格段に成長した彼女のボーカルを存分に聴かせ、シンガーとしてアーティストとして、ネクストステージに立ったことを感じさせた家入レオ(撮影=田中聖太郎)

 デビュー5周年を迎えた家入レオが4月30日に、東京・日本武道館で、初の武道館単独公演『5th Anniversary Live at 日本武道館』を開催した。2月15日にリリースした初のベストアルバム『5th Anniversary Best』を引っ提げて、今までになかった白いワンピース姿で、ミディアムナンバーを中心に歌った前半。中盤は、熱いロックナンバーや打ち込みの楽曲をメドレーで披露。そして終盤は、これまでの家入レオのスタイルで、ステージを駆け回りながら拳を振り上げて会場を盛り上げた。この日のライブではアンコール含め全21曲を、リラックスしたムードの中で、格段に成長した彼女のボーカルを存分に聴かせ、シンガーとしてアーティストとして、ネクストステージに立ったことを感じさせてくれた。

想いを馳せながら楽しんでほしい

家入レオ(撮影=田中聖太郎)

 ステージは、「僕たちの未来」で幕を開けた。アカペラでワンコーラスを歌う彼女の歌声に、息を飲むように静まりかえった観客。そこにバンドのサウンドが鳴り始めると、堰を切ったように歓声が押し寄せ、日本武道館を包み込んだ。続けて「Shine」では、ジャンプと手拍子で盛り上がり、客はペンライトを揺らして一緒に歌った。

「5周年という記念の年に、デビュー前からの憧れだった武道館でライブを出来ることが本当に嬉しい。今日のセットリストは、ベスト盤をほぼコンプリートした、かなりの高カロリーです。どんな人でも楽しめるものになっています。この曲のときはこんなことしていたな〜とか、想いを馳せながら楽しんでほしいです」と、家入。

 この日のMCは、非常にリラックスした雰囲気で、まるで昔からの友だちと会話をするような親しみのあるものだった。ステージドリンクのハーブティーが熱くて「飲めないやん!」と、思わずつっこんだり、白いドレス風ワンピースの衣装に、観客から「ウェディングドレスかわいい〜」と声があがると、「違うし!」と、笑って返す場面もあった。

「この曲は、絶対武道館で歌いたかった。みんなも大切な相手を浮かべて聴いてほしい」と、紹介して歌った「Hello」。一緒に歌う観客の声に耳を傾け「やっぱりこの曲は、みんなで歌うと優しい気持ちになるね。みんなもそうだよね!」と、再びマイクを客席に向けると、会場にはさらなる大合唱が広がった。また、13歳のときに初めて作詞作曲した「I promise you」は、アコースティックギターの弾き語りで披露した。一音一音丁寧に鳴らされるギターの音色と、噛みしめるような歌声が、実に印象に残った。

 また、中盤に聴かせたメドレーでは、観客を彼女の世界観に引き込む。「恍惚」ではスタンドマイクを巧みに使って色気のある表情も見せ、少し大人になったことを感じさせる表現力で観客を魅了した。

ライブのもよう(撮影=田中聖太郎)

 黒のスリムパンツに赤いチェックのロングシャツという、これまでの家入レオらしい出で立ちで、終盤には「純情」「Hello To The World」などを披露した。ステージを右へ左へと走り回り、ステージの端からスタンド席に手を振ったり、指さしたりして盛り上げる。そして本編の最後は、デビュー曲の「サブリナ」で会場を盛り上げた。「最後はどの曲が良いか、何度も考えて行き着いたのが、やっぱりこの曲です。この曲に、みんなで決意を込めない?」と、家入。次なるステージに向かうことを約束し、自らジャンプして全力疾走。マイクを客席に向けて、「ありがとう」と叫んだ。

 アンコール前のMCでは、これまであまり話さなかった、家族のことを話した。「16歳でデビューが決まったとき、父親が私の活動を認めてくれなくて。これまで一度もライブに来てくれたことがなかったんです。でも今日、初めて父親が来てくれました」と家入。そのときの表情は、これまではキッと奥歯を噛みしめて踏ん張って来た彼女が、初めて見せたフッと力を抜いた柔らかい表情だったように思う。

 まるで北風と太陽のお話のように、多感な少女が自らを守るために歯を食いしばって来たデビューから、ファンの声援を背に受けながら愛や優しさを知り、心を少しずつ解放していった5年。随所で見せてくれた、これまでとは違う新しい家入レオの姿は、実に悠々として頼もしく、未来を見据えた明るい表情に満ちあふれていた。

(取材=榑林史章)

セットリスト

01.僕たちの未来
02.Shine
03.太陽の女神
04.miss you
05.君に届け
06.Silly
07.チョコレート
08.君がくれた夏
09.Message
10.Hello
11.I promise you
12.Free 〜 Too many ~ Lady Mary ~ 恍惚 ~ Bless You *メドレー
13.For you
14.a boy
15.純情
16.Party Girl
17.Hello To The World
18.サブリナ

-ENCORE-
01.Linda
02.それぞれの明日へ
03.Last Song

5th Anniversary Live at Zepp(全6公演)

9月6日(水) 東京・Zepp DiverCity Tokyo
9月7日(木) 東京・Zepp DiverCity Tokyo
9月12日(火) 愛知・Zepp Nagoya
9月13日(水) 愛知・Zepp Nagoya
9月20日(水) 大阪・Zepp Namba
9月21日(木) 大阪・Zepp Namba

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