X JAPANのYOSHIKIさんが年末年始と話題を集めた。昨年大みそかの第68回NHK紅白歌合戦で、術後初のドラムパフォーマンスを見せたかと思えば、年が明けた年始特番では紳士さとお茶目な人柄を見せて話題となった。=写真は昨年の紅白のリハーサル=

 80年代や90年代、リアルタイムでX JAPAN(結成当時は「X」)を聴いてきたものからすれば、YOSHIKIさんと言えば「怖い」というイメージがある。噂話やテレビ番組での発言、書籍等にのる武勇伝の数々が「キレると怖いYOSHIKI」像が作り上げられた。

 実際に、ライブパフォーマンスは激しく、壊したドラムは数知れず。予定通りに始まらないというのは当たり前のようでもあった。

 そういうイメージでいるものだから、YOSHIKIさんへの囲み取材でも“それ”を知らない記者がズカズカと質問している様子に冷や汗をかく。それでも彼は紳士に答えている。

 先日放送されたテレビ番組では、紅白歌合戦への初出場を振り返り「嬉しいですよ」と語っていた。ロッカーであれば「オファーがあったから」と突っぱねそうだが、彼は飾ることをしない。それは取材でもそうで、飾らず、丁寧に答える。

 老舗呉服屋を営む家庭に生まれ、クラシック音楽を好んで聴いていた。その後、KISSのコンサートでロックに目覚め、ドラムを叩き始めた。

 これまでの会見やテレビ番組でみせる語り口や言葉、表情には品の良さを感じる。それは今に限らず、過去の映像をみてもそうだ。きっと、もとから持っている素養だろう。

 しかし、ライブになると一変する。普段は秘めている情熱を吐き出すように荒れ狂うように叩く。一方でピアノは白鳥が羽を広げるように可憐な指さばきで弾き、美しい旋律を奏でる。

 昨年の紅白では、ピアノとドラムという二面性を見せ、年始には人柄という二面性を見せた。年始特番出演後、ネット上には「意外な一面が見れた」や「見直した」「優しい一面を見た」という声が相次ぐなど、好評を得た。

 X JAPANのドキュメント映画『WE ARE X』には、これまでの軌跡をYOSHIKIさんの密着を通して伝えており、YOSHIKIさんの限界ギリギリの痛々しい姿も刻まれている。

 X JAPANの音楽がなぜ愛されるのか、その答えがこの作品を通して感じられるが、YOSHIKIさんひいてはX JAPANの魅力のいったんを年末年始にみた気がした。【木村陽仁】

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