氷室京介の休止発表にファンは

20日開演前のスタジアムの様子。会場前に設けられた特設ゲートを写真に収めるファンの姿が目立った

 全50公演にも及んだ氷室京介(53)の25周年全国ツアーが20日、横浜スタジアムで幕を下ろした。前日リハで転倒して胸を骨折、「パーフェクトで終えたい」と意気込んだこの日は落雷で一時中断するなどハプニング続きだった。それでも最後は「最高の形で送りたい」とデビュー曲『ANGEL』を歌い、記念イヤーを締め括った。

 前日同所で行われた公演で、活動休止理由を“聴覚障害”であることを告白した。13日の山口・周南市文化会館公演で衝撃発表してから19日まで明確な理由が明かされてこなかったために、様々な憶測が飛び交っていた。このため、理由の告白はファンからすれば心のモヤモヤが取れたと言いたいところのようだが、“聴覚障害”という現実を突き立てられ複雑な心境だったに違いない。

 記者はファンの声を直に聞こうと、最終公演の開演前、スタジアム周辺で数人に話を聞いた。

 氷室と同郷の群馬県から訪れた藤野さんはファン歴25年。ライブには幾度も訪れているようで、今思い返せば耳の不調を思わせる仕草があったと語った。「以前からイヤモニ(音響をチェックするために使用するヘッドフォン)を頻繁に触ってまして、癖なのかなと思っていました」。

 また、2003年に行われたライブツアー『Kyosuke Himuro Tour 2003“Higher Than Heaven”』で、氷室が発した言葉に嫌な予感を覚えたと言う。それは「自分のやりた事が出来なくなったとき潔く身を引く」というもの。

 藤野さんは「まさかその言葉が現実になるなんて」と驚きながらも「氷室さんはいつも全力でしたので。氷室ファミリー皆そう思っていると思いますが、氷室さん自身が決めた事などで素直に受け止めたいと思います」と納得させていた。

 BOΦWY復活への期待論も起きているが「実はLAST GIGS(BOΦWYのラスト公演)を会場で見ていました。あの時点でバンドは区切りがついていると思うので復活はあり得ないと思います。また望んでもいません」と述べた。

 取材のなかで、藤野さんのように氷室が決めたことを素直に受け止めるといった意見が目立った。BOΦWY時代からのファンだという茨城県在住の佐藤さんもそのなかの一人。「誤魔化し通すのではなく素直に病気であることを認め、区切りを付けるところに格好良さを感じました」と語り、同じくイヤモニを触る仕草は気になっていたとも述べた。BOΦWYの復活については「見てみたい」と答えた。

 イヤモニを触る仕草に気にかけていたファンも多かった。氷室の大ファンだという埼玉県在住の山岸夫妻も「以前から見られる光景でしたが、病気であることが明かされてから、もしかしたらあの仕草は…と感じました」と語り、「治る病気でしたらゆっくりと休んで頂き、5年後の30周年の時にもう一度姿を見せて欲しい」とライブ活動への復帰を願った。

 “聴覚障害”について氷室は前日の公演で「7年前から右耳の調子が悪い。効き耳は左なのでなんとかやってきたが、最近になって左耳もどこかのトーンだけが聞こえなくなった。これ以上ライブを続けていくは難しい」と説明していた。ファンが気にかけていたイヤモニを押さえる仕草は主に左手にみられていた光景。ただ、アーティストのなかには癖で触ったり、激しいパフォーマンスや汗などでずれて直すことも頻繁にあるため、その仕草が耳の不調に直結しているとは言いにくい。

 ところで関係者の話では氷室には、BOΦWY時代からのファンが多いという。取材のなかでもファン歴20年以上の人が多くみられた。氷室もライブで「こうして25周年走ってこれたのも沢山の連中が声援を送ってくれたおかげ。このキャリアを命がけでやってこれた」と感謝の言葉を送っていた。

 長きに渡り築き上げられた氷室とファンとの絆。氷室が掲げる美学「潔さ」、それをありのままに受け止めるファンの「潔さ」。全力で音楽に挑み続けてきた氷室だからこそ、ファンは今回の件を納得している様子だった。

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