写真=「LIVE MONSTER」一夜復活[1]

1万6000人を動員して大盛況のうちに閉幕した『LIVE MONSTER LIVE』(撮影・植松千波)

 DREAMS COME TRUEの中村正人が司会を務めた日本テレビ系音楽番組『LIVE MONSTER』が4日、一夜限りの復活を果たした。番組は今年3月に終了したもののライブイベント『LIVE MONSTER LIVE』として昨年に引き続き、開催。今年は、幕張メッセで、少女時代、UNISON SQUARE GARDEN、ゲスの極み乙女。DREAMS COME TRUEが熱いパフォーマンスを繰り広げた。また、隣接で行われた同局の公開生放送『THE MUSIC DAY 音楽は太陽だ。』との中継も挟み、一部全国に届けられた。この日のライブは、17日深夜24時半から一部地域を除き同局で放送される予定。熱気に満ちた当日の模様を以下にレポートする。  【取材・紀村了】

華麗に魅せた少女時代

少女時代(撮影・植松千波)

少女時代(撮影・植松千波)

 既に開演前から1万6000人の観衆で会場は熱気に包まれていた。突然、楽曲のイントロが流れ始めると映像がステージに映し出された。会場は大歓声と共に、ピンクのサイリウムが一斉に揺れた。会場が再び暗転し、明かりが戻されるとステージ中央に少女時代の姿が。発狂にも似た声が会場に響き渡ると同時に、最新シングル「Catch Me If You Can」が始まった。のっけからステージ前方で「ドン!」と複数の砲煙が上がる。少女時代は優雅に、そして激しく踊った。

 1曲目を終えたところでメンバー個々に自己紹介。「素敵なステージに立てて嬉しいです。初めて(私達を)見る人もいるかもしれないけど、楽しんでくださいね」と挨拶し、ハンドルを持つ仕草から「レッツドライブ!」との掛け声をすると、2曲目「MR.TAXI」が始まった。オリコン初動売上で自身初の10万枚を超えた彼女たちの代表曲の一つ。ダンスミュージック仕立ての重低音はファンの心で震えた。ステージから離れた会場後方の観衆は、場内に設置された複数のスクリーン越しに少女時代の華麗なパフォーマンスを楽しんでいるようだった。

 興奮した状態のまま3曲目「GALAXY SUPERNOVA」へと移り、落ち着かせるように、4曲目ではミディアムテンポな「Chain Reaction」を披露。歌い終えたところでメンバーが「熱気が凄いですね! 楽しんでますか! 次が最後です。残念です」と語ると、最後は、日本のデビューシングルで彼女たちの“美脚ダンス”を印象付けさせた「GENIE」を披露。定番にもなった「足を突き出す」振り付けにファンも興奮の度合いを高め、歓声をあげた。あっという間に彼女たちのパフォーマンスは過ぎ去り、最後に彼女たちは「愛しているよ! じゃあまたね!」と言い、去り際に投げキッスを送った。

 合間を見て司会の中村がステージに登場。彼女たちのパフォーマンスを「凄かったね! 幸せになったか! 俺も幸せになったよ!」と絶賛した。

爽やかさを吹き込んだユニゾン

UNISON SQUARE GARDEN(撮影・植松千波)

UNISON SQUARE GARDEN(撮影・植松千波)

 次に登場したのは、自身初の日本武道館公演を即日完売するなど結成10年で勢いに乗っている、UNISON SQUARE GARDENだ。爽やかなBGMにのせて登場すると「ユニゾンです」と短く挨拶して1曲目「シュガーソングとビターステップ」を披露。間髪入れずに「オリオンをなぞる」へと続けた。この日の天候は雨だったが、会場はすっかり晴れ模様ののどかな陽気かと思わせるような爽快なナンバーが続いた。爽やかなハイトーンボイスのボーカル斎藤宏介、斎藤とは真逆の激しさを伴ったプレイの田淵智也のベース、そして鈴木貴雄のドラムが複雑に絡み合って彼ら独自の音楽を形成していた。時折みる、音の切れ目、いわゆるブレイクで弾きわたる斎藤の声の残響も印象的だった。

 ドラムのシンバルが間を繋いだ3曲目「crazy birthday」からは激しさを伴ったサウンドが色濃く表れた。ステージを縦横無尽に走り回る田淵。キャッチーなフレーズがループするなかで歪みを効かせたギターソロは観衆の心情をかき乱した。そのまま披露された4曲目「天国と地獄」は更に深化した。激しいサウンドと70年代のグループ・サウンズを彷彿させるギターの音色や、変調のオンパレード。非現実的な空間を作り上げ、観衆を釘付けにさせた。

UNISON SQUARE GARDEN(撮影・植松千波)

UNISON SQUARE GARDEN(撮影・植松千波)

 「本当にあっという間なんですけど、次が最後の曲です」と語って披露したのは「harmonized finale」。キーボードのメロディーに誘われるように歌う彼の優しい声がより際立つメロディアスなナンバー。希望に溢れるような爽やかさが漂う曲調で、ステージを照らす黄色のスポットライトにも反映されるように、幸福感に満ちる“花”を咲かせているようだった。彼らは「また会いましょう」と再会を誓って爽やかに終えた。

 再び登壇した中村は「ユニゾンすごかったね。いろんなタイプの音楽に出会えますからね。皆さんのフェイバリット(お気に入り)の音楽をみつけてもらえたら」と挨拶した。

高い技術と猟奇的な演奏で引きずり込んだゲス

ゲスの極み乙女。(撮影・植松千波)

ゲスの極み乙女。(撮影・植松千波)

 この日は、『THE MUSIC DAY 音楽は太陽だ。』との中継で、ゲスの極み乙女。と、DREAMS COME TRUEがそれぞれ1曲ずつを全国に届けた。日本テレビの桝太一アナウンサーが登場して、ゲスを呼び込むと、本番待ちの間、桝アナの「ゲスの極み乙女。の印象は」と問われた中村は「凄い実力がある上に、これだけのキャラクターを揃えましたからね。作詞も作曲もアレンジも、演奏も」と評価した。

 『THE MUSIC DAY』との中継では、ゲスのボーカル川谷絵音は緊張した面持ちで「1万6000人も入って、僕ら最大キャパです!」と挨拶すると「私以外私じゃないの」を披露した。CMで流れている楽曲で、彼らの知名度を世間一般にも広めたと言っても過言ではない最新曲だ。演奏力が高い上に、偉才を放つ個々のメンバー、そして中毒性のある楽曲に会場はのっけからヒートアップした。中継を終えて仕切り直すと、2曲目「デジタルモグラ」を披露。川谷が「幕張盛り上がれますか!」と煽った。

 彼らの音楽は“劇場型音楽”のようだった。高い演奏力に裏付けされたジャズのようなサウンド構成で演奏も楽しませる一方で、川谷の幼さの残るボーカルの声質は時にとてつもない声量を放つ。そして個性あふれる個々のメンバー。特に、バンドの軸となるドラム。そのドラムを叩く、ほな・いこかは猟奇的な表情を時折見せるなど独特の雰囲気を醸し出していた。そこにはセクシーさがあった。

 4曲目ではキーボードのソロからメンバーが一列になって輪を描くように体を揺らすZOOのクルクルダンスも披露。お茶目な一面ものぞかせた。

ゲスの極み乙女。(撮影・植松千波)

ゲスの極み乙女。(撮影・植松千波)

 そして、多彩な楽曲を間髪入れずに放りこんでいく。ベースとドラムが誘い、ギターを置いた川谷が叫ぶ「幕張!」。エイトビートに乗る言葉の乱れ打ち。対照的なベースの貫禄の仁王立ち。そしてキーボードの笑み。演奏力の高さを象徴させた乱れ打つのような鍵盤の連打で観衆を惹き込んだ。1万6000人は自身のライブでも最高の人数だというゲス。MCでは川谷とちゃんMARI(key)が「いっぱいいるよね」と本音も。密着取材を受けていることや、休日課長(B)の私生活などの話で盛り上げた。

 6曲目は、メジャーデビューシングルに収録され、テレビドラマの主題歌に起用された「猟奇的なキスを私にして」。休日課長とほな・いこかが向かい合って間を合わせる姿も印象的だった。特にほな「やるか!」と言っているかのような挑発的な表情は力強さを感じた。

 「幕張いけるか!」と叫んだ7曲目「Ink」ではこの日1番のロックサウンド。歌にならない語り口のボーカルに、これでもか、と言うぐらいの歪み効かせたギターサウンドが激しくかき乱したあとで、休日課長によるベース音がリードした。「最後は皆でパラリらパラリらと唄いましょうか。ゲスの極みと楽しみましょうか」と語って披露した「アソビ」でも早口で攻めたてていく。ギターカッティングで盛り立てたと思いきや、キーボードが場の空気を支配する。実に、乱高下の激しいゲスのステージだった。

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