ピアノを弾き語る宇多田ヒカル

 シンガーソングライターの宇多田ヒカル(33)が9日、ネット番組『30代はほどほど。』に出演した。宇多田は番組中、視聴者からの質問に答えた後にスタジオからパフォーマンスを披露。本格復帰後初となるファンとの交流イベントで、通信(3DVR)を通じて生歌を届けた。また、番組の最後ではデビュー18年を記念したサプライズも。目を潤ませながら「長い休みも待っていてくれた事を感じました。ありがとう」とファンへメッセージを贈った。

 この番組は宇多田のデビュー記念日にちなんだ特別番組。映像配信サービス「GYAO!」の協力のもとスタジオからトークと生歌が中継で送り届けられた。また、宇多田の活動としては初となる3DVRでの生中継イベントも並行しておこなわれ、多数の応募の中から選ばれた当選者が参加した。この3DVRは、ゴーグルを装着して映像を観ると360度で自分好みの角度から視聴できるというもの。音楽業界からもイノベーションとなりえる企画として注目が集まっている。

 並行して都内でおこなわれた生中継イベントは、最先端の技術ゆえのテクニカルなトラブルはあったものの、番組開始と同時にスタート。画面には、大きめの眼鏡と番組名が書かれたスウェットという装いの宇多田が映し出された。

ファンへ生歌を披露する宇多田ヒカル

 宇多田は番組を進行しながら、ツイッターで寄せられた視聴者の質問に答えていく。今日の昼食は? という質問には「支給されたお弁当をソファーでKOHHさん(ラッパー)と並んで食べてました」とほのぼの。さらに好きな鍋は? という問いには「鍋で鶏肉団子を作るのが好き。冷凍しておけば次の日はすぐにスープにできるし、楽しい」とした。

 トーク中は、ゲストのPUNPEEがDJを担当。宇多田の緩めな話しぶりとは裏腹にクールな演出だった。その後は続くスタジオパフォーマンスの準備のためインターバルが挟まれた。ハープのチューニングの音が聴こえてくる。

 しばしの中断が明けると、準備完了とばかりにカジュアルなニットに着替えた宇多田ヒカルがピアノへ。「じゃあ、お待たせしました」と一言。PUNPEEが機材で出した宇宙的なサウンドの上に、宇多田がピアノで浮遊感のある和音を高音で乗せていく。暫くしてからKOHHが登場。

 3人で演奏したのは「忘却」。ライブでは初披露である。KOHHらしいリズムのラップに続いて、宇多田の残響が残るエフェクトがかかった歌へとパス。このマイクリレーが2往復したところでハープ・朝川朋之がフィーチャーされた。きらびやかなアルペジオを提示。

 この間に宇多田はピアノを離れ、スタンドマイクへ移動。ここから楽曲は「人魚」へフェードする。こちらもライブは初披露。CDとは異なり、ハープと宇多田の2人によって演奏された。ミニマルな編成ながらもシックな雰囲気。だんだんとハープのアルペジオの音数が多くなり、抑制されながらも盛り上がっていく。

都内でおこなわれたイベントのもよう。それぞれ通信端末をもちいて宇多田ヒカルの歌唱パフォーマンスを視聴(撮影・小池直也)

 スタジオパフォーマンス終了後、宇多田は「その前のトークの緩さは、大丈夫かな」としながらも丁寧に共演者とスタッフに御礼をした。さらに「回線の問題もちょっとあったかと思うんですけど。できるだけ皆が見られた事を祈りつつ、再放送もあるみたいなんでそちらもチェックしてくださいね。御視聴いただいた皆さん、有難うございました」と礼を述べて番組を終えた。

 と思いきやここでサプライズ。デビュー18年記念のケーキが宇多田に贈られた。PUNPEEもデビュー曲「Automatic」を流すサービス精神。

 宇多田は若干、目を潤ませながら「こんなに緩い企画を見てくれてる人がいるという事は、相当なファンの方だと思うので。長い休みも待っててくれたんだなって事を今回、感じました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします」とメッセージを贈った。(取材・小池直也)

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