誤解を払拭したい 財部亮治にみるYouTuberというクリエイター
INTERVIEW

誤解を払拭したい 財部亮治にみるYouTuberというクリエイター


記者:木村武雄

撮影:

掲載:16年02月21日

読了時間:約15分

「YouTuber」として意識や葛藤

財部亮治

財部亮治

――イベントに呼ばれていた頃はどういったスタンスだった?プロ、それともアマチュア?

 どっちでもないかもしれないですね。お声掛け頂いた事は全力でやっていましたけど。

――一般的にアーティストは、オーディションの合格やコンテストで賞を獲ったり、インディーズやメジャーデビューなど、何かしらの節目があると思うのですが、財部さんはその延長線上で今もやり続けているという印象があります。意識の変化などはありますか

 もちろん趣味ではないし、とりあえず自分の名前を知ってもらえなければいけないので、そこに対しては必死で作品を作っていて、「どうやったらみんな楽しんでくれるのかな」とか試行錯誤しながら作ってウェブ上に出したら、結果、それがシェアされて知ってもらえる事に繋がったのかなと思います。

――自信を裏付けるものとは何でしょうか

 やっぱりYouTubeのチャンネル登録者数とか再生数とか、Twitterのフォロワー数だったりとか、そういうところだと思います。それらがないと出来ない事だと思いますし。

――YouTuberは一般的にもネットの中の人というイメージがありますが、それについての悩みや葛藤はありますか?

 言ってしまえば、ネットの人達って凄いナメられていると思うんですよ。YouTubeに限らず、ネットの人達全体的に下に見られている傾向があると少し思うんですね。そうしたイメージを払拭していきたいとは思っていますね。

――それが闘争心を掻き立てる?

 有名人って凄くいっぱいいるなと思うんです。皆それぞれ思う有名人は違うと思うんですね。芸能人ってTVに出ている人達だと思うんですけど、有名人って数えきれないくらいいっぱいいて、例えばYouTubeで有名な人、Twitterで有名な人…、いろんなツールがあって、その各ツールで有名な人がいて、YouTubeやニコニコ動画はまだわかるんですけど、他の所に行った時にそんなに知らない人とかがいるんです。でも、みんな芸能人は知っていているんですよね。YouTuberに当てはめると、「収入はどれくらいあるの?」とか「YouTube無くなったらどうするの?」とかそんな質問ばっかり、やっぱり有名人や芸能人というふうに見られていなくて「いやいや、そうじゃなくて」という気持ちはある。そういう所を払拭したいなと思う所はありますね。

――実際、YouTube無くなったらどうしますか

 わからないですね。無くならないかと。そのフィールドが無くなったら他の所に行くんじゃないですかね。

――YouTuberは、YouTubeの中で完結していると見られがちで、財部さんの持つような音楽をやってきたバックボーンが見えづらいと思うんです。そこを知ってもらうという課題もあると思うのですが

 それについては何も思ってないかもしれないですね…。YouTuberって色んな人がいるんですよ。音楽をやっていたり、コメディアンだったり、ニュースキャスターみたいに伝える事をやっていたりとか、それに加えて映像を作る技術があったりとか。ですので、そのフィールドが無くなっても、ほかの所や他のやり方でやっていくのかと思いますし。

――現在YouTubeという中でモデルが出来上がっていますが、それ以外でもファンと接するために、色んな活動を拡げたいという思いはありますか

 ネットの人達が現実の世界にと言いますか、もっとファンとの繋がりを作っていかないと、とは思います。

YouTuberというクリエイター

財部亮治

財部亮治

――アメリカなどではメジャーなアーティストがYouTuberに声をかけて「何か一緒にやろう」という事があるようですが、日本ではなかなかそういった傾向がみられないと思います。財部さんの周囲ではどうでしょうか

 そういう人はいますね。例えばHIKAKINさんはアリアナ・グランデと共演しているし、エアロスミスから「ライブに出てくれ」という事があったり、剛力彩芽さんとコラボしている人がいたり、結構あります。吉本の芸人さんなんかはYouTubeのチャンネルをけっこう持っていたりします。ツイキャスなんかも、田村淳さんやキングコング西野さんらがやっていたりしますね。ただ、ニュースの取り上げ方など、あまり表に出ていないみたいですね。あと、ニコニコ超会議で幕張メッセを超満員にしたとしても、ニュースでは「普段は一般の方々が…」みたいな言い方をするのが、「何でそういう言い方するのかな?」と、ちょっと思いますね。もの凄い人数集めているイベントなのに。

 読者モデルがTVに出ると「芸能人」ってなるのに、YouTuberがTVで取り上げられても「一般の方」ってなっちゃうんですよね。けっこう近しいものがあると思うんですが。ジャスティン・ビーバーなんかはもともとYouTubeから始まったんですけどね。そこから有名になったという、そういうのは海外だと多いんです。ペンタトニックスもそうですし。海外だと、こっちみたいに「YouTubeを凄いやってる人」という扱いではないんですね。

――日本においてYouTubeは市民権を得ていると思いますが、YouTuberとなると一般的な地位や名声と言いますか、それを得るまでまだもう少し時間がかかるとも言われていますが、そこについての葛藤はありますか

 そうですね。そもそも日本のYouTubeってアメリカなどと比べて4〜5年遅れていると言われているんです。でも、日本は日本なりの独特な成長をしているなって思います。だからそこが苦しかったりもするし…。そこを打破できればYouTubeをやっている人全体が世間に認められるのかなと思ったりします。

――「YouTuber」という言葉が一人歩きをしていて、本来は「クリエイター」なのにという所もありますね。そこの誤解をいかに解いていくかが大事な点だと思いますが

 難しいですよね。「YouTuber」って別に誰かに認められて付くものではないじゃないですか。そこなんだなと思っていて。読者モデルという方々も、結局「モデル」で、皆に認められて初めてその称号を得て、みんなから認められる親しみだったりとかがあったりすると思うんです。でも、YouTuberは動画1本アップして「よし、今日からオレYouTuber!」って言ってしまえばYouTuberになれてしまうという、線引きが全然無いので。僕は少なからず誇りをもってYouTuberをやっているつもりではあるんです。

――今回発表されるCD「Season 1」についてですがこれにかける想いをお願いします

 このタイミングでアルバムを出せるのがとても光栄です。ずっと前からアルバムを出したいなと思っていたんです。でも、YouTubeで聴けちゃうし、iTunesでダウンロードくらいがいいかなと思っていたんですが、やっぱり音楽をやっているから、アルバムを作りたかったんです。今、僕の中でいろんな転機を迎えていると思うんです。色んなものに対して一旦整理して、パッケージする事で、新たなステップというか、新たな挑戦を経て羽ばたけるのが嬉しいです。「Season 1」という名前は、今までやってきた事が一旦終わって次から「Season 2」に行くぞっていう意気込みがあって「Season 1」という名前にしました。これを期にまた前に進みたいなという気持ちがあります。

(取材/撮影・木村陽仁)

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