独特のバランス感覚で観衆の心を惹きつけたコレサワ

独特のバランス感覚で観衆の心を惹きつけたコレサワ

 【ライブレポート】シンガーソングライターのコレサワが18日、東京・渋谷WWWで『「上京女子がゆくバンドツアー」ファイナル コレサワ ワンマンショー「コレシアター 02」』を行った。

 コレサワは大阪府出身の女性シンガーソングライター。2012年に行われた音楽コンテスト『出れんの!? サマソニ!?』で入賞し、『SUMMER SONIC 2012』に出演を果たす一方で、多数の対バンライブを重ねて知名度、動員数を上げてきた。2015年末には2nd E.P.『女子、ジョーキョー。』をリリースし、初のツアーを実施。この日のステージはそのファイナルであり、かつ初のワンマンステージでもあった。また、約1年前に映像との融合イベント『コレシアター01』を実施、今回はその2回目でもある。

 メディアでは素顔を露出せず「れ子ちゃん」というクマの女の子のイラストでビジュアルイメージを表されているのも特徴。そのPVとともに、独特な表現を持った詞、歌は多くの注目を集めている。ネット上では、時に「中毒者続出」という声すら聞かれるその歌とはどのようなものか? 今回はこの日のステージより、そんな彼女の姿を追ってみたい。

絶妙なバランスの歌声

コレサワ

コレサワ

 開演予定時間を15分ほど過ぎたころだろうか。会場はようやく暗転、そしてステージの背景にタイトル「コレシアター」の文字が映し出された。そしてサポートメンバーの4人に続き、コレサワはステージに現れた。ピンスポットに照らされた彼女はステージ中心に置かれていたアコースティックギターを手にし、それをかき鳴らしながら歌を歌い始めた。オープニングナンバーは「シティーガール」。日常によく起こりえるようなエピソードを、さわやかなメロディとハーモニーに乗せて披露、その曲に観衆は何かを感じ取り、じっと彼女のプレーに耳を傾けていた。

 「ショートカットに憧れて」「123」「真っ赤な爪と牛乳」と、ミドルテンポの曲が続く。これらの曲で感じられるのは、コレサワの歌が絶妙なバランスの上に成り立っているということ。決して弱くもなく、でも力強過ぎない。ちょっぴり切ないエピソードが語られる詞が、明るくさわやかなハーモニーの上に乗せられ、楽しくも感じられる。さらに歌に大きな起伏があるわけでもないのに、ストーリーを感じる。そんなどこにも着地しない状態に、なぜか取り付かれてしまう空気が、そこにはあった。

 「ねぇ知ってる? 神様はいないんだよ 夢を叶えられるのは ボクらだけなんだ」――。そんな言葉をちりばめた曲「ラビッシュムーン」を、自らギターを弾きながら歌うコレサワ。静かな会場の中で、ギターと彼女の声だけが響く。「懐かしい曲」と自身が紹介したその曲は、人を前に向かせる、後押ししてくれるようなイメージを、やさしく人々の心の中に染み渡らせる。

 かと思えば、続くアクティブな曲「シンデレラ」ではギターを置き、自らくるくると回りながら飛び跳ね、観衆にコール&レスポンスをせがむ。まるでその場で思いついたような言葉を投げかけては、観衆から帰ってくる言葉を心から楽しんでいた彼女。その様子に、さらに気持ちを持っていかれる観衆。じっと彼女の歌に耳を傾けていた観衆は、やがて手拍子を始めるなど、徐々に会場の空気を暖めていった。

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