[写真]初来日のEchosmithを分析

エコスミス「クール・キッズ」(出典=YouTube・Warner Music Japan)

 平均年齢18歳。米ロサンゼルス出身の青春全開のポップロックバンド・Echosmith(エコスミス)。海外のロックシーン、オルタナティブシーンで話題沸騰のEchosmithが今年初来日する。男女4人編成のEchosmithが織りなすシンプルで聴き手を選ばないサウンドは、80年代から派生したニューウェイヴサウンドや90年代以降のオルタナティヴロックを踏襲した上で、滅茶苦茶ポップに10代の感性でバージョンアップさせた「爽やかすぎるポップロック」だ。そして、あまりにも息のピッタリ合ったエコスミスの演奏はとてもティーンズバンドとは思えない実力を伴っている。

平均年齢18歳のファミリーバンド

 それもそのはず、平均年齢18歳のEchosmithは、ボーカル・キーボードの長女シドニー(17)、ギターの長男ジェイミー(21)ベース・ボーカルは次男ノア(18)ドラムス担当の三男グレアムは(15)らからなる4人兄妹バンドだ。音楽一家という環境の中で、家庭でのセッション、楽曲制作という形から活動を初めたEchosmithは、2012年にワーナー・ブラザーズと契約。2013年にデビューアルバム『TALKING DREAMS』の発表を経て、シングル「Cool Kids」が2014年のプラチナ・ディスクを獲得(セールス全米100万枚超)というこれまでの経緯。あまりにトントン拍子のティーンエイジドリーム真っ最中とも言える彼らだが、ツアーで全米中を回るなど、非常にエネルギッシュな活動をこれまで見せて来たという展開がある。

Echosmith - Talking Dreams [Official Music Video]

米ロックフェスツアーで得た実力派バンドの評価

 2013年に夏休みを利用して参戦した『VANS WARPED TOUR』(米最大規模の複合型フェス)でEchosmithは多大な評価を得た。オーディエンスのあまりの反響から、当初とは大幅に異なる予定の「全日出演」という出演日程に変更され、Echosmithは全米40以上の地域を縦横無尽に制覇した。翌年2014年の同フェスにもしっかり全日程出演予定で参戦。アメリカのロックバンド登竜門的なフェス「VANS WARPED TOUR 」で充分な場数を踏み、確かなリアクションを得たEchosmithは、その実力と存在感を全米中に周知した。

シンプルなオルタナテイストのポップロック

 とにかくシンプルな音。弾けまくるポップロックだが、よく聴くと演奏そのものはやけに大人びている面がある。バックボーンとして窺えるサウンドは、80年代のニューオーダー、ジョイ・デイヴィジョンを初めとするニューウェイヴ的なアプローチ、ギターとビートの絡みには、コールド・プレイやU2、そして90年代のオルタナティヴロックの要素が適所に醸されている。

 全体的にメジャーな雰囲気が前面に押し出されているにも関わらず、オルタナティブロックのテイストが全く嫌味無く、効果的に溶け込んでいるという、なかなか居そうで居なかったバンドだ。シンセサイザーフレーズの直球なサウンド、ギターのストローク一発ですらキラキラして聴こえるといったあたり、まさにティーンエイジャーのロックサウンド。青春の真っただ中といった響きの中で、女優ばりのルックスを持ったシドニーの、可愛らしく、力強く伸びやかな歌声が映えるEchosmithのサウンドは、誰もがストレートに受け入れられるといった魅力がある。

Echosmith - Cool Kids [Official Music Video]

 音数が少なく、シンプルであるが故に、各パートが何を演奏をしているのかがとにかくハッキリと聴こえる。そして「落ち」の展開や、パートの「抜き差し」の感覚が抜群で、その感性は近年までのエレクトロミュージック、ダンスミュージックに通ずるものがあり、飽く事なく終始Echosmithの世界に入り込んで楽しめる。その点で、ただのサワヤカな若手オルタナ系ポップバンドという風には決して扱えないだろう。

サマーソニック2015に参戦「Echosmith」

 まだあどけなさが残るルックス(10代なので当然だが)の演奏陣だが、楽器のプレイはやたらと大人びていて、とにかく無駄のないフレーズを重ねたアンサンブルを構成する。まるで兄妹での役割をキチンと全うしているかの様なピッタリ息の合った演奏。十年選手のロックバンドが洗練された演奏をしているかの様な完成度と風格がどこか感じられる。が、Vo.シドニーの、マイク片手に歌いながらスティック2本でフロアタムをバシバシひっぱたくステージ上の姿が何とも無邪気でカワイらしいという、ティーンズ・ポップらしいハジけた面。見た目もサウンドもとにかく受け入れやすく、実力充分、「ポップな爽快感」という点がEchosmithの魅力だろう。

 今年Echosmithの初来日ステージ となる『Summer Sonic 2015』。日本ではまだ比較的知名度の高くないエコスミスだが、全世界で1億ユーザー数を超える音楽検索アプリShazamで「2015年注目のアーティスト」として昨年12月にピックアップされるなど、その評価と期待は着実に高まってきている。日本の代表的なロックフェスの一つ「サマソニ」でのアクションで、ティーンズ・ポップの新進気鋭「Echosmith」の注目度は最高潮に達する事が期待される。  【文・平吉賢治】

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