ガールズロックバンドのSCANDALが14日に、東京・Zepp DiverCity Tokyoでフリーライブ『ニューアルバム「HONEY」発売記念フリーライブ』をおこなった。同日にリリースされた通算8枚目となるニューアルバム『HONEY』の発売を記念したライブで、アルバム予約者の中から抽選で当選した人のみが参加できるというプレミアムライブ。この日はニューアルバムから「恋するユニバース」「プラットホームシンドローム」「OVER」、バレンタイン当日ということもあり「ビターチョコレート」などアンコール含め全10曲を熱演し、オーディエンスを魅了した。【取材=村上順一】

「みんなめっちゃ声出てるじゃん」

HARUNA(撮影=ハタサトシ)

 爽快なロックサウンドをBGMに、静かに開演を待ちわびるオーディエンスの姿。この日はステージ上や客席、さらに2階にもVR用のカメラがセッティングされ、普段のライブとは少し趣の違う空間。開演時刻になると、BGMのボリュームが大きくなり暗転。ファンキーなSEが鳴り響くなか4人がステージに登場。

 SEが鳴り続くなか、空間を引き裂くように「恋するユニバース」で2018年1発目となるライブの幕は開けた。MAMI(Gt、Vo)のソリッドなギターサウンドが鳴り響き、HARUNA(Vo、Gt)の伸びやかでエネルギッシュな歌声で一気にライブモードへオーディエンスを導く。TOMOMI(Ba、Vo)はピックで輪郭のあるトーンを奏で、RINA(Dr、Vo)も体をシェイクさせるビートでバンドを牽引。

 すっかりライブの定番ナンバーとなったラテンテイストの「テイクミーアウト」へ。踊りだしたくなるその軽快なビートと、HARUNAのライブ感溢れる歌にフロアもお祭り騒ぎのような盛り上がりを見せた。間髪入れずに「瞬間センチメンタル」でさらに加速させヒートアップさせていく。メジャーデビュー10年というキャリアから放たれる、良い意味での余裕を感じさせた演奏は、新たなステップにバンドが上がったことを実感。そして、HARUNAが「歌って!」と投げかけ、その言葉を受け、オーディエンスによるシンガロングが盛大に広がる。

 「みんなめっちゃ声出てるじゃん」とメンバーもその盛り上がりに驚きを隠せない。そして、ニューアルバムから「プラットホームシンドローム」を披露。体を揺さぶるスピーディーなナンバーに、“これがライブ”だという臨場感が熱気と共に伝わってくる。

 ここでMCを挟みバレンタインの思い出を話すメンバー。バンド結成当初から手作りチョコをメンバー同士でプレゼントしあっていたが、いつのまにか既製品に変わり、今では男気ジャンケンで勝った人が他のメンバーに、高級チョコをプレゼントするイベントに変化していったと振り返る。今年はHARUNAが勝ち、みんなにプレゼントしたというバレンタインならではのエピソードも。

 そして、この日にピッタリのナンバー4枚目のアルバム『Queens are trumps -切り札はクイーン-』に収録の「ビターチョコレート」をプレゼント。曲名をコールすると歓声が上がり、この曲でメインボーカルを取るTOMOMIと、サビでのHARUNAとのハーモニーも会場を包み込むよう。その演奏と歌にオーディエンスも静かに耳を傾けていた。

 場面を一転し盛り上がり必至のナンバー「会わないつもりの、元気でね」で一体感はさらに高まる。ドライブ感溢れる演奏にアクティブに腕を掲げ、ステージから放たれたエネルギーを押し返すようなコミュニケーションもライブならでは。

衝動的なアルバムが出来た

SCANDAL(撮影=ハタサトシ)

 MCではライブハウスでニューアルバムの曲が出来ることに喜びを感じているとメンバー。「ガールズバンドで出来ることってなんだろうと、昨年のツアーを経てそれをちゃんと形にできた。自分たちで作れたことがすごく嬉しい」とHARUNA。

 そして、RINAも「聴いてくれた一人ひとりが明るい気持ちになったり、辛い時に救ってくれるような音楽になったら嬉しいと思いながら10年やってきたので、今日ここにみんなが来てくれたことが嬉しい」と感謝を述べた。

 MCに続いて、今後のライブで大事になって行く曲になると話したニューアルバムから「OVER」をライブ初披露。SCANDALらしさが詰まった、叙情的な歌詞にメロディアスでアグレッシブなアップチューンにオーディエンスも扇情。続けて、盛り上がりの熱をさらに高めるように、体を弾ませずにはいられないナンバー「EVERYBODY SAY YEAH!」に突入。ステージとフロアが一体となったパフォーマンス、そして、セクション毎に心地良くグルーヴを変えていく演奏には貫禄すら感じさせた。

 サーチライトのように照らすライティングが視覚でも高揚感を煽り、本編ラストはHARUNAとTOMOMIのスイッチングボーカルがエキサイティングな「LOVE SURVIVE」を投下。〈もっと・・・♪〉と歌詞も後押しするかのようにハイテンションな空間を作り上げ、本編を終了した。

 アンコールを求める手拍子に応え、Tシャツに着替えた再びステージにメンバーが登場。「アルバムの世界観をホールツアーで感じて欲しい」と告げ、「これでみんなで踊れたら最高の夜になるんじゃないかな」と代表曲「SCANDAL BABY」を披露。心の底から躍動させるバンドサウンド。演奏することの楽しさがステージ上からも伝わってくる好演。ボルテージは最高潮まで高まるなかライブの幕は閉じた。

 「メジャーデビューして10年やってきて、今こんなに衝動的なアルバムが出来たことが本当に嬉しい」とMCで話していたように、今のSCANDALの衝動を封じ込めた『HONEY』を引っさげた全国ツアーが3月3日から開催。そのツアーで今作の楽曲たちが、バンドと共にどのように成長して行くのかも非常に楽しみとなったステージだった。

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