黒木渚

黒木渚

黒木渚

 まだステージの幕も降りたままだというのに、幕の奥から派手な楽器のウォーミングアップ音が聞こえてくる。BGMも書き消すほどの音量で。気力は充分と言ったところだろうか。

 いよいよ幕が開く。紫っぽい照明とともにバンドメンバーが入場。「虎視眈々と淡々と」のイントロが始まる。「これからの40分だけで構いません、黒木渚をあなたの本命にしてください」と黒のセクシーな衣装の黒木がMCすると突然演奏がブレイクして、サビをミステリアスに独唱。そこからまたバンドが復帰。ドキドキした。

 サポートメンバーの布陣はギター・井手上誠、ベース・宮川トモユキ(髭)、ドラムス・マシータ、鍵盤・田畠幸良とこれまた豪華な顔ぶれだ。

 続いて黒木がハンドマイクになってポップな高速4つ打ちチューン「君が私をダメにする」へ。ピアノとが入っている点と黒木の高めから抜ける声が先ほどのGLIM SPANKYと良いコントラストとなっており、聴いている方も比較するのが楽しい。

黒木渚

黒木渚

 楽曲はBメロ前のブレイクとサビ前のキメが切れ味があって、サビはキャッチー。最後はサビのリフレインだが繰り返すごとにバッキングが変わるところに各ミュージシャンの持ち味や念入りなリハーサルでの確認が滲み出ていた気がする。オーディエンスも手を挙げて演奏に応答していた。

 「改めまして黒木渚です」と軽めのMCを挟んでから「枕詞」を投下。ギターとボーカルだけで楽曲が始まると自然発生的に手拍子が起きる。他の楽器もインすると疾走感のある演奏が展開された。ブレイクに合わせて照明もシンクロして消えると、リズムが半分のスピードになるアレンジのサビ。ギターソロも炸裂した。フィニッシュはひとつのコードを叩く様に弾くエンディング。

 間髪入れずシンセサイザーによる中華風イントロで始まったのは「大予言」。また黒木はハンドマイク。歌いながら踊っている。間奏でもくねくね可愛く跳び跳ねていた。フロア前方は黒木にアピールする様に必死に楽曲に合わせて手を振っている。

 次の曲は「フラフープ」。マイナー濃度の高い楽曲だ。サビで「まわしてー!」と黒木が叫ぶと持っているタオルを待ってましたとばかり振り回す会場。カラフルな照明とともに綺麗な光景を生み出す。ドラムだけになってからサビのコール&レスポンスも。フロアから沸いた大きな合唱に黒木からも「いいねえ」とお褒めの言葉が。ドラムのマーシタもタイトながら引き出しの多さを見せていた。特に後半盛り上がりとともに繰り出す速い3つ綴りのリズムは演奏に刺激を加えてくれる。

 続いては爽やかな雰囲気の「革命」。アウトロで天を指差す黒木が印象的だった。観客と合唱するシーンも。

 そのままピアノの演奏の上で黒木は「ああ楽しかった」とつぶやいた。そして「私は世の中の人たちが思っているほど、ひとりぼっちというのは最悪な状況ではないんじゃないかと思います。人生で一番さみしいと感じた一日が私にとっても大切な歌になりました」とMCしてから始まったのは「アーモンド」。ピアノと歌だけで朗々と歌い上げていく。1コーラス歌ってからドラムのハイハットのカウントとともにバンドが合流。3拍子系の曲であることが判明し、演奏は盛り上がっていった。それでも黒木の声はそのサウンドに負けずこちらに届いてくる。最後はバンドと黒木のシャウトで楽曲が終わりを迎えた。会場から大きな拍手が。

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