(C)2021「いのちの停車場」製作委員会

 吉永小百合が主演する映画『いのちの停車場』(5月21日公開)の予告映像と特別バージョンの予告が解禁された。

 吉永小百合をはじめ、類稀な演技力で日本アカデミー賞に輝いてきた松坂桃李、広瀬すず、そして西田敏行といった日本を代表する実力派豪華キャスト陣が出演。「在宅医療」に携わる医者・患者そしてのその家族たちを通して、“いのち”、“愛”、そして“いまを生きていく”、家族たちの願いを丁寧に描き出す。

 原作は都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家としてもNHKでテレビドラマ化もされ話題を呼ぶ「ディア・ペイシェント」(2018年刊行)を世に送り出した南杏子による「いのちの停車場」(幻冬舎文庫)。そして本作でメガホンを取るのは『八日目の蝉』(2012)や『ソロモンの偽証 前篇・事件 / 後篇・裁判』(2015)など数多くの名作を生み出し、日本アカデミー賞 最優秀監督賞をはじめ、モントリオール世界映画祭など名だたる映画賞を受賞する、日本映画界を代表する監督の一人である成島出。

 長年、東京の救命救急の現場で働いていたが、とある事件をきっかけに、在宅医療専門医として故郷・金沢の「まほろば診療所」で働き始めることとなった白石咲和子(吉永小百合)。今までの“いのちを救う”現場とは異なり、患者たちと身体の治療だけではなく、支える家族や患者たちの心と向き合うことの大切さに次第に気づいていく。「まほろば診療所」の院長の仙川徹(西田敏行)、看護師の星野麻世(広瀬すず)、咲和子を慕って東京からやって来た医大卒業生の野呂聖二(松坂桃李)たちに支えながら、いつしか咲和子自身も「いのちの在り方」「生きるという意味」について考えていく、というストーリーの本作。

 今回公開された予告映像では、咲和子をはじめとする「まほろば診療所」の4人が、7組の患者とその家族に向き合い、最期の一瞬まで“自分らしく”生きようとする患者の願いに寄り添う場面が描かれる。

 冒頭、儚くも美しい桜が舞う中、幼馴染の中川朋子(石田ゆり子)の問いに力強い言葉をかけ笑顔で自撮りに応える咲和子。続けて、ただ寝て食事をするのは生きていることじゃない、と言い切る病を抱えた芸者の寺田智恵子(小池栄子)や、難病を患う娘が「病院に見捨てられたんです」と泣き崩れる若林祐子(南野陽子)、最期の時を平穏に過ごしたいと願う宮嶋一義(柳葉敏郎)、在宅医療を望む愛する妻とともに暮らす並木徳三郎(泉谷しげる)など、それぞれの生き方で賢明にいのちと向き合う患者と、思いを抱えた家族たちの姿が映し出されている。患者それぞれの願いと家族の愛の形に寄り添いながら「まほろば診療所」に集う面々は、医療やいのちとは、自分たちができることは何かを深く考え直していく。

 映像の終わりに差し掛かり、患者とその家族を支え優しく包み込む咲和子のあたたかさと、朝日を見つめ涙する姿に、患者との悲しい別れだけではなく、その中に芽生えはじめる掛けがえのない、暖かな“何か”を感じさせてくれる。医師たちのあたたかな思いとその覚悟、そして患者とその家族が互いに大事に思い、愛し合うからこそ向き合うことで見える「いのち」の新たな希望を描き出します。 予告には、多くの人から愛され、その厳かな響きと神からもたらされる恵と希望が歌われた名曲“Amazing Grace”が使用され、より予告編を盛り上げている。

 予告とは別に若い2人(松坂桃李、広瀬すず)を通し、あたたかな感動を楽しみにして欲しいとの願いから特別バージョンも解禁。

 <いのち>に向き合えず医師になれなかった青年の野呂と、事故で家族を失い<いのち>を見失った看護師の麻世の若い2人。大切な何かを見失った、2人が偶然出会った「まほろば診療所」で出会ったのは、健気に患者と向き合う医師・咲和子の姿。
 そして小さな体で懸命に生きようとする少女の<最後の願い>に触れ、次第に彼らは失った大切な何かを取り戻していく――。

 少女をやさしく、時に涙をこらえ見つめる麻世の眼ざし、そして涙をこらえることなく感情のおもむくままに一心にみつめる野呂の眼差しは、苦しくて、優しくて、時に、あたたかで、次第に彼らと共に、この時代に失った大切な何かを想いださせてくれる。

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