<記者コラム:オトゴト>
 筆者はライブ取材の他にも、インタビュー取材も数多くおこなわせてもらっている。今回はそのインタビューで記憶に残っているミュージシャンの言葉から綴っていきたい。

 取材に臨むまでに、そのアーティストについて何日も掛けて調べて行くのだが、音源を聴いたり、歌詞を読んでいるだけでも、直接話さずとも音から伝わる凄さも多い。しかし、実際インタビューしてみると、その人たちの持っている感性や綿密さに驚くことが多々ある。例えば、つい最近取材させて頂いたジャズピアニストの上原ひろみさん。ピアノと音楽への情熱は並々ならぬものだった。

 もしピアノがなくなったらという質問に対して、彼女は少し考えてから「...作ります」と斜め上の回答をくれた。筆者はおそらく違う楽器を演奏するという答えを期待していた。彼女曰く、他の楽器を演奏しているイメージが湧かないという。さらに彼女は、ピアノが作れないならミュージシャンを辞めるかもという極端な発想も、ピアノへの情熱を感じた瞬間だった。逆に自分が凡人だということを改めて思い知った。

 あれほどの超絶プレイとエモーショナルなサウンドは、その情熱から生まれるものなのだと実感。純粋に格好や形ではなくプロミュージシャンになるには、当たり前だが、並々ならぬ歌や楽器、音楽への愛情が必要。一般的な“好き”というレベルの次元が違った。

 あと、クラシックやジャズ系の方に多いのだが、演奏するということに対して、科学的、医学的に分析している人が多い。弾くための筋肉の使い方や、楽譜を追うことに対する視力の使い方など、感覚的にではなく理論的に分析している。そのために何をしたら良いのかを、逆算しながらトレーニングをしているという。これは、音楽に限らず様々なことに生きてくる。

 最後に一番重要なのは、情熱や愛情ももちろんだが、まずはその世界へ飛び込む積極性が必要だと、ジャズピアニストの小曽根真さんが話してくれたのも記憶に残っている。そのジャンルの第一線で活躍する人たちの言葉に、耳や目を傾けてみるのも良いのでは。

【村上順一】

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