[写真]大塚 愛が12周年記念ライブ開催(1)

12周年記念ライブを日比谷野音で行った大塚 愛(撮影・田中聖太郎)

 [ライブレポート、9月13日、日比谷野外音楽堂]シンガーソングライターの大塚 愛が13日、毎年恒例となるライブ『LOVE IS BORN〜12th Anniversary 2015〜』を日比谷野外音楽堂で行った。デビュー12周年記念ライブとなる本公演はバックバンドに東京事変や大原櫻子のプロデュースで著名な亀田誠治や、売れっ子ギタリストの西川 進、凄腕ドラマーの沼澤 尚などベテランミュージシャンを起用し、バンドサウンドでヒット曲「さくらんぼ」など全22曲を演奏。アンコールでは、デビュー曲「桃ノ花ビラ」や未発表曲をピアノで弾き語り、ファンを魅了した。この公演の模様を以下にレポートする。  【取材・村上順一】

[写真]同公演のフォトレポート(全6枚)

鉄壁の布陣で臨む12周年

[写真]大塚 愛が12周年記念ライブ開催(2)

夕日に染まる日比谷野音

 03年9月に「桃ノ花ビラ」でメジャーデビューしてからまる12年目となる13日。日比谷野外音楽堂にはこの記念日を祝おうと全国からファンが駆けつけてきていた。野外だけに天候が心配されたが晴れ間も時折見える程に回復。開演を待つBGMには「BABASHIのテーマ」がハードロックアレンジで流れていた。これを聞いただけで今日のライブがハードなものになることを予感させた。

 今年の6月から7月まで行われたツアー『LOVE TRiCKY LIVE TOUR 2015~ヘルシーミュージックで体重減るしー~』ではエレクトロサウンドで新しい可能性を提示してきた大塚 愛が、今回は往年のバンドサウンドでどのようなライブを観せるのかファン達も開演をまだかまだかと心待ちにしているようだった。

 開演時間を少し過ぎたところでバンドメンバーがステージに登場。亀田の歪んだベースと西川のジミ・ヘンドリクスばりのノイジーなギターが野音に響き渡る。バンドセッションをSEに大塚 愛がステージに登場。オープニングナンバーはアッパーなロックチューンの「ゾッ婚ディション」だ。軽快なサウンドで出だしからテンションは最高潮。続いて「LOVE IS BORNにようこそ!たっぷり愛して帰ってね」と始まったのは「モアモア」。サビではファンも手を振り一体感を見せた。続けて「Mackerel's canned food」、5thアルバム『LOVE LETTER』から「Creamy & Spicy」「バイバイ」を披露した。

 本日一発目のMCでは「大塚 愛です。たぶん。。。(笑)」とお茶目な一面を見せ、「皆さん踊っていく?」と言って、大塚が2012年に結成したプロジェクトであるRabbitの「半熟たまご」を披露。セクシーな振り付けで大人の色気を魅せた。そして、赤い照明に導かれるように始まったのは亀田の手によって生まれ変わった「GIRLY」。オリジナルの軽快なアレンジとは違い、重いダークなポストロック風アレンジになっていた。

 ここからバラードセクションに突入。ピアノの音色が美しい「クムリウタ」、「君フェチ」を披露。「君フェチ」ではギター&キーボードで参加した磯貝サイモンのそばに寄り添いながら歌唱。両曲とも丁寧に優しく歌い上げ野音に集まったファンもその歌に聴き入っていた。

演出でも魅せた後半戦

[写真]大塚 愛が12周年記念ライブ開催(3)

ファンを魅了した大塚 愛(撮影・田中聖太郎)

 そして、「シヤチハタ」ではジャズ・ブギ調のリズムに乗って大塚が妖艶にスキャットを披露。セクシーボイスでバンドメンバーを紹介。そこから更に、オーディエンスとコール&レスポンスを展開していく。「オーギュメント」、「ディミニッシュ」「ハチミツを下さい」など音楽用語も交え様々な言葉でファンとコール&レスポンス楽しんだ。ここまでロック、バラード、ジャズ風と幅広い楽曲スタイルで展開され、そのバラエティの豊かさで観客を飽きさせない。

 そこから続けてヒット曲「黒毛和牛上塩タン焼680円」を演奏。この曲も亀田によってリアレンジされた。CD音源よりも若干テンポを落とし、リズムの間を生かしたしっとりとしたアレンジで聴かせてくれた。日も落ちてきたことによってライティングもより一層効果的に作用し、この楽曲を演出していた。

 大塚が「私が一番美しいなと思っている夕暮れのマジックタイムを皆さんと一緒に過ごせてとても幸せです。」と語ると客席から拍手が鳴り響いた。ここで大塚が亀田に「このバンドメンバーはどうですか?」と尋ねると亀田は「最高っしょ!」と賞賛。大塚自身も12周年ということもあり、良い音を出せるミュージシャンを集めたと語っていたように、流石ベテランというような心地良いサウンドを奏でてくれていた。

 ライブも終盤戦に差し掛かる。MCが明けて披露されたのは「LOVE FANTASTIC」。西川のギターがエレクトリカルパレードのように光りだしライブを盛り上げる。オーディエンスもそのギミックに歓声を上げた。続けて「ポンポン」では赤い全身タイツのパフォーマーが登場。トランポリンの上でタイトルの如くポンポンと飛び跳ねる。

 そして、ステージ上には大きな拡声器が現れた。大塚とバンドメンバーも大塚の顔写真がプリントされたお面を着用。客席もお面を顔の前に掲げていた。その異質な空間で「つくね70円」を演奏。拡声器で歪んだ声がロック色を強くする。その勢いを失うことなくヒット曲「Happy Days」に流れ込む。ハードな「Happy Days」に会場もヒートアップ。ギターソロでは大塚がほうきを持って西川のソロに合わせてエアギターで煽る。本編最後はマストナンバー「さくらんぼ」。先日の『LOVE TRiCKY LIVE TOUR 2015』はエレクトロアレンジでテイストの違う側面を見せてくれた代表曲。今回はオリジナルに近いアレンジで、この日一番のファンとの一体感で盛り上がった。お約束の「もういっかい」もバッチリ決まり本編を終了した。

未発表曲を初披露

[写真]大塚 愛が12周年記念ライブ開催(4)

熱狂に包まれた野音(撮影・田中聖太郎)

 大塚がステージを去るとすかさずアンコールを求める「もういっかい」コールが客席から。再びステージに現れた大塚は白い衣装に身を包んでいた。大塚によると衣装は自身でヴィンテージショップで購入しコーディネートしたものだと明かしてくれた。そして、「この12年いろいろあったけど今が一番良いと思う12年です。」と語りアカペラで「Birthday Song」をファンと一緒に歌い上げた。夜の野音に大塚とファンの歌声だけが響き特別な空間を作り上げた。

 「せっかくの12周年、このままでは帰されへん」と未発表曲「日々、生きていれば」をピアノ弾き語りで初披露された。

 「日々、生きていれば悲しいこともあるけれど、幸せなことも必ずある」と語ってくれたように、そのメッセージ色が強い楽曲にファンも真剣に耳を傾けていた。そして、デビュー曲である「桃ノ花ビラ」をしっとりと歌い上げる。最後はバンドメンバーを呼び戻し「ネコに風船」を演奏。全22曲を披露し12周年記念となるライブの幕を閉じた。

 最後はメンバーと抱き合い、ファンに向けて深々とお辞儀をする姿が目に焼き付いた。終止、大塚は皆のおかげでここまでやって来れたと語っていたがファンへの感謝が伝わってくるすばらしいライブであった。

 12月にはピアノ弾き語りでのライブ『AIO PIANO vol.3』が台湾、東京、大阪で開催することが決まった。「LOVE TRiCKY」で魅せたエレクトロサウンドからピアノ弾き語りまで幅広いスタイルで活動する大塚 愛。13年目がスタートしクリエイターとしても力を入れている彼女がどのような作品を作りライブを展開していくのか、期待されるところだ。

大塚 愛 LOVE IS BORN 〜12th Anniversary 2015〜
9月13日 日比谷野外音楽堂 セットリスト

[写真]大塚 愛が12周年記念ライブ開催(6)

ベテランミュージシャンに囲まれ挨拶する大塚 愛(撮影・田中聖太郎)

01.ゾッ婚ディション
02.モアモア
03.Mackerel's canned food
04.Creamy & Spicy
05.バイバイ
06.半熟たまご
07.drop.
08.GIRLY
09.クムリウタ
10.君フェチ
11.シヤチハタ
12.黒毛和牛上塩タン焼680円
13.LOVE FANTASTIC
14.ポンポン
15.つくね70円
16.Happy Days
17.ロケットスニーカー
18.さくらんぼ

Encore
EN1.Birthday Song
En2.日々、生きていれば(未発表曲)
EN3.桃ノ花ビラ
EN4.ネコに風船

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