C SQUARED「曲の色をどこまでも濃く」ジャンルを超える音楽への追求心
INTERVIEW

C SQUARED

「曲の色をどこまでも濃く」ジャンルを超える音楽への追求心


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:20年10月22日

読了時間:約9分

 C SQUAREDが23日、EP『LOVENVY』をリリース。2014年に活動をスタートしたC SQUAREDはTomoya(Vo)、カト・シン(Gt)、KEN(Ba)、ユースケ・イスタンブール(Dr)の4人組バンド。2019年までに6シングルと1アルバムを自主リリース。2017年12月に「musicるTV」主催のイベント「night trip」へ出演。2018年9月に日韓合同フェス「Music and City Festival Vol.1」に出演し、韓国のソウル、11月には渋谷WOMB開催の日本公演へも出演。2019年12月には東京・渋谷eggmanで初のワンマンライブを開催。今年7月に「NW2M」(ナッシング・ロング・ウィズ・ミー)、9月18日に「Bayshore Route」のシングルをそれぞれ配信リリース。インタビューでは今年リリースされた両シングルやEP『LOVENVY』についての話題を中心に、C SQUAREDのバンド像について迫った。【取材=平吉賢治】

C SQUAREDのバックボーン、自粛期間中の想い

――C SQUAREDのバンド名はTomoyaさんがLA留学中に音楽仲間と「いつか日本を代表するバンドになって戻ってくるぞ」という思いから、「日本の国旗」→「紅蓮の丸」→「CRIMSON CIRCLE」→「CC」→「Cの2乗(SQUARED)」→「C SQUARED」という由来だそうですが、そんなみなさまが強く影響を受けた音楽、アーティストについて教えてください。

Tomoya ルーツはMichael Jacksonです。小さい頃母にMJの映像を何度も見せられているうちにこんな風になりたいと思ったのを覚えています。そして小さい頃からダンスをやっていたのでHouseやHip Hop、R&Bなど様々なダンスミュージックを聴いて育ちました。そんな中、中高生くらいの時初めてバンドサウンドに触れて、バンドに目覚めました。そこから日本のバンドはメジャー/インディーズ問わずほぼ全て聴いたと思います。その後バンドとダンスを融合出来ないのか、と考えていたときにMaroon5やBruno Marsを聴いたのが今の音楽と繋がっていると思います。

カト・シン Princeです。

Ken Arctic Monkeys、Maroon5、B'z、The Back Hornです。学生時代から特にオルタナティブロックが好きで主に先述のアーティストから影響を受けてきました。ただ幼少期の頃はJPOPを主に聴いて育ってきたので、根底にはPOPSが好きというのがあります。

ユースケ・イスタンブール アーティストでは絞れないです。音楽外からもたくさんの影響を受けています。

――本作はコロナ禍という特殊な期間でのリリースですが、制作面で通常とは異なる点はありましたか。

Tomoya 制作に関しては基本的に僕がほとんどDTMで作って、足りないところや追加のアレンジをメンバーと行うスタイルなのでコロナ渦の中でそこまで大きな変化はありませんでした。コロナ渦が理由ではないですが、本作では今までの”クリアでシンプルな音源”ではなく、リスナーの方が音源を聴いて僕達のライブを想像出来る様に生楽器を増やしたり、またあえて荒削りな部分も残したりして、より音源をライブに近付けました。

――コロナ禍という時期になり、みなさまがそれぞれ新たに感じたことや発見などがあったら教えてください。

Tomoya 感じた事は何よりもライブが出来ることの有り難みです。ライブが生き甲斐の僕にとってコロナ期間の序盤はもぬけのから状態でした。ライブが出来るからこそ作曲にも力が入っていたので。でもこの期間でサブスクの再生回数が世界中で伸びたり、音楽は常に求められていて、配信リリースという形で簡単に求めている人に届けられるツールがあると言う事は改めて素晴らしい事だと思いました。見えないものは誰でも怖いです。明暗順応。長い真っ暗なトンネルも時間が経てばきっと目が慣れて、いつか光も見えてくると思います。コロナ渦の長いドライブの中、一切の懸念を抱く事なくライブが出来るいつかその日まで、僕たちのEPが少しでも心の支えになればと今は思っています。

ジャンルの垣根を超えたバンド

――『LOVENVY』はエレクトロミュージックやソウル、HIP HOPなど、様々な音楽性を含む作品と感じました。EPとしてのコンセプトとしてはどのような想いがおありでしょうか。

Tomoya 一昔前なら当たり前の事だったかもしれないけど、今ジャンル(あらゆる垣根)に縛られて表現の幅を狭めてしまうのは余りにも時代遅れでナンセンスな事だと思います。服に例えるなら、ジャンルに執着するということは、~系以外は着ないみたいな人と似てる気がします。そういう人達をディスってる訳じゃなく、僕の場合はボロボロの古着でもカッコよければ買いますし、ハイブランドも買います。勿論2つを着合わせた方がカッコよければそうします。
ジャンルに拘らない方がもっと表現出来る事が多くなって、多くの人に聴いてもらえると思っています。

 1つのジャンルに執着してる人が僕たちの1曲を聴いて、そこからアルバムを聴いて他のジャンルを好きになってくれたらよりそのリスターの音楽の世界も広がる思います。そして何よりソングライティングにおいて曲の色をどこまでも濃くするためにジャンルレスになったと思います。
ジャンルの垣根を超えたバンド”C SQUARED”がリリースするニューアルバムそれが”LOVENVY”です。

――ビートから、歌詞から、コード感から、メロディからと、様々なスタイルがあると思われますが、本作の制作は主にどのように進行していくのでしょうか。

Tomoya 基本的にトラックから作ります。ベースラインから、コードから、ビートから、メロから、というのは曲毎に違います。ただ「あ、ここから作ろう」とか「これは良い」と思えるフレーズが思い浮かべばそこからは直ぐです。数時間~1日あればフル尺デモが完成します。そこからメンバーとああだこうだ言いながら試行錯誤して完成に持っていく感じです。歌詞は大体後付けです。曲を聴いて1番曲の雰囲気に近いテーマを選びたいからです。メロ先行で曲ができる時はメロと一緒にテーマとなる歌詞は浮かびますね。

――本作のサウンド面について、個人的にはリズム面、ドラムとベースのビートの強さやギターのカッティングなどの鋭さ、清涼感のあるシンセサイザーのサウンドがクールと感じました。各パートで、みなさまがそれぞれ特にこだわった点は?

Tomoya 全体を通して荒削りでソウルフルなボーカルにする為に綺麗に歌い過ぎない事を意識しました。ピッチが完璧で聞こえの良いテイクよりも曲に入り込んだエモーショナルで荒いテイクを優先して選びました。Won’t Give UpのラストのI won’t give upを何度も歌う部分やCHEATERのCメロ部分はかなりエモくなったのを覚えています。

カト・シン 今までは歪みのギターをあまり入れていなかったんですが、今回は積極的に入れて今までよりも1曲の中でのダイナミクスをより感じてもらえるように考えました。各曲それぞれ個性がすごく、それに合わせて多方面からアプローチしてみたので是非カト・シンのギターも堪能してください!

Ken epを通して楽曲によって打ち込みのベースと生ベースで使い分けをしています。どの楽曲もデモ段階で一度生ベースでも弾いてみて、メンバーと相談をしながらより楽曲の雰囲気と合う方を選定していきました。特に打ち込みの楽曲はライブでの違いを大きく感じられると思うので、その点も楽しみにたくさん聴いてライブにも是非遊びにきてほしいです。

ユースケ・イスタンブール 基本は打込みが主体ですが、そこに生ドラム加えることで迫力を出しています。

――歌唱面について、メロディアスでありながらリズミックな歌唱のグルーヴという点にも注目しました。歌について特に力を注いでいる点は?

『LOVENVY』ジャケ写

Tomoya 歌を歌っているという感覚を捨てることです。曲そのものが歌っているようなイメージで感情移入し、エモーショナルな歌になるよう心がけています。

――歌詞について、「NW2M」に込められた想いは?

Tomoya “絶対にやりたい事を必死で追う人に間違いはない。誰に何を言われようと自分の信じた道を突き進んで欲しい。”というメッセージです。結局何をしてもとやかく言われる世の中なら自分の好きな事をやって、その批判すらも糧にして突き進んで欲しい。その批判はカッコ良すぎる自分への嫉妬やと思ってどんどん浴びせてくれってくらい勘違いしてやって欲しい。誰しもが隣の芝は青く見える。特に目立てば目立つほど人の目に付いてしまう。その人が魅力的であればあるほど批判は増えてくかもしれないけど、それって気持ち良い事じゃない?そう思って書きました。

――「NW2M」同様にデジタルシングルとして配信された「Bayshore Route」の歌詞にはどのような想いが込められていますか。

Tomoya 好きな女性を今夜こそ落とそうと乗り出したドライブで曲の盛り上がりと共に二人の距離が縮まっていくというラブソングです。昔アメリカで好きだった女性とドライブして必死に落とそうとしてた時期を思い出しながら書きました。片想い中の異性とドライブしてる時に是非この曲をかけてみて欲しいですね。この曲が恋のキューピットになればもっと嬉しいです。

――「NW2M」や「Bayshore Route」のMVではダンスのシーンも印象的と感じました。ライブなどでもダンスは大事なポイントとなってくるのでしょうか。

Tomoya ダンスとバンドを僕からとったら何も残らないような生き方をしてます。
小さい頃からダンスに没頭してきました。当時はかなり生意気なガキンチョだったのでダンスで天下を取るのは簡単だからもういいやって思ってた時にバンドに出会い、バンドを始めました。
でも見ての通りバンドでは大苦戦してます(笑)。ダンスとバンド、この2つに僕の人生の殆どを費やしてきたので、ライブで踊る事は僕の生き方を肯定すること、存在証明するような感覚です。

モチベーションは何よりファンの存在と支えてくれる仲間への恩返し

――音楽以外のカルチャーで特に関心のあることは?

Tomoya 音楽以外なら格闘技や料理、ワインに関心があります。ライブのモチベーションを上げる為によく格闘技の試合や好きな格闘家のドキュメンタリーを見ますね。料理は昔イタリアンで働いていたこともあって週に4回はパスタを作ります。そしてワインも好きで将来は自分のワイナリーを持ちたいと思っています。最近の日本の音楽はカッコいいものが沢山出てきていて、何を聞くか探さずに済むので嬉しいです。ただ基本1人の時はジブリやディズニー、ゲーム、アニメのジャズアレンジのピアノトラックやAmbient R&Bなどリラックスできる曲をよく聴いています。

カト・シン 自粛期間をきっかけに自炊する事が増え、料理にハマってます。特に肉をいかに上手に焼き上げれるか毎回奮闘してます。

Ken 音楽以外でハマっているのは映画へ行くことです。コロナ禍の影響で半年振りに劇場で「TENET」を観てきたのですが、冒頭すぐからの緊迫感、大音量のBGMと一瞬で世界観に引き込まれる感覚は家では決して感じられないなと改めて思いました。

ユースケ・イスタンブール お酒です。

――みなさまの音楽活動のモチベーションとなることは何でしょうか。

Tomoya モチベーションは何よりファンの存在と支えてくれる仲間への恩返しです。
あとはより良い音楽環境でもっとレベルの高い曲を作りたいという制作意欲です。

カト・シン この世に音楽が存在するという事自体がモチベーションですね。

Ken 音楽が好きというのがもちろんですが、何よりは楽曲リリースの度にリアクションをしてくれて、ライブを行えば遊びにも来て頂けるファンの人達の力が1番大きいですね。今後はその機会をより設けられるようにすることが特に今のモチベーションとなっています。

ユースケ・イスタンブール ライブをより良くしていくことに関してです。

――最後に、C SQUAREDさんの今後の展望をお伺いします。

Tomoya 日本で誰もが知っているバンド、日本一のバンドになりたいです。その為に一段一段階段を登っていきます。

(おわり)

ライブ情報

2020.11.01(sun)

EP"LOVENVY"ReleaseParty

Livestream Start20:00

on C SQUARED official YouTube account

Tickets:FREE

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