[写真]Aqua Timezが2度目武道館で誓う(1)

2度目の武道館公演で熱唱するAqua Timez太志

 [ライブレポート、8月18日、東京]今月24日にCDデビュー10周年を迎えるAqua Timezが16日、日本武道館で、全国ツアー『sing along SINGLES tour 2015~シングル18曲一本勝負ブラスα~』のファイナル公演を行った。6月から始まった同ツアーの締め括りは、自身2度目の開催となる武道館。これまでに発表したシングル18曲を中心に感謝の想いを歌に届けた。

 Aqua Timezは、ボーカルの太志、ベースのOKP-STAR、ギターの大介、キーボードのmayuko、ドラムのTASSIからなる。2003年に結成。これまでに6枚のオリジナルアルバムと2枚のミニアルバム(自主制作除く)、18枚のシングルなどをリリース。NHK紅白歌合戦に2度出場するなど人気を集めている。デビュー10周年を目前に、2度目の武道館で何を届けたのか。当日の模様を以下にレポートする。  【取材・桂 伸也】

強い気持ちで望んだ2度目武道館

[写真]Aqua Timezが2度目武道館で誓う(2)

熱唱するAqua Timez太志

 ステージは定刻を少し過ぎて幕を開いた。ステージ両脇、そして上部にも設置されたプラズマモニターには、Aqua Timezのメンバーそれぞれが、これまでに歩んできた道程を振り返りながら、この日を迎えるにあたる意気込みを語るインタビュー映像が映し出された。ラストには武道館の入り口で5人が手を合わせる姿が。「いくぞ!」「おう!」。太志の掛け声に、5人はその意気込みを表すかのように声を合わせた。

 やがて彼らは、ステージに現れた。SEなど何の飾り気もない登場だったが、彼らは大きな歓声でステージに迎えられた。「来たぞ!」。観衆に手を振る彼らの喜びに満ちあふれた表情には、そんなアクティブな思いが見て取れた。リラックスした様子でセットアップを行っていた5人、そして静かに鳴り響き始めるmayukoのオルガンに、TASSIが穏やかにシンバルで合わせ始めた。そしてようやく太志がステージに現れると会場は再び大きな歓声に包まれた。太志が語りかける。「俺たちが今日、何をしに武道館に来たか分かるか? お前たちを幸せにしに来たんだ!」

 再び歓声に包まれながらこの日のオープニングナンバー「等身大のラブソング」でいよいよステージがスタートした。彼らの記念すべきデビューアルバム『空いっぱいに奏でる祈り』に収録されたもの。「愛すべきファン」に彼らが送った、嘘偽りのない素直な気持ちを表したメッセージだ。ゆったりしたレゲエ調のリズムが、観衆の気持ちを心地良く揺らしていく。「今日はね、生き様を見せにやってきました、ダサくてもいいから!」と太志は語りながら、デビュー当時からの道程を振り返り、ファーストシングル表題曲「決意の朝に」へとつなげていった。

彼らの進化を示すその歩み

[写真]Aqua Timezが2度目武道館で誓う(3)

感謝と愛に満ちた武道館

 まさしく彼らの決意表明とも取れるこのナンバーは、特別派手なインパクトやギラギラした色彩感のあるものではないが、多く語られた歌詞には、彼らの胸のうちにあるさまざまな思いが素直に綴られている。太志の甘く、包み込むような声に乗せたその思い。そして、その声に絶対的な信頼を寄せ支えるメンバーの面々。それぞれが支えあうことで彼らのサウンドは成り立っている。Aqua Timezの魅力はここにあると言っていい。「幸せだ。幸せを探していたけど、いつもAqua Timezをやっていることこそが幸せだと思いました!」「今日はみんなと歌いたい、声を嗄らそうぜ!」と、太志が語る言葉がさらに観衆の気持ちをグッとつかんだ。

 「千の夜をこえて」「しおり」と初期の穏やかなナンバーから、躍動感を加えた「ALONES」へ。最初は彼らの綴ったゆったりしたリズムに、相槌を打つように手拍子で合わせていた観衆だったが、この時の太志の「Clap your hands!」という声に気持ちを揺り動かされてからは、観衆自身がビートを形成し始めた。ゆったりしたリズムから、疾走感あふれるビートへ。その曲調のバラエティ感もさることながら、一つ一つの曲を追うことに成長の跡が確かに見られる。その点はステージ中盤、メンバー紹介の後にプレーされた「絵はがきの春」あたりから、明確に示されてきたように見えた。彼らの特徴ともいえる、前向きな意志を感じさせるメッセージ性はそのままに、言葉もメロディも洗練されたものに変化していることが、恐らく彼らの音に始めて触れた者にも感じられたことだろう。

人々を後押しするメッセージ

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武道館には10周年の軌跡が詰め込まれた

 そしてステージは後半へ。ハードなロックナンバー「GRAVITY 0」から、大詰めに向けてのラストスパートが始まった。最初はその声に、若干の金償還も感じられた太志とメンバーの面々だったが、曲が進み、彼らの進化を明確に表すごとに彼らの伝えたい言葉が自然に流れ始めていた。その言葉が示すものは、生き辛さを訴えるものが後をたたないこの世の中で、明日を生きるためのヒントを与え、そして後押しをしてくれるようなもの。ラスト2曲「生きて」「最後までII」が、その思いを強く物語っていたようにも感じられた。

自分の力で叶えられるかもしれないことを
神様にお願いしちゃだめだよ
汗かいて べそかいて
もうダメかもって思うまで 走ってみよう

 いよいよ迎えたクライマックス、ステージの一人一人から発せられた、「最後までII」の歌詞に込められた思いが、観衆の心により強く響いた。彼らのリズムをより強く支えるように腕を振る者、彼らの声に合わせて歌う者、そして、その言葉に深く共感し、涙を流す者。交錯するさまざまな人の思いをこの曲で一つにし、いよいよステージはラストを迎えた。

 さらに止まないアンコールに応えて、彼らは再びステージに登場。ステージ冒頭に太志が語った「声をからそう」という意を改めて示すかのように、ラストは会場の皆で「シンガロング」を熱唱、この日のステージに幕を下ろした。

 Aqua Timezが歩んできた10年に比較すれば、この日彼らが武道館でファンと共に過ごした3時間というひと時は、ほんのわずかな時間だった。しかし、この日会場に訪れた人たちは、彼らとのライブの中でも、これまでで一番に楽しいひと時を過ごしたことだろう。常に進化を遂げている彼らは、もっとも新しい姿こそが最高の姿であるからだ。この日、11月8日より東京の赤坂BLITSを皮切りに初の47都道府県全国ツアーが開始されることが発表されたAqua Timez。まだまだ彼らの歩みは続いていく。

セットリスト

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次の10年へ走り出すAqua Timez

01. 等身大のラブソング
02. 決意の朝に
03. 千の夜をこえて
04. しおり
05. ALONES
06. 小さな掌
07. 虹
08. 夏のかけら
09. Velonica
10. STAY GOLD
11. プルメリア~花唄~
12. 絵はがきの春
13. GRAVITY 0
14. 真夜中のオーケストラ
15. MASK
16. つぼみ
17. エデン
18. 生きて
19. 最後までII
encole
20. 真夜中のオーケストラ(アカペラ)
21. 向日葵
22. さくら道
23. シンガロング

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