印象深い共演者たちに支えられた撮影

――様々に登場した共演者の方とはいかがでしょうか? 一番共演の時間が長かったのは、やはり原田さんかと思いますが、俳優としても先輩というところもあり、いろいろ刺激もあったのではと思いました。

 ありました。泰造さんは、もちろん演技もすごく自然。演技以外のことでもすごく勉強になりました。例えば人との接し方とか、本当に人として大きな方で、「調子に乗っている人は消えていっちゃうし、真面目にやっている奴が最後まで生きるんだ」みたいな助言もいただけました。話の中には、泰造さんの長い芸能人生の中で得た経験や、見てきた人などから得たことがすごく多いし、そういう面でも先輩としてすごいと思うところがたくさんありました。

インタビューに応じた七瀬公。意外な素顔も(撮影=ヨコマ キミヨ)

――年齢的なところではいかがでしょう?お二人とも、劇中の役柄はご自身の年齢とほぼ同じ役柄だったと思いますが、その意味では本当に父親と見まがうような関係もあったのではと思いました。

 泰造さんの息子さんが僕と歳が近くて、似ているところがあったようで、本当に子供と接している感じだったかもしれないです。僕も母子家庭で、男親というのはわからないけど、父がいたらこんな感じだろうなというのを思いながらしゃべることもありましたし。それは演技にもその雰囲気が出て良かったと思います。

――やはり演技をしていてやり易かったりするのでしょうか?

 やり易かったです。僕はまだ新人なので、始まる前にある程度しゃべっておかないとやりづらいかなと思っていたんですが、泰造さん自ら話題を振ってくれたりして。ところがあるけど、しょっぱなからずっとしゃべってくれていて。「俺、人見知りなんだよね」とか言っていながら、すごくしゃべったり(笑)。僕はお笑いが好きなんですけど、そんなお笑いの話とかもいろいろしてていただいて、それがいい空気感になったというか。2日目には本当にいい意味で緊張しなくなりました。

――相手が原田さんだったから、というところもあったのでしょうかね。

 はい、それはあると思います。とにかく器の大きな方です。もしほかの人だったら、多分もっと打ち解けるのも遅かったかもしれないし。本当に何でも受け入れてくれる方でしたね。

――その他の共演者はいかがでしょうか? 小西真奈美さん、葵わかなさんと女性陣もそれぞれですが、それぞれの印象はいかがでしたか?

 そうですね…小西さんは年上なのですが可愛い! と感じますし、すごく礼儀正しい方です。本当にマンガなんかに出てくるヒロインという感じの素晴らしさがありました。

――それはカメラが回っていないところでも?

 そうなんです。一挙手一投足にそう感じさせるような、無垢で純粋な感じの方。わかなちゃんは3月から大学生で、18歳とは思えないくらい落ち着いているところと、同い年とは思えないくらいキャピキャピしているところがありました。でも好きなマンガを語る時は、ちょっと熱くなっちゃうという一面も持っていました。

――山本さんはいかがでしょうか? 複雑な家庭環境で、家を出たお母さんという特殊な位置づけにある役柄でしたが…。

 一番ビックリしたのが、未來さん(笑)。現場ではムードメーカーで、すごくずっと笑っていらっしゃいましたし、撮影中やオフの時も優しくしていただいて、すごくお世話になりました。撮影が終わってからも連絡をくださったり。実は『東京国際映画祭』の舞台あいさつの前に足を骨折されたんですけど、そのころケガの話と僕が車いすを押すことになったことを聞いて、心配になってLINEで「大丈夫ですか?」とメッセージを送ったら、玉乗りに失敗して転倒している絵のスタンプが一つ返ってきて(笑)。すごく愉快な方です。

――ストーリーの印象的な部分というか、葵さんが演じられる妹・彩菜を中心に、恋人の男性と家族ぐるみのお見合いをするシーンがありましたが、このシーンは作品の中では一番感情の起伏が見られ、ポイントになるシーンではないかと私は感じました。それぞれ違うことを言いながらも、本当に“家族らしい”という雰囲気が出ているというか。この部分は、葵さんや原田さんと何らかのやり取りはあったのでしょうか?

 いえ、特に話はしていないのですが。でもフッとそうなったのは、もちろん自分の中では設定などを意識したんですけど、事前に“こうしよう”という話し合いはしませんでした。よく泰造さんのシーンとかはそういうことが多いんですけど「そういう話をしました?」とたずねられるけど、本当に特に打ち合わせはやっていないんです。とにかくみんな、脳内でのシミュレーションがすごく合致したのかなと。

――では、七瀬さんも後から見て、“本当に家族になったみたいだな”と?

 そうですね。映像を見て思ったところもあったシーンとか本当にありましたし、本当に自然だなと。

――今回はその意味では、演じられて大きな手ごたえも感じられたかと思いますが、ご自身の演技に対する評価は、どの様に?

 難しいですね。60点…かな…

――(笑)。なかなか厳しい評価ですね。

 やっぱり自分のシーンは、絶対他人が見るより気になるところも多いし、すごく悔しいと思うんです。それこそ演技が終わった後に見て“今ならもっとできたかも”、とすごく思うこともあるし。

――でも、それは逆にご自身のこれからの伸びしろという部分も期待できますね。次回は、ご自身が思い切り目立たれる作品で(笑)、奮闘されることを期待したいと思います。

 はい、ではアイドルになって…なんて(笑)

(おわり)

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七瀬公
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