TOKYO MXの中継番組『2020年夏季 東・西 東京都高等学校野球大会(東京大会)』のテーマソングにNEWSの「Endless Summer」が使用されている。6人体制時代から歌ってきた「エンドレス・サマー」を「Endless Summer」という名で歌い続けるという意義を、球児たちの想いに重ねて分析していく。

新生NEWSと重なる球児の姿 だからこそ伝わる想い

 「Endless Summer」は、2010年に発売された4thアルバム『LIVE』に「エンドレス・サマー」として収録されていた楽曲。シングルカットされていないが、ベストアルバム『NEWS BEST』におけるファン投票で1位となった人気曲だ。

 今回テーマソングになることが決定し、再レコーディングが行われ、タイトルもカタカナ表記から英語表記に改められることになった。6人体制の時代から形が変わっても披露し続けてきたこの楽曲が、新体制となったNEWSのスタートの曲となった。

 さまざまな苦労を乗り越えてきたNEWS。ただ、そんな過去を否定するのではなく、乗り越えてきたものを自分たちの糧としながら前に進んでいく。「エンドレス・サマー」という名前で上書きするのではなく、「Endless Summer」に名前を変えて、新たなものを作り出す。

 かつて、<いつもくだらないモノに名前付けて タカラモノと呼んでいた/あの日のままに生きていけたら…そう願うのでした>と歌い合った仲間たちの想いも大切に抱えながら、前に進んでいく。この改名からは、3人のそんな想いも伝わってくるようだ。

 『第102回全国高校野球選手権大会』が、新型コロナウイルスの影響で中止が決定。刹那である青春を甲子園に出場するという夢のために捧げてきた球児たちの無念は計り知れない。しかし、形を変えてもやり続ける。甲子園が中止になってしまっても、代替大会であるこの大会(MXでは東京大会)のために努力を続ける球児の姿が、今のNEWSと重なるような気がする。だからこそ、彼らが歌うことで球児の心に響くものがきっとあるはずだ。

青春を回顧する楽曲が現役高校生にマッチするエモーショナル

 <あこがれというおもちゃの羽根で/飛べる気がしてた>や、<はみ出したまま生きていけると大袈裟に言ってみたけど/大胆なほど未来はすぐに変わらなかった>など、青春時代にありがちな気の大きさを回顧しているこの楽曲。大人目線のはずなのに、青春真っ只中の現役高校生にマッチするのが、この楽曲のエモーショナルな部分だ。

 1番のBメロ、<追いかけるたびに遠ざかってく 虹のようなあの日々は/輝きだけを胸に残し 終わりを告げた>で伝わってくる、青春の日々の儚さ。特に、今の学生たちは、これを痛感していることだろう。大人にならないと分からないはずだったこの楽曲の儚さが染みるのも、今の学生ならではだと思う。

 また、その後のサビでは、<まだ夢に夢見た季節が心にあるから/僕らは行くよ もう一度 輝く自分を探す旅>と歌っている。この部分は、球児たちの心情を表しているかのようだ。そして、<やがて僕らがありふれた大人になっても/扉はいつも きっと あの夏に繋がっているから>。球児にとって、全力で駆け抜けた今年の夏が「あの夏」となりますように、と切に願う。

 今のNEWSだからこそ伝わる「Endless Summer」がきっとあるはずだ。彼らには、歌で想いを伝える力がある。この状況下でもひたむきに努力を続ける高校球児たちに、熱い魂を届けて欲しい。【文・かなぴす】

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