矢野顕子の魅力を語った清水ミチコ(撮影・小池直也)

 タレントの清水ミチコが27日、都内でおこなわれた、矢野顕子主演映画『SUPER FOLK SONG ~ピアノが愛した女。~ [デジタルリマスター版]』のトークショーに登場。清水は「(矢野の)LPを楽器屋さんに電話して取り寄せて、やっと到着したら和田アキ子のLPだったんです。笑いながら『許せない』と思いました」とユーモアを交えて、矢野の魅力を語った。

 映画は、シンガーソングライターの矢野顕子が1992年に発表した、アルバム『SUPER FOLK SONG』の制作ドキュメンタリー。苦労したり、いらだったり、安堵したり、レコーディングにおける創造の瞬間を撮影した、貴重映像となっている。清水は長年、矢野のファンであり、プライベートでも交流があるそうだ。

 清水はこの日、満員の会場を見渡し「すごい人数ですね。私が言うのも変ですけど、楽しんでいってください」と挨拶した。

 イベントが始まると清水は「私が高校1年生の時、深夜のテレビ番組で見てびっくりしました。『こんな風に歌っていいのか』と。粋だし、ジャズの要素もあって衝撃でした」と矢野を初めて知った時のエピソードについて語り始め、「すぐLPを楽器屋さんに電話して取り寄せて、やっと到着したら和田アキ子のLPだったんです。笑いながら『許せない』と思いました」とのエピソードを語り、笑いを誘った。

 清水は重ねて「15歳の時に聴いた時、それまでの自分の人生がモノクロだったのかなというくらいにカラーの人生になった。凄い大きな楽しみを見つけた感じでしたね」とも回想した。

 映画の感想を問われると「矢野さんみたいにピアノを弾きたいし、歌いたいしというので真剣にコピーをしたんです。だから私の印象では『天才だからどんな事でも出来る人だ』と思っていたんですけれども。そんな天才でもレコーディングでこんなに努力して、構築していくのかというのがびっくりしました」と語った。

誕生日ケーキを手にする清水ミチコ(撮影・小池直也)

 劇中に登場するお気に入りの曲については「(劇中で)ちょっとてこずっていらっしゃった、『それだけでうれしい(THE BOOMのカバー)』は映画に感化されて物凄くコピーしました」とモノマネで歌交じりにコメント。会場からは感嘆の声もあがった。

 矢野の演奏については「完コピをしたくてしたくて、未だに自宅で練習してるんです。でも全然できないんですよ。もう40年くらいやってるんですけどね。ピアノをやる人はクレヨンと同じで『最初は12色出る様になった、次は48色だ』という楽しみがあるんです。だから、それをひけらかす人もいるんですけど、矢野さんの場合は墨絵みたいなところがあって。それが誰にもマネできないところなんじゃないですかね」と述べた。

 撮影の当時の矢野が30代半ば。30代半ばの頃の清水はどうだったのか、という質問には「私はもう50年くらいこんな感じですよ。ずっと矢野さんのマネをしたり、ライブしたり、テレビに出たり。でもやっぱり、いつも誰かになりたいですね。自分の何かを表現したいっていうことは一切なくて、自分の中の桃井かおりを出してみたい(桃井のマネをしながら)っていう事で一杯ですね」と話した。

 最後に映画の見どころについて「ひとつの目標に向かって、一生懸命やってるっていう姿です。特に才能のある人がやっているから見応えがあります。苦労なんだけど、こんな幸せや達成感はないかなと。応援はしてないんだけど、勝手に応援してる気持ちになる映画だと思います」とした。

 またこの日が誕生日だった清水に、スタッフからバースデーケーキが贈られるサプライズも。これに清水は「人の映画で自分の誕生日祝って、写真撮ってもらう人初めて見た(笑)」とはずかしげな様子を見せた。(取材・小池直也)

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