4月22日にセカンドシングル『エイミー』をリリースしたTHE ORAL CIGARETTES

4月22日にセカンドシングル『エイミー』をリリースしたTHE ORAL CIGARETTES

 「なんて多彩な変化球を持つバンドだろう!?」――、私が昨年リリースされたアルバム『The BKW Show!!』を聴いて感じた、THE ORAL CIGARETTESの印象だ。人間のダークな心理面を赤裸々に綴る詞と、ポリリズムや変拍子などの複雑なリズムを織り交ぜ、目まぐるしく展開する曲。ある意味、ひねくれていると感じるそのセンスが、やけに気持ちを鼓舞してくる。

 彼らは、4月22日にセカンドシングル『エイミー』をリリースした。この表題曲はボーカリストの山中拓也が15歳のときに経験した恋愛、そして別れの体験をベースに作った楽曲(バンドオフィシャルブログ2月20日より)であり、彼らがインディーズ時代にリリースしたアルバム『新月と牡羊座』にも収録され、ライブの定番曲の一つにもなっている。

 先述の「ひねくれた」楽曲群と比較すると、あまりにもストレートに爽やかなメロディを綴った「エイミー」。この楽曲を今、彼らがリリースする理由とは? また、THE ORAL CIGARETTESの正体とは? 今回はそれをメンバーの山中、あきらかにあきら、中西雅哉、鈴木重伸へのインタビューより探ってみた。

リリースの理由は二つ、「感謝の気持ちを伝える」ことと、「バンドの芯を通す」こと

[写真]THE ORAL CIGARETTESインタビュー【2】

――― この度、ニューシングル「エイミー」をリリースされる皆さんに、そのリリースまでの経緯をおたずねするとともに、今回はこのバンドの正体を探っていきたいと思います。まず失礼かもしれませんが、今までリリースされている音源の多くは「ひねくれた感じ」というか(笑)、ダークなイメージもあり、「エイミー」と同じ人が書いているとは思えない気もしましたね。

山中 そうかもしれません(笑)。実はファーストアルバム『オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証』を出す前に作った音源はそれほど歌詞にこだわりが無くて、サウンド面やメロディの良さなんかを重視する傾向がありました。でもそんな中、たまたま気持ちを込めて書いた「エイミー」が生まれたんです。その後ファーストアルバムから歌詞にこだわりはじめて、バンドで表現すべき自分の姿がだんだん見えてきました。それが今言われた「ひねくれ」や「ダーク」な部分だと思っていますが(笑)。だから違いを感じるかもしれないけど、正直なところ僕は、ずっと変わっていないつもりです。

――― なるほど、それであればつながりは何となく見えますね。この曲を、敢えてこの時期にリリースする理由とは、どのようなものだったのでしょうか?

山中 二つあって、一つ目は、この4月で僕たちは上京して1年、そのメモリアルライブを地元の関西で行う予定になっていて、そこに向けてリリースをしたいという話があり、この曲を出すことに決定しました。

――― 大きなタイミングですね。

山中 リリースする作品のテーマを考え、「感謝」に決まりました。今でもこうしてステージに立てている気持ちを込めていたからこそ、今回のテーマは「感謝」だと。そして今回のリリースにふさわしい曲を新曲を含めて考えた上で、昔作った「エイミー」が気持ちを伝えるのに最高の曲だという意見で一致しました。

――― 確かにそのテーマにはぴったりな印象がありますね。もう一つの理由とはどのようなものだったのでしょうか?

[写真]THE ORAL CIGARETTESインタビュー【3】

山中 THE ORAL CIGARETTESとしてこれからのバンドを長い目で見た進み方として、お客さんに寄り添うことは大事と思う一方で、バンドとしての芯を通したいという気持ちがあったことです。前回シングル『起死回生STORY』は「音楽シーンの革命児」みたいなイメージで「そんな番狂わせをしてくれるTHE ORAL CIGARETTESが好き!」と言ってくれるファンもいましたし、現実に、そのようなタイプの曲を出すという案もあったけど、「誰が何と言おうと、僕らが決めたことを曲げないようにしていかないと、バンドが続かない」という思いも自分たちにはありました。

――― なるほど。昨年のアルバムリリースから、今回この曲をリリースされるというのは、リスナーからすると少し戸惑いを感じるかもしれません。でも逆に今回のリリースでバンドの印象というか、引き出しが広がった印象もありますね。この曲を最初に提案されたのは山中さんだったのでしょうか?

山中 いや、どこからともなく、という感じでした。曲を決める全体会議があって、実はそのときに似たような感じの新曲も案としてあり、最初はそれを出そうとしていましたが「この曲を今回のタイミングで出すというのはちょっと違うか」という意見がみんなの中で出たんです。それなら「エイミー」へ、という流れでしたね。インディーズ時代から今までお客さんと大事にしていた曲でもあるし。

――― この曲が、「自分たちにとって大事な曲」という意識は、他のメンバーも同様にあったのでしょうか。

あきら ありましたね。「こういったサウンドも鳴らせる」バンドでいたいと思っていたし。だから今回、この機会にうまく「エイミー」という案は満場一致で決まりました。

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