W主演する渡辺えり(右)と八嶋智人

 渡辺えり、八嶋智人が7日、都内のホテルで、W主演舞台『喜劇 お染与太郎珍道中』(2月1日~17日・新橋演舞場、2月21日~27日・南座)の制作発表会見に臨んだ。

 昭和54年3月に明治座で『与太郎めおと旅』という題名で初演され、同年10月に名古屋中日劇場で再演された人気喜劇。作家の小野田勇が稀代の喜劇俳優・三木のり平とタッグを組み、落語の噺を中心に、さらに歌舞伎のエピソードも加えてドタバタ珍道中に仕上げた。

 主演する渡辺えりと八嶋智人はこれまでも舞台や映像で共演しているが、喜劇は初共演となる。

 渡辺は山形出身で八嶋は奈良出身。渡辺は「ものすごくいじってくる。私は生真面目な東北人なので、それを活かしていいのか、それも忘れてやった方がいいいのか今も悩んでいる。二言、三言多い」と苦言。

 それに対し、八嶋は「日常が喜劇状態。お芝居では僕の方がボケる役割で、渡辺さんがツッコみ。普段とイメージが違う形で舞台では見せていけたら。喜劇の名をうたわなくても我々の存在が喜劇」と笑い、胸を張った。

 渡辺が演じる、お染は大店の箱入り娘でわがまま放題に育ったグラマー美女。25歳の設定だ。そのため渡辺は「役作りで我がままにさせて欲しい」と懇願するものの、ドジでおっちょこちょいの手代・与太郎を演じる八嶋は「それ自体が喜劇。わがままはいつもですよ」と笑い返した。

 それに対し、渡辺は「私は普段、知的でクール」と言いつつも自らにやけてしまい、八嶋も「自分で笑っている」とツッコみ。それでも渡辺は「可愛くやりたい」と甘えると「チャーミングでしょ!」と笑顔。夫婦漫才のような掛け合いで笑いを誘った。

相性の良い掛け合いで笑いを誘った

 コロナ禍で緊急事態宣言下での上演になる見通し。対策を徹底した上で実施されるが、渡辺は昨年1年を通して「演劇など娯楽が精神面を癒す役割として大事であることを再認識しました」とし、「コロナ禍で鬱状態の精神に追い込まている。この作品は喜劇で人情もの。ここで大笑いして楽しんでほしい」と感染症予防対策を徹底した上での上演で楽しんでほしいと呼びかけた。

 八嶋も「歴史を振り返っても演劇はなくならかった。それは人間には必要なものだということだと思います。劇場があいていれば役者はやるだけ。まわりは感染対策をものすごく努力しています」と万全の体制で臨む決意を新たにした。

 会見を終え、ステージを去り際、感染防止用アクリル板の存在を忘れ顔をぶつける渡辺。それをみてしてやられたりの八嶋は「やられた!」と大笑い。“喜劇”のような会見を笑いで締めくくった。

 舞台にはほか、太川陽介、宇梶剛士、石井愃一、深沢敦、春海四方、石橋直也、三津谷亮、有薗芳記、一色采子、広岡由里子、あめくみちこ、そして西岡徳馬が出演する。

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