CDショップ大賞の注目アーティスト【3】

大賞を受賞した星野源を囲むCDショップ店員

 第8回CDショップ大賞が9日、発表され、大賞には星野源の『YELLOW DANCER』が、準大賞には水曜日のカンパネラの『ジパング』とWANIMAの『Are You Coming?』がそれぞれ受賞した。

 「メジャー、インディーズを問わず、賞をきっかけにブレイクが期待される作品を、CDショップ店頭から全国へ向けて発信、選出」するというコンセプトのもと、選ばれた楽曲とアーティストは今後の活躍が期待される、充実した顔ぶれとなった。

 「洋楽賞」や「ジャズ賞」、「クラシック賞」など、各分野に特化した賞も同時に発表された。このバラエティに富んだラインアップも「CDショップ大賞」の魅力の一つ。ここで、当媒体の記者が特に注目するアーティストを以下に紹介したい。

cero

『Obscure Ride』/cero

 ceroは、2004年に、現・西東京で結成された、髙城晶平(Vo、Gt、Flute)、荒内佑(Key、Sampler、Cho)、橋本翼(Gt、Cho)の3人からなるバンド。2011年1月にリリースした1st Album『WORLD RECORD』は各地で好評を博し、現在もロングセールスを記録。2012年は『FUJI ROCK FESTIVAL』、『SWEET LOVE SHOWER』などの大型フェスへの出演、海外アーティストの来日サポートやクラブシーンでのライブなど、ジャンルレスに活動の場を広げ、2nd Album『My Lost City』を2012年10月にリリース。

CDショップ大賞の注目アーティスト【2】

最終選考投票に選ばれたceroの「Obscure Ride」

 今回の『Obscure Ride』は2015年5月に発売された、2年半振りの3rdアルバム。ブラックミュージック直系の気持ちの良いグルーヴと、そのバンド名を宮沢賢治の小説『銀河鉄道の夜』の一節、「やさしいセロのような声」から拝借した、というエピソードからも伺える、文学的素養の高い髙城のポエトリーリーディングのような歌唱が合いまった曲群は、90年代初頭に流行った“渋谷系”を彷彿とさせる。

 しかし、その年代を直接体験していない彼らのサウンドは、シティポップの要素を飲み込み、DNAに刷り込まれ、再構築し、吐き出された、言わば“渋谷系”の私生児のような存在である。今回は入賞に留まったが、これから間違いなく時代を担うバンドになるだろう。

朝倉さや

『River Boat Song -Future Trax-』/朝倉さや

 今回「東北ブロック賞」を受賞した、山形県出身のシンガーソングライター、朝倉さや。山形が誇る“歌姫”と称されるほど、その歌唱力には定評がある。

 小学2年生から本格的に民謡を習い始め、小学4年生から三味線も習い始める。2012年、中孝介やCrystal Kay、JUJU、東方神起など、著名アーティストを手掛ける音楽プロデューサーsolayaと出会い、オリジナル曲の制作を開始。

CDショップ大賞の注目アーティスト【1】

東北ブロック賞を受賞した朝倉さや『River Boat Song -Future Trax-』

 またニコニコ動画では、「残酷な天使のテーゼ」「創聖のアクエリオン」などの楽曲に三味線を取り入れ、民謡調、また山形弁にアレンジして歌唱、投稿して間もなく再生回数はじわじわと上がっている。昨年には、第57回日本レコード大賞・企画賞を受賞している。

 『River Boat Song -Future Trax-』は、デジタルサウンドやラップの織り込まれたサウンドに、その民謡で培った朝倉の唯一無二の歌声を乗せた作品。“近未来民謡”という未知のジャンルを開拓した。これからどう進化するのか、非常に楽しみなアーティストだ。(文・松尾模糊)

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CDショップ大賞の注目アーティスト【3】

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