男性アーティストの楽曲を女子目線の歌詞に書き変えてカバーするMK-twinty

男性アーティストの楽曲を女子目線の歌詞に書き変えてカバーするMK-twinty

 大阪発ポジティブ女子ユニットのMK-twintyが9月14日に、ミニアルバム『女子道』をリリースする。MASUMIとKANAの2人組。男性アーティストの楽曲を女子目線の歌詞に書き変えてカバーする、というユニークな切り口で注目を集めている。そのなかの1曲「等身大のラブソング」は中高生を中心に共感を得て、YouTubeでの再生数は40万回を超えた。オリジナルを大切にしながらも彼女達の想いもしっかり伝える。作詞作業は繊細だ。一方で彼女達の人柄はとても明るい。デビュー前は路上ライブを重ね、派手な衣装を着てレコード会社に売り込むアグレッシブさもある。繊細さと積極性を併せ持つ。今回は、MK-twintyの2人に新譜への思い、上京からメジャーデビューまでの経緯、さらには「大好きだからこそ変えたい」という女子目線によるリメイクについてまで幅広く話を聞いた。

ユニット名は学校の友達が付けてくれた

MASUMI

MASUMI

――お2人は、生まれも育ちも大阪なんですよね。

MASUMI はい。大阪弁もめちゃめちゃ出ます。敬語を使うと薄れちゃうんですけど、普通の会話では大阪弁でケンカし合っています(笑)。

――今は上京されてますが、東京はどうですか?

KANA もう東京に来て4年くらいになります。東京は人が多いですね。

MASUMI 肩がぶつかってもそのまま「何か問題でも?」という様な感じですーっと行ってしまう。

KANA そうそう。ぶつかることが当たり前やんなあ。大阪はほどよく人がいるんですよ。だからぶつからない。ぶつかったとしても「すみません」とすぐ言って「あ、全然大丈夫」ってなる。

MASUMI 嘘や! そんな良い街なん? 住んでたとこ違ったのかな。

KANA …みたいに、大阪だとこんなやりとりが始まっちゃうんですよ。「なにぶつかってんねん」ってなっちゃうのですぐに謝るんです。

――大阪でも音楽活動はされていたのですか?

KANA 全くしてませんでした。ダンスはやっていたので舞台には立ってはいましたけど、真剣に始めたのは東京に来てからですね。

KANA MASUMIと一緒にオーディションを受けて合格したんです。当時も地元愛が強くて。週3日くらいの学校だったんで大阪から東京まで夜行バスで通おうかなと思っていたんですよね。

MASUMI それでオーディションの時、審査員の方に「私たち大阪から通おうかと思っているんですけど」と交渉したら。

KANA すごく怒られて。

2人 「ふざけんな!」と(笑)。

KANA 普段は優しい人にすごく怒られて、すぐ「東京に住もう」となったんです。

――東京に来てからはどうですか。

KANA 歌の学校に1年ぐらい通いました。元々私たちは仲が良かったんです。2人で何かやりたかったので音楽にしたんですよ。なので入学してからも2人で歌ってました。

MASUMI 学校では、歌を専攻して。でも、ボイストレーニングだけじゃなくて、DTM(編注=デスクトップ・ミュージック。PCを使った音楽制作)で楽曲を作る授業とか色々あるんです。でも、うちらは苦手でした。

KANA 必死でクラスの皆がDTMをやっているなか、うちらはそういうのはやらなくていいと思っていたので授業中にYouTubeとか見たり。バレたらあかんから、先生が来ると画面をすぐ切り替えて「へえー」とか言って(笑)。サボっていたわけじゃないですよ。YouTubeを見て勉強していたんです。

――その頃から今のユニット名だったんですか?

KANA オーディションの時にはMK SCANTY」と当時は名乗ってたんですけど、卒業間近になってユニット名を変えたいなと思い、、、それで双子っぽいという意味の造語twintyを友達が考えてくれてMK-twintyというユニット名になりました。

デモ音源だけでは駄目

KANA

KANA

――曲作りはどうされていたのですか?

KANA 作詞作曲は好きでやっていました。

MASUMI メロディが降りてくるねんな。それをお風呂場で録音して、それを元にアレンジャーさんに編曲してもらうっていうやり方で作っていました。そういう形で何曲か作って、路上ライブから始めましたね。

KANA 場所は池袋と新宿が多かったです。池袋は、すぐに通報されて警察が来てしまって全然できなかったりしましたね。新宿も途中で厳しくなったけど、それまで1年間くらいは毎週やっていて。結構お客さんも来てくれるんです。

MASUMI 路上ライブって路上アーティストのファンの方がいて観に来てくれるんです。応援したくなるみたいで。そういう方が沢山集まってくれました。でもメジャーになってから全然来てくれなくなった(笑)。ガラッとお客さんの層が変わりました。

――メジャーデビューのきっかけは?

MASUMI 私たちはずっと「メジャーにいきたい」と周りにずっと言い続けてきたんですよ。でも、まだ未熟だからという理由で路上で1年間修行していました。ある程度、手応えも掴めてきたので、それで「そろそろいいかな」と原宿アストロホールという大きなライブハウスでライブをやることを決めたんです。それに当たってレコード会社の方達も招待しようと決めたんです。でも、日が迫っているのにレコード会社関連の方達は0人で。「これはヤバい」と思って自分たちからレコード会社に直接挨拶に行きました。その時ちょうどサッカーW杯の時期だったので2人でおそろいのユニフォーム姿で。

KANA デモ音源だけでは駄目で、自分たちから乗り込まないといけないと意を決して。厳しかったけど、直に会ったら「いいね!」と言ってもらえることが多かったんです。それで、そのなかの一社だった、今のレコード会社(日本クラウン)からメジャーデビューすることが決まったんです。

MASUMI 私達「とりあえず会いたい」というのが常にあるんですよ。更に言えば、「そこに行きたい」「人に会いたい」「何かをやりたい」。

――メジャーデビュー後はどうですか。

MASUMI 東京へは何も考えずに来たんですよ。ただ「芸能人になりたい」という軽い気持ちで。でも学校の入学とか本当にトントン拍子だったので、デビューさせて頂いてやっと現実の厳しさを痛感しています。「これじゃあかん、これじゃあかん」と日々2人で話し合っています。

KANA 音楽的にもパフォーマンスも全てがフワフワしていて緩かったんですよ。どうにかなるという精神が強かったんです。「2人でおれば、笑っていれば、楽しければ」というのだけではどうにもならないことがわかったんです。なので今は作戦を練ってます。

――どんな作戦でしょう。

MASUMI 今ってSNSの時代じゃないですか。上手く使えば一斉に広がると思うんですけど、私たちはそれを上手く使いこなせていない。ツールとしてSNS、それをもっと活用していかないとなと。上手く活用して10代、20代のファンを増やしたいですね。

KANA さっきも言いましたが、会いたい願望が強いので、もっと動画を配信しないとなと思っています。曲だけだと2人の良さって100%伝わらないなと。

「大好きだからこそ変えたい」

MASUMI

MASUMI

――動画と言えば「等身大のラブソング」のカバー動画も再生数が40万回を超えていますよね。

KANA 嬉しいです。あれも若い子たちがツイッターでリツイートしてくれて広まったんです。

――「女子道」シリーズとして、数々のカバーをおこなってきていますが、詳しく教えてください。

MASUMI 結構な曲数をリメイクさせて貰っていますね。リメイクするということは原曲に対してリスペクトがあると思うんですよ。なので原曲の雰囲気を壊さずに、自分たちの女性目線という気持ちも伝えられたらなと思っています。一番は原曲へのリスペクトなんです。そこに一番注目して欲しいです。

KANA 9月14日にリリースされるミニアルバム『女子道』も全部こちらから提案して、話し合って決まった曲ばかりです。好きで聴いてたとか、よく歌っていたとか、私たちの青春の曲ばかりなんです。特にリード曲の「ラストチャンス」は原曲が、思いっきり今の自分たちに当てはまる歌詞でなので「カバーしたい!」とずっと思っていました。昔から知っている曲で、しかも、今の自分たちの心境に合うからこそですね。

――その「ラストチャンス」はMVも撮られたんですよね。

KANA はい。オリジナルのMVも球場で撮影されているということもあって、ロケ地は球場に決まったんです。原曲へのリスペクトという意味でもありますね。

MASUMI 「等身大のラブソング」のリメイクの時もAqua Timezさんが大宮での路上ライブの模様をMVにしているので自分たちも大宮でMVを撮影したんです。当日は2人でオリジナルのMVを何度も観てから本番に臨みました。あとは衣装にもこだわっています。最初はMK-twintyのユニフォームで、という話だったんです。ユニフォームももちろん可愛いんですけど、もっと自分達らしいものがいいなと思ったんです。ちょっとルーズな感じのTシャツにしたりして、自分たちの意見も取り入れながら撮影していきました。

KANA あとはドローンの音が、めっちゃうるさいんですよ!(笑)。

KANA 全然曲が聴こえなくて。ちゃんと音に合わせないといけないのにドローンがうるさ過ぎて聴こえへんって(笑)。

MASUMI 監督さんからの指示とかも全然聞こえなくて、2人で「えー!? 何?」と聞いたりして。だから意思疎通が大変でしたね。

KANA あとドローンなので上から撮るんですけど、何故か知らないおじさんが入り込んじゃったりというのはありましたね。写り込んでしまうからどいてくれたんだと思うんですけど、MASUMIはもうその人を悪者扱いして「逃げました!」って騒いでたり(笑)。

――それは大変でしたね。男性目線の曲を女性目線に置き換えるという作業についてもお聞きしたいのですが。

MASUMI そのままのカバーということになってしまうと、私たちだとカラオケになっちゃうんですよね。だから自分たちの想いも入れたいなと。憧れていたET-KINGさん(同じ大阪出身)の「愛しい人へ」をやると決まって凄く嬉しかったんです。だから歌詞は絶対自分たちで書きたいなと。

――「大好きだからこそ変えたくない」という考えはなかったのでしょうか。

MASUMI 「大好きだからこそ変えたい」だったかもしれません。オリジナルのまま歌いたいというのはあったんですけど、元々は泥臭い男性の歌じゃないですか。うちらは泥臭いことはやっていなかったし、路上はやっていたけど、そんなに汗水垂らしてっていう様な事では無かったんです。だからこそリメイクしたいという風に思ったのかもしれませんね。

――取り組むに当たって苦労した点などありましたか。

KANA メロディは変えられないので、譜割り(メロディに乗せる歌詞のリズム)を合わせないといけないじゃないですか。こう書きたいけど、それじゃハマらないというのはよくありました。あとは自分の感情を原曲をイメージしながら表現するのが難しかったです。

MASUMI 作詞は、曲によってパートで割り振ったり、1コーラスを1人で担当したりしながら書きました。どの曲も大まかなテーマをまず決めてそこから作詞していくという流れでしたね。世界観が変わりすぎてしまったら、オリジナルに寄せたりとかもしながら作っていきました。

――今まで取り組んできた中で一番難しかった楽曲はなんですか?

2人 「等身大のラブソング」です!

KANA 2回目のカバーだったんですけど、もうやりとりが大変でした。アレンジャーさんと自分たちの歌詞をやりとりしながら制作したんですけど、何回やってもOKが出なかった。あの曲だけはもうOKが無いと思いました。

MASUMI 2週間くらいずっと歌詞制作だったんです。寝不足になるくらいずっとやってました。1000個くらいワードを考えたんじゃないかな。

KANA アレンジャーさんは原曲の歌詞が凄すぎて「これを超えなきゃ駄目でしょ」と言ってくれていたんです。

MASUMI それでも「MKらしさも出してもらいたいし、もっと良い言い回しがあると思う」ということだったので、原曲を何回も聴きました。でも凄く勉強になりました。「等身大のラブソング」に取り組んだことで自分たちの歌詞が凄く変わった気がします。「ラストチャンス」もSomething ELse(サムシングエルス)の今井千尋(Ba.Vo.Key)さん本人に見て頂きました。

――「女子道」シリーズはこれからも継続されるのでしょうか。

KANA やりたいんですけど、普通のカバーではないので許可が降りるか難しいんです。今回もかなり絞ったんです。カバー候補は30曲くらいありましたから。

MASUMI 「女子道」をもっと聴きたいって言ってくれている人もいるので、やりたいなとは思っています。

――「女子道」があれば「男子道」があってもいいと思います。男性アーティストも女性の曲を普通に歌うことが多いですし。それだけ、女々しい男が多いということなのかもしれませんね。

KANA そうじゃないことを願います(笑)

――ちなみに男らしい男性の方がお好きですか?

2人 あまり好きじゃないかもですね。

KANA 草食は駄目です。

MASUMI ガンガン来て欲しいですね。

KANA 大阪はやんちゃで「付いて来いよ」という人がモテる感じだと思うんですよ。

MASUMI 東京にはそういう人少ないですよね。なんか優しい人が多い。

KANA 私は東京に来てからちょっと好みのタイプが変わりました。優しい男の人がちょっと好きになったかも。

背筋がぴーんと伸びた

KANA

KANA

――オリジナル楽曲の「女子道あるある」も面白いですね。

KANA 女子のあるあるを詰め込んだ曲です。もともとある「大阪のあるある」という曲のセルフカバーです。元々はSNSで大阪のあるあるという記事を見て凄く面白かったんですよ。それを歌にしたら面白いかなと。ただ、メロディを超えているので歌というよりも、喋っている感じですね。

――「Glory Days feat. BUCCI from ET-KING」は憧れの方とのコラボですよね。

MASUMI BUCCIさんと私たちのレコーディングの日程は違ったんですけど、BUCCIさんのレコーディングに立ち会わせて頂いたんです。超格好良くて、私たち緊張して、背筋がぴーんと伸びましたね(笑)

KANA それに対してマネージャーがツッコんで来るんですよ。「いつもと違くない?」って(笑)。そこは「ちょっと黙ってください」と言い返しましたけど。BUCCIさんに私たちがいつもと違うことはバレているとは思うんですけど(笑)。

――ファンの方はきっと皆さんの地元大阪にも興味があるんですけど、大阪の魅力を教えていただけますか?

KANA 大阪は人なんですよね。人が面白いから場所というよりも色んな人と喋ってほしいですね。店員さんとかお医者さんですら面白いんで。病院に行ってもらったりとか。

MASUMI 何なんそれ(笑)。私は是非、商店街に行ってほしいですね。阪神尼崎の商店街によく行くんですけど、あそこは凄く色々な人が居るんです。自転車のベルに蛇を巻き付けて乗っているおじいさんとか(笑)。各商店街に名物の人がいるから、商店街に行ってほしいです。

――仲の良いアーティスト友達や憧れのアーティストはいますか。

MASUMI ほんと私たち友達がいなくて。

KANA やめてくれ。一緒にせんとくれ(笑)。

MASUMI 次のライブではShanpleaNさんとコラボします。あと、PUFFYさんは憧れです。

KANA ずっとPUFFYさんのお2人をみながら「何か可愛いくて見ちゃうのはなんでやろ?」と思ってめっちゃ研究してました。カジュアルでラフな感じを真似したりとかもしました。

MASUMI PUFFYさんは自然体なんですよね。うちらも自然と元気でポジティブなことをしたいですね。

――最後に読者に一言ずつお願いします。

MASUMI MK-twintyのMASUMIです!皆さん初めましてー!!

KANA ビデオちゃうからな!

MASUMI あ、間違えた(笑)。はじめまして。MK-twintyのMASUMIです。今度発売される『女子道』皆さん是非是非一杯聴いて下さーい!!

KANA あのー、ラジオでもないんでそんなに張り切らなくても。何言うか忘れてもうたわ。『女子道』は大阪系ポジティブ女子ユニットの女子目線リメイクカバー集大成となってます。男の子の参考書になるようなものにもなっていると思うので是非聴いてください。

(取材・小池直也)

 ◆MK-twinty 大阪出身のMASUMIとKANAによる女子ユニット。高校一年生に出会い、2012年に結成。男性アーティストの楽曲を女子目線の歌詞に書き変えてカバーする『女子道』シリーズは中高生の間で話題に。「なかよしふたり組が日本中を笑顔する」をテーマに活動を続ける。

作品情報

ミニアルバム『女子道』

▽収録曲
1. CLAP & SHAKE ~Intro ver.~
2. 愛しい人へ ~女子道~
3. 等身大のラブソング ~女子道~
4. 夜空に咲く花 ~女子道~
5. ラストチャンス ~女子道~  ※リード曲
6. 夏の日の2016 ~女子道~
7. 女子道あるある

[Premium Track]
8. Glory Days feat. BUCCI from ET-KING

今作は、女子道シリーズの集大成。Something ELseのヒット曲「ラストチャンス」、MEGARYUの「夜空に咲く花」、CLASSの「夏の日の1993」などMK-twintyの解釈でリメイクしたカバー曲が満載。オリジナル曲「大阪あるある」を、女子目線でリメイクした「女子道あるある」の他、豪華Premium TrackとしてBUCCI from ET-KINGをゲストに迎えたオリジナル楽曲「Glory Days feat. BUCCI from ET-KING」も収録。

ライブ情報

▽ミニアルバム「女子道」リリースパーティー
10月15日(土)リリースパーティー at 大阪
中津ミノヤホール
開場18:00/開演18:30

▽ワンマンライブ
11月19日(土)みんなでハイテンションになったらええやん!
~いつもりよりちょっとおっきい箱に挑戦するんですよ祭!~ 
渋谷RUIDO K2 ワンマンライブ
開場18:00/開演18:30

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