいです。ありがとう」とMCを締めて、低音弦をワイルドに弾き始める。高橋の4カウントで「Spooky trouble」。ギターとベースが力強くユニゾンした。アウトロは激しくカッティングするギターと、うねるベースラインが絡む。観客は楽曲を完全に熟知しており、どの楽曲でも挙げた手が展開とシンクロしていた。ロックにシャウトする山中。それに比べると、クールなJIROだが、テンションが上がってくると叫ぶような表情も見せていた。

 再度のMCは「THE PREDATORSのコピーバンド、グレイターズ知ってる?」とGLAYがパロディでTHE PREDATORSをコピーしているバンドについて言及。山中はさらに「恐らく貴族の宴なんでしょうね」、「『Arabian dance』は本家よりも早くミュージックビデオを撮っていた」と話して笑いをとっていた。

 その後も英語詞曲も交えながら、ロックンロールしていく3人。JIROも時折コーラスをとり、メロディに厚みを加える。顔を見合わせながらアンサンブルを楽しんでいる様な様子も会場に高揚感をもたらした。

双方向的に盛り上がるラストスパート

撮影=橋本塁(SOUND SHOOTER)

 いよいよライブは佳境へ。それに先立ち、JIROが「やあ、皆さんようこそ。いらっしゃい。なんかZepp Diver City、広い。この間まで俺(GLAYで)アリーナツアーやってた筈なんだけどな(笑)。小さいライブハウスとかで沢山やってきて、今日もめちゃくちゃ楽しいです。最後まで楽しんで帰ってください」、高橋が「仙台のライブの時、袖からステージに上がる時にJIROさんが俺の50センチ後ろから入ってきたの。そうしたら誰も俺の事を見ていなかった(笑)。今日も少し距離を置いて入場したところで、視聴率ゼロなんだという事がわかりました」と、このツアーの感想を告げる。

 そして、山中が「ラストスパートの前にTHE PREDATORSらしいスイッチを入れる」と、頭にかぶりもの。アッパーな楽曲で疾走していくTHE PREDATORS。JIROと山中が観客にクラップを求めるシーンもあり、双方向的に盛り上がる。ぎゅうぎゅうになりながらも手を挙げて楽しそうなファンたち。高橋のドラムがフィーチャーされる場面では大歓声が上がっていた。

 セットリスト最後は「WILD TIGER」。ギターのフィードバック音から硬派なビートが打ち鳴らされる。ベースとドラムだけになるAメロから、サビでエンジン点火。ステージの上も下もノリノリだった。最後は全員で<WILD TIGER!>の大合唱で完走し、3人は退場した。高橋への視聴率が気になるところだ。

 そしてアンコールの拍手に導かれ、3人が再登場。「2年半ぶりに集まって、新曲をレコーディングして全国ツアーをやりました。もっとスケジュール見つけて集まってやりたいねと話しているから、またその時は会いに来てくれ」と山中が話して、演奏が始まる。

 アンコールはメロウな「Trinity」から。イントロの可愛げなフレーズが流れる。旅の終わりに旅が始まる歌を持ってくるところがニクい。3人で歌うサビは、祭の終わりの寂しさも感じさせた。そして山中がタイトルをシャウトして「Typhoon Jenny」をご機嫌に歌いあげる。最後までアクセル全開でアンコールを締めくくった。

 その後、ダブルアンコールにも応えたTHE PREDATORS。山中が『ドラえもん』のお面をかぶって寸劇を披露したり、ツアーの舞台裏について3人が軽妙なトークを展開してから、最後にもう1曲だけ演奏してこの夜は終わりを迎えた。

記事タグ