[写真]Acid Black Cherry灼熱の幕張でフリーライブ(2)

灼熱の幕張でファンを魅了したAcid Black Cherry。東名阪の合計でフリーライブとしては国内最多となる10万人を動員した

[ライブレポート、7月25日、幕張]Janne Da ArcのヴォーカリストyasuのソロプロジェクトAcid Black Cherry(以降ABC)が、2011年に続き4年に一度の大感謝『ABC Dream CUP 2015 LOVE』を敢行した。今回は、自身3度目となるフリーライブで、東名阪で合計8万人を動員。一般開放エリアも含めると、フリーライブとしては国内最多となる10万人を動員した。その中から、4万人を動員した7月25日の幕張海浜公園内特設会場での公演の模様を以下にレポートする。なお、会場はステージ前方から最後方の一般開放エリアまで440メートルもある縦長。巨大スクリーンも4台設置された。炎天下の野外会場で直射日光にガンガン照らされたステージ上では、サポートドラムの淳士(SIAM SHADE/BULL ZEICHEN88)のシンバルが変形するなどのハプニングもあった。  【取材・桂伸也】

[写真]Acid Black Cherry灼熱の幕張でフリーライブ(5)

Acid Black Cherry

 ABCは今年2月に波乱の人生を送った一人の女性の一生に焦点を充てたコンセプトアルバム『L-エル-』をリリース。アルバムを引っさげた全国ツアーは大盛況のうちに終了。さらに9月からはアリーナ規模での追加公演も予定されており、今や押しも押されもせぬアーティストとして大きな注目を浴びている。

 定刻を少し過ぎた頃に、彼らはいよいよ現れた。「黒い太陽」のイントロをSEに一人また一人とステージに登場、そして最後にyasuが登場すると、会場は割れんばかりの歓声が響いた。スゴ腕のサポートメンバーによるバックアップのもと、yasuは叫んだ。「幕張! ぶっ飛ばしていくよ!」その言葉に応え、ぎっしり詰まった会場では、観衆が振り上げ、リズムに合わせて動き回る腕が無数に現れ、波打っていた。

 序盤は「罪と罰~神様のアリバイ~」「I'm not a ghost」と、毒気すら感じる妖しい雰囲気を持ったキラーナンバーで、観衆を魅了。「夏の野外ってどうしても暑いから、いつまでも綺麗な顔でいようとしてたらアカンで! みんなまとめて汚してやるから、覚悟しとけよ!」そんなyasuの言葉に、大きな声で答える観衆。

[写真]Acid Black Cherry灼熱の幕張でフリーライブ(4)

Acid Black Cherry

 この日の暑さとはまた違う「熱気」がyasuたちのステージから生まれ、会場に放射された。yasuは高らかな声でアピール性抜群のボーカルを聴かせながら、左へ右へ、そして花道の先端へと、ステージを動き回り、ステージから目の届くすべてのエリアに対して指を指し、観衆一人一人にアピールを続けていた。そして彼の声。妖しくもあり、甘くもあり、かつ激しくもある。会場の観衆の興奮した姿には、まるでそんな彼の魅力から、誰一人抜け出せなくなってしまっているようにも感じられた。

 「野外フェスって、しんどくないですか?」、野外ステージ初体験とyasuが観衆に語りかけた。しかし、彼のステージングには、一点の曇りも見られない。彼は唄でも、パフォーマンスでも、人を引き付ける魅力を兼ね揃えている。ステージ中盤に披露した「眠り姫」「イエス」などのポップなバラード、「CRISIS」「黒猫~Adult Black Cat~」などのハードなナンバー、あるいは妖しい雰囲気のナンバーなど、ABCの楽曲は非常にその曲調の幅が広く、独特な世界観を持っているが、彼はどの楽曲の中においても、強い個性で存在感を表し、常に観衆の視線を引き付けていた。

 途中にはフロート車に乗り込み、ステージがほぼ見えない会場の後ろのほうまで出向き、ファンサービスをするという心憎いまでのyasuらしい演出も。そして、クライマックスには「幕張、もっと暴れていこうぜ!」というyasuの叫びにより「ピストル」から、ラストナンバー「SPELL MAGIC」まで、まさに息をつく暇もなく全12曲、約1時間半のステージはあっという間にエンディングを迎えた。

 鳴り止まないアンコールに応え、彼らは再びステージにもどってきた。そしてステージから張り出された花道を通過し、その先のステージにて、「so…Good night.」「その日が来るまで」の2曲をアコースティックバージョンで披露。ちょうど日が陰りはじめ、涼しいそよ風が会場に吹き込んできたときのことだった。「曲を知らん人もいるかもしれないけど、簡単なメロディやから、みんなで一緒に唄ってほしい」そう願うyasuの思いに応え、サビは観衆も合わせて歌っていた。

[写真]Acid Black Cherry灼熱の幕張でフリーライブ(3)

Acid Black Cherry

 愛の言葉 世界中に届くかな?
 空を越えて 君の元に届くかな?

 じっとyasuの唄に耳を傾けていた観衆は、共に唄うことで、さらに深くその詞の意味を深く感じ、この瞬間を心の中に深く刻み込んでいた。「みんなすごくうまかったよ!ありがとう!」と礼を告げたyasu。ABCにとっても、観衆にとっても、4年に一度の忘れられないひと時が、ここに生まれた。そして畳みかけるように「DRAGON CARNIVAL」「エストエム」とキラーチューンが続き、ステージは大盛況のうちに幕を閉じた。

 帰り際、一人の観衆の女性が呟いた、「夢のようなひと時だった」と。活動開始より8年目を迎えようとしているABCは、ツアータイトルにうたっているとおり、この女性に「夢」を与えた。いや、同じように夢を与えられたファンは、もっとたくさんいたかもしれない。さらに大きな夢を、彼らは多くの人に与え続けてくれることだろう。

セットリスト

[写真]Acid Black Cherry灼熱の幕張でフリーライブ(1)

Acid Black Cherry

01. 黒い太陽
02. 罪と罰~神様のアリバイ~
03. I'm not a ghost
04. versus G
05. sins
06. 眠り姫
07. イエス
08. 7 colors
09. CRISIS
10. 黒猫~Adult Black Cat~
11. ピストル
12. SPELL MAGIC
encore
13. so…Good night.
14. その日が来るまで
15. DRAGON CARNIVAL
16. エストエム

メンバー:
yasu(Vocal)
YUKI (DUSTAR-3 / Rayflower)(Guitar)
HIRO (Libraian / La'cryma Christi)(Guitar)
SHUSE (†яi¢к / La'cryma Christi)(Bass)
淳士 (SIAM SHADE / BULL ZEICHEN88)(Drums)

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