[写真]CDショップ大賞・記者の観点

第7回CDショップ大賞で撮影に応じたショップ店員たち(撮影・編集部)

 第7回CDショップ大賞の受賞作品が去る9日に発表された。輝かしい数々の受賞作品の中でも記者が注目したアーティストは「Family Basik」と「戸渡陽太」だ。

 グランプリにあたる大賞にはBABYMETALの「BABYMETAL」。そして、今年特別に設けられたBEST ARTIST賞にはゲスの極み乙女。が選ばれた。

 「メジャー、インディーズを問わず、賞をきっかけにブレイクが期待される作品を、CDショップ店頭から全国へ向けて発信、選出」というコンセプトのもとに選出された受賞アーティストは、音楽的魅力、今後益々の活躍に充分すぎる期待感を抱けるアーティスト揃いだ。

 「洋楽賞」や「ジャズ賞」「マエストロ賞」など、各分野や観点に特化した各部門賞をこの日合わせて発表された。優れた作品や音楽家を選出する上で、特化した要素に着目しての選出やノミネートは、今回で7回を迎える「CDショップ大賞」の醍醐味ではないだろうか。その中でも記者が注目した受賞作品を紹介していきたい。

<北陸ブロック賞>
「A False Dawn And Posthumous Notoriety」Family Basik

 無駄なく練られた楽曲に浮遊する優しい歌声。全身に溶け込んでくる牧歌的なサウンド。心地よいアンサンブルは、シンプルながらも様々な音楽性を、聴き重ねる度に感じる事が出来る。夢見心地な感覚の「ポップ」でありながらも、非常にリアリティのある音が重なり、全く押し付けがましくない説得力を持った音楽として響く。

 まるで無防備な様なビートと弦楽器の響き。90年代以降のブリストルサウンドの空気感や、アナログ感のある音色。なのにエレクトロミュージックの要素もどこか感じる。今回の「A False Dawn And Posthumous Notoriety」から、今後はどういった音楽性を展開してくるのか? というワクワク感のフィードバックつき。また、CDジャケットのアートワークは正に本作品の雰囲気であるという点がたまらない。

 「加藤りま」と「加藤遊」による2007年結成の兄妹ユニット「Family Basik」の作品。本作はもちろん、今後の作品にも期待と共に要注目だ。

<九州ブロック賞>
「プリズムの起点」戸渡陽太

 雅でロックなストレートシンガー。ブレない体幹から弾き出されるアコースティックギターのグルーヴ感。アップテンポも、スローな曲であっても、メッセージを孕んだ言葉の数々と共に真っすぐに飛んでくる。とにかく直球で気持ちが良い。「武士」といった物腰で音楽を奏で歌う戸渡陽太の歌、楽曲の数々からは、揺るぎない一貫性がある。

 どこかしら根底に和の魅力を含んだ音楽と感じるのは、スッと懐に入り込んでくる様なダイレクトな間合いが、歌として音として表現されているからであろうか。切れ味鋭くもあらゆる感情が倍音となっている「戸渡陽太」のビシビシと来る歌声からは、今の時代に求められているあらゆる要素が含まれているのではないだろうか、と感じられる。

 22歳の戸渡陽太が放つ今回受賞作品「プリズムの起点」。バンドサウンドの仕上がりは正に恰好良いの一言であり、アルバム全体で聴いた上で、是非ライブに足を運び直接体験したくなるアーティストだ。  【平吉賢治】

 ◆CDショップ大賞とは 全国のCDショップ店員が「ブレイクが期待される」「本当にお客様に伝えたい」作品(邦楽アルバム)と思うものを投票で選び賞するもの。過去にももいろクローバーZやMAN WITH A MISSIONなどのアルバムが授賞している。第7回目の開催となった今回は過去最多となる1078人の店員が投票に参加した。

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