Hello Sleepwalkers「五重奏の実験室」第2弾レポ(3)

バンド初のホールワンマンとなった渋谷公演。「五重奏の実験室」の成果は

 【ライブレポート】4ピースロックバンドのHello Sleepwalkersが11月26日に、東京・渋谷のMt.RAINIER HALLで、自身初のホールワンマン公演『Hello Sleepwalkers 2015 Quintet Laboratory Phase 2』を開催した。同公演は、6月に行った東名阪ツアー『Hello Sleepwalkers 2015 Quintet Laboratory』の第2弾で、ツアータイトルの直訳である「五重奏の実験室」の通り、彼らの実験的な試みをテーマに展開する内容だ。この日は、来年3月リリース予定のフルアルバムに収録されるであろう新曲4曲も演奏。全17曲を披露した。(取材・村上順一)

バンド初のホールライブ

 開演時間を過ぎると、美しいピアノのアルペジオが流れ出した。青いライトに照らされ、幻想的な空間にメンバーが1人ずつステージに登場。オーディエンスが歓声と拍手で迎えた。SEが終わるとドラムのカウントが響く。オープニングナンバーは「ミッドナイトにグッドナイト」。デビューアルバムの1曲目を飾る楽曲でライブの幕を開けた。バンド後方にあるスクリーンには、星空や夜の街をモチーフにした映像が流れ、それにリンクしたかのようなタソコ(Gt)のギターフレーズが流星のように降り注ぐ。映像とライティングを駆使し視覚と聴覚で魅せていった。

 「Mt.RAINIER HALL~楽しむ準備は出来ていますか?行こうぜ!!」とシュンタロウ(Vo・Gt)が叫んで始めたのは「百鬼夜行」。打って変わってハードな楽曲を間髪入れずにぶつけてきた。オーディエンスも待ってましたと言わんばかりに拳を振り上げた。ホールの熱量が上がっていくのがわかった。対照的な男女ツインボーカルと3本のギターで楽曲に多彩な色を与え、重厚なリズム隊がMt.RAINIER HALLを彼らの色に変えていく。続いて変拍子を織り交ぜたイントロで、ギターのライトハンド奏法が印象的な「惑星Qのランドマーク」。Hello Sleepwalkersの真骨頂とも言えるプログレッシブな楽曲で魅せる。これをサラりと演奏してしまうバンドのスキルの高さが伺えた。

 メランコリックなギターフレーズが楽曲タイトルを連想させる「センチメンタル症候群」ではシュンタロウとナルミ(Vo・Gt)のコントラストをつけた対照的な歌が会場を包みこんだ。続いて「越境」では音源よりもヘヴィーなリフで更にライブのテンションを上げていった。マコト(Ba)の歪んだベースが存在感を放つ。サビでは「オッオッオ~」とオーディエンスも大合唱。このようなキャッチーなコーラスもHello Sleepwalkersの魅力のひとつ。ライブの一体感を更に高めていった。

「越境」に続いてユウキ(Dr)のドラムソロ。その巧みなドラムプレイに会場からは大歓声が上がった。そのリズムに乗りセッション風インストを披露。ギター、ベースとソロを回していく。そのまま、前半戦のハイライトとも言える静から動へと激しい楽曲展開の「アキレスと亀」へ突入していく。オーディエンスもインストからの「アキレスと亀」で更にヒートアップ。続いて水の音のSEが流れると新曲の「水面」を披露。スピーディーな楽曲で、サビではシュンタロウとタソコがギターのライトハンド奏法でハモる。初体験の新曲にオーディエンスも体を揺らしながらも聴き入っている様だった。

実験の結果が詰まった自信作

Hello Sleepwalkers「五重奏の実験室」第2弾レポ(2)

Hello Sleepwalkers、渋谷公演

 「目と耳だけじゃなく心と体、全部満喫して帰って下さい」とナルミが語り、始まったのは新曲「ハーメルンはどの様にして笛を吹くのか」。渇いたギターカッティングで始まり4つ打ちのキックドラムと裏打ちのハイハット、それに絡みつくベースが心地良いメロディアスなナンバー。バンドの持ち曲の中では比較的シンプルな構成の楽曲でスっと耳に入ってくる。エンディングではナルミの主旋メロディーに対してカウンターメロディを当てるシュンタロウ。ツインボーカルならではのアレンジも聴きどころだ。

 続けて「環状遊泳」、「21」とメロディアスでキャッチーなナンバーを立て続けに演奏。そして、怪しい雰囲気漂うギターのアルペジオから「天地創造」へ。聴かせる楽曲が中心のセクションとなった。

 ここで嬉しい発表が。「5月から行ってきたQuintet Laboratoryの集大成を皆さんに発表したいと思います。来年3月にフルアルバムをリリース致します」と、前作『Liquid Soul and Solid Blood』から約1年半ぶりとなる新作をリリースすることを報告。

 湧き上がる歓声に「本当に長いこと待たせちゃってゴメンね」とシュンタロウ。客席からも「待ってたよ!」と声が上がった。「実験の結果がふんだんに詰まっていて、かなりの自信作になっているので期待して待っていてくれたら嬉しい」と笑顔で語った。

 「そのアルバムから1曲やりたいと思います」と新曲の「2XXX」を初披露。複雑に楽器が絡み合ったイントロからブラストビート的な高速ドラム、そこから二転三転と一筋縄ではいかない彼ららしい展開を持つ楽曲。複雑な曲だがノリづらいわけじゃない。体は自然とそのグルーヴに溶け込んでゆく。バンドの衝動が詰め込まれたといっても過言ではないこの「2XXX」は今後バンドのキラーナンバーになっていくことを予感させた。

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