中島みゆきとの関係性を語る瀬尾一三氏。中島とは30年来の付き合いだが、関係良好のカギは「互いを知らない事」とも(撮影・小池直也)

 音楽プロデューサーの瀬尾一三氏が7日、都内でおこなわれた、映画『中島みゆき Concert 「一会(いちえ)」2015~2016劇場版』の公開記念トークイベントに出席した。長年に渡り、中島みゆきの楽曲をプロデュースしてきた同氏は、中島との関係を「お互いのプライベートは一切知りません。だから続いているんだと思います」と振り返った。

 映画は、2015年11月12日から2016年2月11日にかけて、東京と大阪で計15回開催されたコンサート『中島みゆき Concert 「一会(いちえ)」2015~2016』の模様を収めたもの。これまで未公開だった、リハーサル・ドキュメンタリー映像も同時上映となる。

 瀬尾氏は、プロデューサー、アレンジャーとして数多くのアーティストのプロデュースを手掛けているが、中島作品にも長年携わってきた。映画の公開初日を迎えたこの日、上映後にトークイベントが開かれ、紋付き袴姿で登場した瀬尾氏は中島との思い出などを語った。

 瀬尾氏はまず「お正月という事で気張ってみましたけど(衣装)、何か花嫁の父の様な感じになってます。しばらくお付き合い頂けると嬉しいです。一部ディープなファンの間では『パンダ』と呼ばれていますが(笑)、瀬尾一三です。宜しくお願いします」と挨拶した。

 中島との“馴れ初め”について「絶対(中島と)会ったら喧嘩するだろうなと思ってました。尖っているもの同士が仕事すると喧嘩が始まるので、なるべく避けてこの業界を終わりたいなと。そうしたら正面衝突して、『なかなかこいつ、わかる奴じゃん』と思ってから約30年。自分でもこんなに続くとは思ってなかった。銀婚式も終わっちゃいますね」と冗談まじりに明かした。

 更に「物事の考え方とか、社会の事を話してるときに意見が合ったんです。それで良い奴だなと(笑)。彼女が作品として世の中に出そうとしてる事と、僕が反対の方向を向いていたら、彼女がやろうとしている事が出来ないわけじゃないですか。だから、まず方向性としては同じ方向へ向いていないと駄目なので」重ねた。

 瀬尾氏が思う中島みゆきについては「仕事の時しか会ってませんからね。ラジオで喋っている感じもみゆきさんですが、普段はとても穏やか。怒ったら怖いですけど(笑)」とした。

トークイベントに出席した瀬尾一三氏(撮影・小池直也)

 劇中のライブにおける選曲の意味については「ライブに来ている会場の方と、一期一会で会った時に『中島みゆきは今これが言いたい』『歌いたいんです』というのを入れていこうと思ったんです」とコメント。

 曲順については「皆さんで考えて頂いた方が良いです。僕が種明かしをしたところで、それを嫌がるのは本人(中島)なので。『これは、こうでしかありえない』と彼女は言った事がない。もちろん彼女の中では筋が通ってますけれども。でも誰が合っていて、誰が間違ってるとかではない。誰かと話していて『こういう考えもあるんだ』となれば、会話が弾むじゃないですか。必ずしも正解はひとつではないんです」と述べた。

 中島の創造力の源は何か、という問いには「彼女は新曲の譜面を全部作って、僕の前に“ぼん”と置きます。その前の過程は知りません。彼女の創作方法は皆目知りませんし、知りたくもないです。知らないほうが良いですよ。もし、知ったら『見たな』と言われるかもしれませんし(笑)」とし、更に「お互いのプライベートも一切知りません。だから続いているんだと思います」とお互いの距離感についても言及した。

 中島の存在を一言で表すと「親友というほど知らないし、戦っている訳でもないので、戦友と訳でもないんです。何が一番近いかと言われれば、血の繋がってない兄妹という感じですね」と返答した。

 この日のイベントは30分ほど終了。最後に「今日は三連休の初日に来て頂きまして、ありがとうございました。劇場で観て頂くというのも1つの方法論なので、それはそれで楽しんで頂きたいと思います。これからも中島みゆきの事を末永く応援して戴きたいです。なるだけ2人で揃って、前進して行きたいと思います。今日はありがとうございました」とメッセージを贈った。(取材・小池直也)

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