清塚信也がドラマ「コウノドリ」テーマ披露

演奏を行った清塚信也

 ピアニストの清塚信也が14日、東京・第一生命ホールで、最新アルバム『あなたのためのサウンドトラック』の発売を記念したピアノリサイタル「K’z PIANO SHOW 2015 東京公演」を開催した。

 リサイタルは2部制で行われ、第1部は古典的なクラシックを中心に展開された。

 大きな拍手に包まれ登場した清塚信也のステージは「主よ、人の望みの喜びよ(バッハ)」で幕を開け、続く「きらきら星(モーツァルト)」はTBS系金曜ドラマ『コウノドリ』にて綾野剛演じる天才ピアニスト・BABYバージョンにて演奏。清塚が最後の一音を鳴らし終えると、一際大きな拍手が沸き起こった。

 マイクをとった清塚がクラシック音楽について「かたく考えず、感性をタイムスリップさせて聞いてください」と語ると、その後も「ピアノソナタ第23番『熱情』第3楽章(ベートーヴェン)」、「ノクターン第2番 Op.9-2(ショパン)」と古典的なセットリストで進行。清塚オリジナルによるアレンジやスリリングな演奏が光り、観客は序盤から飲み込まれていく。

 それにしても清塚のコンサートの魅力はそのMCにもある。クラシック音楽が食事でのシーンからコンサート会場で聴く対象となった時代変遷や、作曲家それぞれの性格や特徴の比較・エピソードなど、その幅広い知識が観客を魅了する。また、「ポロネーズ(ポーランド起源のダンスまたはそのための曲の形式)」と「ボロネーゼ」の言い間違いから明かした自身のうっかりエピソードなど、コンサート会場に異例の「笑い」も持ち込むスタイルも、会場を埋めつくす観客が足を運ぶ理由の1つだろう。そして「愛の夢(リスト)」、「英雄ポロネーズ(ショパン)」と続き、第1部は終了した。

 続く第2部は、11月4日発売の最新アルバム『あなたのためのサウンドトラック』より「ポプラの秋 ~映画『ポプラの秋』メインテーマ~」で幕を開け、今作に収録されたこれまでに清塚が手掛けたドラマや映画のテーマソングを中心に展開。また、続く「日々」に象徴されるように、前半の“聞くための”クラシック音楽とは対照的に、聞く側の時間が主役になるような「サウンドトラック」が並ぶ。どこかセクシーな音色も魅力と語る「恋~映画『恋』メインテーマ~」、絶望から希望を見出す「遠い約束~TBSドラマ『遠い約束~星になったこどもたち』メインテーマ~」と、その優しいサウンドで包み込んでいった。

 そしていよいよTBS系金曜ドラマ『コウノドリ』のコーナーだ。

 「Over The Rainbow」、「Minor Heart」と、ドラマでは綾野剛演じる天才ピアニスト・BABYさながら、美しいメロディとスリリングな演奏に観客の興奮もひとしお。一際大きな拍手が沸き起こった。その後のMCでは「BABYがどんなジャンルにもとらわれないスタイルだと物語る曲」と語るように、ジャンルを超越し、時にロマン派そして時にジャズのように変貌を遂げていく清塚の表現力に感服させられる。
 
 そこから一呼吸おき、奏でたメインテーマ「Baby, God Bless You」は圧倒的であった。清塚も「(タイトルは)祝福を意味する言葉ですが、ただの手放しに喜びを伝える曲ではなく、人生にはつらい思い・悲しい思い・苦しい思い、いろんな経験があることを本当は知っている。生まれてきた泣いている赤ちゃんを見て“おめでとう”、これから試練もたくさん待っているけれど“おめでとう”、そんな祝福の歌です。」と語ったように、ひとえに喜びを表現した楽曲ではない。まるで歌うように奏でられるそんな“祝福”の音色に、観客は息をのみ、涙を流す姿も見られた。続く、肘を使ったダイナミックな演奏で、人生の輝かしい瞬間を表現した「Brightness」、「Sound seeker」を圧巻のパフォーマンスで披露すると、会場は鳴り止まない拍手に包まれた。

 その後、清塚は「取り乱してすみません」と笑いをとると、「その回でしか聞けないBABYの音楽がありますので、お見逃しのないよう是非聞いてください。」と自身も出演するTBS系金曜ドラマ『コウノドリ』をPR。そして撮影スタジオでは細かな音の違いを指摘しなければならない「監修」という立場での苦労話や、その衣装から食事先のお店で「お葬式なの?」と問われたという、俳優・綾野剛とのドラマ撮影時エピソードなどで楽しませた。

 リサイタルは最新アルバムより「二人の音(清塚信也オリジナル)」、早弾きパフォーマンスも光る「ピアノ・マン(ビリー・ジョエル)」と続き、終幕。アンコールの「ラプソディ・イン・ブルー(ガーシュイン)」では、スーパーマリオのテーマソングなどを盛り込んだ独自アレンジで笑いを誘い、大興奮のまま幕を閉じた。

 その後のサイン会は長蛇の列で迎え、涙あり笑いありのコンサートに、観客も大満足な公演であった。

記事タグ