人と接することで意識が変わっていたと語るダイスケ。それは音色にも反映されている

人と接することで意識が変わっていたと語るダイスケ。それは音色にも反映されている

 シンガーソングライターのダイスケが3月2日に、4枚目のアルバム『君にかける魔法』をリリースした。デビュー間もなくして、日本テレビ系朝の情報番組『ZIP!』内コーナー「スマイルキャラバン」のレギュラーとなり、ギター、そして愛犬のZIPPEIとともに全国各地を回った。アポなしの突撃訪問で町の人と触れ合っていく。ライブでの振る舞いや楽曲からのぞく明るい人柄なら苦でもないだろう。しかし、意外にも内向的だったという彼は当初は落ち込んだ日もあったという。それでも、回を重ねていくことで人の温かさに気づき、克服する。それは「ZIP!」に限らず、ストリートライブ時代もそうであった。彼の心にあるのは常に人、そしてファンだ。それらの経験を得て5周年目にリリースされる今作はまさにファンへの想いが詰まった多彩な音色で奏でられる「人」に寄り添った音物語だ。今回は、原点に帰れることができたという豊洲PITでの5周年記念ライブ、そして、自身の意識を変えた「ZIP!」やストリートライブでの経験で学んだことなどを聞いた。

ファンへの想いを込めたアルバム

――ダイスケさんはもともとドラムをやっていたんですね?

 はい。父親がずっとドラマーを目指していて、プロのミュージシャンになりたかったけど挫折して。その後を継いでという訳ではないですけど、ドラマーになりたかったですね。

――それがなぜギターに転向を?

 バンドを組む時にじゃんけんでパートを決めまして。それで、一番負けたらギターボーカルしか残っていなかったんです(笑)。それが18歳の時ですね。

ダイスケ

ダイスケ

――逆に運命的なものを感じますね。さて、いつかのインタビューで内側にこもるといいますか、内向的だと話していましたが、ライブや楽曲を聴いたところではそのようには思えないのです。本当のところは?

 こもる時もあります(笑)。楽曲は明るくポップなものも多いんですけど、それは僕の憧れでもあったりしまして。「こもる、こもらない」で言ったらわからないですけど、「時にこもり、時に出る時もあり」といった感じです。ヘコむ時はヘコむし…。

――今回のアルバムはどういったテーマを?

 今回のアルバムは「君にかける魔法」というものなんですけど、この5年間を振り返った時にたくさんの人に出会って、いろんな経験をして、「僕の周りには凄くたくさん味方がいるな」と思ったんです。皆が自分の時間を削って、お金をかけて僕のことを信じて、僕の音楽を聴きに来てくれて。これって凄い事なんだなと思ったんです。

 僕がライブやイベントをやった時、お客さんはいつもニコニコしてるんですよね。僕は、お客さんのニコニコしている時しか見ていないですけど、きっとこの人達もいろんな日々を過ごしていて、ライブを見てくれている時のような笑顔ではない時もあれば、落ち込んだり、苦しかったり、辛いときもあるんだろうなと。そう思った時に、僕の音楽が、みんなの日々の辛い事なんかを変えてあげたり、守ってあげたり、支えてあげられる“魔法”になったらいいなと思って作ったアルバムです。

――自分目線よりもお客さん目線で歌う事が多い?

 自分の目線で歌っているんですけど、共感してもらったり、何か皆の救いになってくれたらいいなと思います。

――お客さんの表情なんかを見て反応を実感しますか。

 実感はありますね。表情もそうなんですけど、イベントで握手会をやったり、ファンミーティングをしたりする時も、けっこう皆も自分が「どんな人間なのか」とか、「どんな職業なのか」とか、「自分はコミュニケーションが得意じゃなくて…」とか、「家族が病気に罹ってしまって」とか、そういう話を聞いた時に、すごく苦しそうな表情や気持ちが垣間見えるんです。それでも「ダイスケの音楽に支えられている」という声を聞いた時に、「この人達のために音楽をやりたい」と思いますね。

――ダイスケさんの楽曲は比較的明るいものが多いのですが、歌詞を読んでいると応援曲もありつつ暗い所もありつつ。それをあえて明るい曲調にしているのかなという印象がありますが?

 それはあります。今作でも、8曲目の「泡沫」(読み・うたかた)なんかは内容が凄く重たいんですよ。僕は本当に怖がりで…。いろんなものを失うのが怖いんです。「いつまで歌を歌えるんだろう」とか、「明日、不慮の事故で死んでしまうんじゃないか」とか、けっこうネガティブな部分も強いんです。これは「怖いけど、一瞬一瞬を大事に生きていこう」という曲なんです。けど、これを思い切りしっとりと弾き語りで歌ったら、多分ドン底の暗い曲になると思うんですよ。だからこそ、明るく歌う事でバランスがとれるんじゃないかなと思って。

――制作中は内側に?

 もう、内側に入ってます。家の中に小さな防音室があるんですけど、そこに一人こもって作っている、みたいな感じで…。そういう意味では“こもっている”かもしれないですね(笑)

――その内側をどこまで出すのかというバランスはどのように考えていますか。

 僕は確かに、内面にちょっとネガティブな部分があったり、「気に病み過ぎ」な部分があったりするんです。多分それをそのまま出しちゃったらちょっと…。というか『ZIP!』をやっていた頃のキャラクター性みたいのもありますが、音楽としては“一貫して明るく”届けた方が良いのかなと。

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