柳楽優弥、三浦春馬さんは「タフ」 有村架純は「心地よい空気が流れる」
『映画 太陽の子』初日舞台挨拶
柳楽優弥、有村架純、黒崎博監督が6日、都内で行われた『映画 太陽の子』初日舞台挨拶に登壇した。
太平洋戦争末期に存在した「F研究」と呼ばれる“日本の原爆研究”を背景に、時代に翻弄されながらも全力で駆け抜けた若者たちの姿を描く。『青天を衝け』など多くの話題作を手がける黒崎博氏が脚本、監督を務める。
極秘任務に携わる科学者・修を柳楽、修とその弟がほのかな想いを寄せる幼なじみの世津を有村、修の弟で戦地で心に傷を負った軍人・裕之を三浦春馬さんが演じる。
撮影は2年前。「たくさんの思い出がある」と振り返る柳楽は「3人と監督たちと食事に行ったり、撮影していない時も距離感が役柄に似ている感じがあって」とし、なかでも印象深いのは川沿いを三浦さんと一緒に走っているシーンといい「春馬くんは体力がタフで僕がなかなか追いつかなくて、それがキャラクターとリンクしていて好きなシーン」
対する有村は、現場で感じた柳楽と三浦さんの魅力を明かした。
柳楽については「周りを巻き込む力がすごい方。自ら能動的に動くのではなく、そこにいるだけで周りが引っ張られる、勝手に吸い込まれる感覚があって、空気が変わるというのはこういうことなのかなと」
三浦さんについては「色んな空気、個性のある空気を全て調合して、また新しいものを作る雰囲気を感じて。春馬さんはきっとどんな所に行ってもみんなが気持ちよく場が流れていくというか、そういう気持ちを作られる役者さんだなと」
そう語り「2人とも素敵な役者さん」と称えた。
トークでは撮影のエピソードが語られるなかで、黒崎監督は「敵と味方の話を越えた先の人間の問題を観てほしくて日米合作にした。なんで春馬君がここにいないんだろうと悔しくて。でもこのスクリーンのなかに一緒に走った姿は残っている。柳楽君も有村さんも春馬君もみんなが言いたかったのは、生き抜くしかないストレートなメッセージ。それが少しでも届くと嬉しい」
有村は「先行きが不透明で考えるのも疲労してしまう状況ですが、考えることを諦めるのは心苦しい。春馬さんが日ごろから言っていた『僕らの仕事、役目は想像力を届けること』。私も皆さんも一緒に考えていけたら」
柳楽は、この日広島で行われた平和記念式典で小学生がスピーチした内容を引き合いに「個人も歴史も忘れていくことが一番怖い。こういう映画を通して伝えられることは平和への第一歩だと思う」とその意義を語った。