<取材雑感>Crystal Kayの優雅さ

『シーズンズ 2万年の地球旅行』舞台挨拶に立ったCrystal Kay

 【取材雑感】先月16日、都内で行われた映画『シーズンズ 2万年の地球旅行』の公開記念舞台挨拶に、歌手のCrystal Kay(クリスタル・ケイ=29)が登場し、映画の日本語版テーマソング「Everlasting」を初披露した。この日は登場から笑顔の耐えることのなかったCrystal Kay。通常の舞台挨拶の例に漏れず、イベントのラストにマスコミ用のフォトセッションの時間が設けられていたが、この時間に移ってまでも、自身の表情や動作に大きな気持ちの動きが表に見られなかったことは、逆に非常に印象強く感じられた。

 通常の舞台挨拶の場で、このフォトセッションという時間はトークから完全に切り離された時であり、挨拶に登壇した俳優やアーティストなどの多くは、トークで和んだ表情や雰囲気が一変するタイミングとなる。フォトセッションとなると、どうしても撮影者側より言われるがままになりがちなところ。そのため、やはり気持ちの入れ方がこの契機で変わってしまうことは仕方のないことでもあるのだが。

 そんな「お任せ状態」のアーティストになると、カメラマンの方から「笑顔でお願いします」「コンパポーズをとって」「もっとこちらに寄って」などと、指示も多くなる傾向がある。しかし、Crystal Kayは、ほぼトークの時に見せた表情から、妙に構えるでもなくフォトセッションを流れるように進行させた。もちろんいつもそうではないかもしれないが、この時にはなぜか対して大きな動きを見せたわけでもないのに、そのCrystal Kayの様子にはプロっぽさのような印象すら感じた。

 この日、紹介された作品が「動物」をテーマとして描かれた作品であったため、トークで披露されたキーワードはやはり「動物」を絡めたCrystal Kayの本質。近年密かに浸透している「動物占い」の結果でイベントは進行していた。Crystal Kayに対する診断結果は、小鹿。司会者からは「人当たりが柔らかくてフレンドリーに見えるが、実は何を考えているかわからず、謎めいた雰囲気を持っている人」という印象が伝えられた。それに対し、本人も「確かに。友達はすぐ作れるけど、たまに感情がうまく外に出せないことがある」と、自覚していることを示していた。

 その診断方法の有効性の是非は不明だが、下された診断自体はCrystal Kay自身のプロ意識の高さをそのまま物語っているようにも見える。別に何でもないことのようにも見えるが、多くのアーティストの同様の現場を見ていると、このわずかながら「大きな」差に気がつく。この日見られた振る舞いができる、できないで、外から見たアーティストの優雅さの印象は大きく変わる。断っておくが、それが必ずしもアーティストとしての立場に良し悪しの判断となるわけではない。ただそんな一面は、単に容姿から見える彼女の美しさ以上に、本人の人としての懐の深さ、優雅さを感じさせた。(文・桂 伸也)

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