Spotify玉木一郎氏

Spotify玉木一郎氏

 世界最大手の音楽ストリーミングサービス「Spotify」(スポティファイ)の日本でのサービスが10日、一般公開された。9月29日にエントリー制で国内サービスを開始していたが、これで本格化する。また、Spotify Japanはこの日、一般公開に併せて都内で記者会見を開き、ソニーと音響機器メーカーのBOSEなどと共同開発したデバイス機器の説明をおこなった。日本独自のサービスとして、村上春樹氏の人気小説『ノルウェイの森』に因んだ楽曲を集めたプレイリストなども紹介。Spotify Japanの玉木氏は「あらゆる人に音楽を届けていきたい」と語った。

 Spotify(本社=スウェーデン・ストックホルム)は音楽ストリーミング業界最大手で、現在4000万曲以上がアーカイブされ、その会員数は世界で1億人を超える。日本では9月29日から、紹介制度である「エントリー制」での一部サービスを開始。この日、広告付きの無料プランである「フリープラン」と、広告表示なしの月額980円で利用できる「プレミアムプラン」のサービスが一般向けに始まった。

 Spotifyの最大武器は4000万曲以上のアーカイブと、20億を超えるプレイリスト。この日会見に出席したSpotify Japanの代表取締役である玉木氏はその点を強調しながら「ただ音楽好きの方に集まって頂くのではなく、どういう風に集まって頂いたのかが大事」と音楽を利用する背景が重要であると説き、気分やシチュエーションに合わせてプレイリストを選択できる自社の強みを紹介した。

BOSEピエール・ペルラン氏

BOSEピエール・ペルラン氏

 また、ゲーム音楽のプレイリストが世界的では人気を集めているようで、日本向けの独自サービスの例として、村上春樹氏の人気小説『ノルウェイの森』に因んだプレイリストをあげ、その物語に関わる音楽を聴きながら本を読むことでより世界観を膨らませる、新たな楽しみ方を提示した。

 更に、玉木氏は「日本のアーティストと世界の人々を繋ぐというのも重要な役割」と述べた。同氏によれば、人気ロックバンドのRADWIMPSのボーカル、野田洋次郎のソロプロジェクト「illion」が、Spotifyのサービス上でノルウェーのキュレイターの目に留まり、それがきっかけで英国で人気に火が付いたという。

 そのことを踏まえつつ、Spotifyがツイッター上での視聴も可能となったことを明かし、「SNSを通して仲間と音楽をシェアできる重要な機能だと思います」とコメントした。

 デバイスの共同開発にも乗り出した。ソニーやパイオニア、BOSEなど音響機器メーカーの100以上のデバイス機器と繋がる「Spotify Connect」を開発した。

 この日、会見に出席したBOSEの社長、ピエール・ぺルラン氏は「BOSEは“Simple”(シンプル)であることを追及してきた。これからは、音楽を最も有効的に聴けるだろう。スマホもパスコードも、コネクターも必要なく、ただボタンを押すだけなのだから」と自信をのぞかせた。

ソニー・インタラクティブエンタテイメント塚嵜英史氏

ソニー・インタラクティブエンタテイメント塚嵜英史氏

 また、ゲーム機器との融合サービスもおこなう。ソニーのゲーム機「PlayStation3」「PlayStation4」でのサービスを開始。ソニー・インタラクティブエンタテイメントの戦略企画部長である塚嵜英史氏は「これからもPlayStationとSpotifyで新しいユニークな音楽体験を提供していきたい」とさらなる共同開発に意欲を示した。

 玉木氏は、BMWやVolvo、Miniといった自動車メーカーとも手を組み、カーステレオでもSpotifyのサービスが利用できる環境づくりをおこなっているとも明かし、「あらゆる人に音楽を届けていきたい」と日本でのサービス普及に意気込みを語った。(取材・松尾模糊)

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