写真=Hello Sleepwalkers恵比寿でツアー最終[1]

「五重奏の実験室」で展開された新たな試み。ファンを魅了させたHello Sleepwalkers

 [ライブレポート、恵比寿]ロックバンドのHello Sleepwalkersが28日、東名阪ツアー『Hello Sleepwalkers 2015 Quintet Laboratory』のファイナルを東京・恵比寿のLIQUIDROOMで迎えた。「Quintet Laboratory」と題されたツアータイトルを直訳すると「五重奏の実験室」となり、アルバムに収録されているものの今までにライブで演奏されていなかった楽曲やインスト、そして、新曲2曲を盛り込んだ内容となった。彼ら自身およそ1年ぶりとなるワンマンライブツアーで、大阪、名古屋を巡って迎えた最終地・恵比寿での公演の模様を、ミュージックヴォイスでは以下にレポートする。  【取材・村上順一】

五重奏の実験室

写真=Hello Sleepwalkers恵比寿でツアー最終[4]

 チルアウト風なBGMが流れる中、既に会場は満員。客席には男性がやや多い印象を受けたが女性の数も差して変わらなかった。ほぼ定刻通りにライブはスタートした。ダブステップ的なSEが流れ、ブルーの照明に導かれるようにメンバーがステージに姿を現した。大きな歓声が上がる中、1曲目の「Ray of Sunlight」で幕を開けた。静と動のメリハリが効いたアレンジと、下から照らす照明がオープニングの高揚感を煽っていく。

 そして、シュンタロウ(Vo/Gt)の「待たせたな、恵比寿LIQUIDROOM」というシャウトと共に、2曲目の「百鬼夜行」を演奏。シュンタロウとナルミのツインボーカルのコントラストも心地良い。赤と青のレーザーが客席に向け放たれ、ヘビーなバンドサウンドに呼応するかのようにファンも拳を振り上げていた。続いて「オッオッオッオッオッオッオオッオッオー」というコーラスが印象的な「越境」、「五次元少女リア」、ブギーのような軽快なリズムの「デジ・ボウイ」が立て続けに演奏された。

 MCで今回のツアータイトルにもなっている「Quintet Laboratory」の主旨を語ってくれた。「“五重奏の実験室”と言う意味で、リリースしたけどやってない曲とか、今日持ってきた新しい曲とかインストとか、いろいろ面白い事をやろうと思っているんで楽しんで帰って下さい」。短いMCが終わると、4つ打ちのバスドラムに乗せてライブアレンジのイントロを追加した「アキレスと亀」を演奏。グルービーなギターのカッティングが心を躍らせた。観客もそのリズムに身を委ねているようだった。

 そして「Countdown」、「砂漠」を演奏。次曲に入る前に、ユウキがドラムソロを展開した。甲高い突き抜けるようなスネアドラムの音がフロアに響き渡り、テクニカルなハイハットワークでファンを魅了。ライブハウスが揺れるほどのバスドラムの連打でソロを締め「月面歩行」に突入。青いレーザーのカーテンが幻想的な世界を醸し出す。不思議な音階のギターのフレーズに導かれ「天地創造」と続いた。

 MCではナルミが「みんなを1人ずつステージに上げて、この光景を見せて上げたいくらい素敵な光景です。本当にありがとう」と今日集まってくれたファンに感謝の意を述べた。そして、ここでライブでは未演奏だった楽曲「寝てる」を披露。客席から歓声が上がり、曲が始まるとファンもこのレア曲に耳を傾け聞き入っているように見えた。この後、ギターのツインリードが美しい「23」、更に「朝に二人は」とメロディアスなナンバーを立て続けに演奏。

SoundCloudで公開した新曲を披露

写真=Hello Sleepwalkers恵比寿でツアー最終[5]

 そして、ここで新曲が披露された。シュンタロウが最近始めたという「SoundCloud」で公開しているデモの中から新曲「神話崩壊」をフルバージョンで演奏。Hello Sleepwalkersらしいアッパーな曲調で「ちょっと待って」の歌詞が印象に残る。

 「まだまだ行こうぜ」の掛け声と共に円盤飛来が演奏され、観客のボルテージは最高潮。バンドもファンも更にテンションを増していってるのがわかる。電子音を前面に出したアレンジが、今までの楽曲と違うテイストの「Worker Ant」。シュンタロウとナルミもギターを置き、ハンドマイクで客席を煽った。「もくもく働こう」とナルミが歌うと、ファンもそれに合わせ手を挙げ呼応していた。

 間髪入れずに披露したのは、2枚目のアルバム『Masked Monkey Awakening』のオープニングを飾る「猿は木から何処へ落ちる」。これ以上は上がらないだろうと思っていたテンションは突き抜け、フロアにはバンドから放たれた重低音サウンドが渦巻いていた。

 そして、シュンタロウの「次で最後の曲です」と始まったのは、同アルバム2曲目に収録されている「午夜の待ち合わせ」。これでもかというほど、ステージもフロアも激しさを増していきながらライブ本編が終了。鳴り響くギターのフィードバック音をBGMにメンバーはステージを去った。

違った朝が来ることを信じて書いた新曲

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 アンコールを求めるファンの手拍子に、再びステージに姿を現したメンバー達。ワンマンという事で、いつもはしゃべらないメンバーにもMCを振っていた。ドラムのユウキは「みんなのパワーがスゴすぎて結構バテてました。お客さんの力のおかげで最後まで叩けました。本当にありがとうございます」と語るほど、客席に渦巻いたパワーが大きかった事を物語っている。

 シュンタロウは「このツアーで5人でやることの意味を再確認出来た、実験は成功です!」と実りのある実験成果が得られたと述べながら満足の笑みを浮かべた。

 その成果のご褒美とばかりにアンコールには新曲を用意してくれていた。タイトルは「夜明け」。このタイトルに付けられた想いを「曲作りにトライしているんだけど上手くいかないし、そんな日が続くと新しい朝が嫌になるというか、もう来ないで欲しいなと思うくらいになってて、でも違った朝が来るんじゃないかって信じて書いた曲です」と明かした。

 「夜明け」は透き通るようなクリーンなギターと歌から始まるミディアムナンバー。「明日は晴れますように」という歌詞が印象に残る。ナルミは途中、涙を浮かべながら演奏し、ファンもシュンタロウの歌とメッセージに耳を傾けていた。最後に「今日は本当にありがとうございました。また逢いましょう」と今日来てくれたファンに感謝し、全19曲、約2時間のライブの幕を閉じた。

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