SNS動画は一種の路上ライブ
――ご本人からの反応もあるのですね。「みずいろの恋」のレコーディングやミュージックビデオ撮影はいかがでしたか。
緊張しました。主人公の女の子の気持ちを歌っているので、「まっすぐな感じ」とかディレクションも頂きました。
――そのなかでもLUNOさんの色はしっかり出せた?
歌っていくとだんだんわからなくなっていく部分もありましたけど、ディレクションして頂き自分の色を出せたと思います。
――SNSやウェブに投稿する際、撮りかたにもこだわっている?
はい。服は毎回変えたりしますし、編集はスマートフォンでやっています。音もリバーブがかけられるアプリがあるんです。
――そうなると、動画ファイルをPCに落として編集したりするのではなく、スマートフォン1台で発信しているのですね。
そうなんです。
――LUNOさんのような手法でここまで出来てチャンスに巡り会うという今回のアクションは、音楽発信の場の可能性を大きく感じます。
一種の路上ライブだと思います。例えば特定の場所で路上ライブをやると、そこにいる場の人にしか観てもらえないですけど、ネットだったら色んな場所から色んな人に観てもらえるので。
――例えば、路上ライブだったら「この駅だったらこういう年齢層が多いからこの曲を」という、マーケティング的な思考が出てくると思うんです。そういったことをLUNOさんはネット上でやっていると先ほどの楽曲選別基準のお話で感じましたが、そこはロジカルに意識しているわけではない?
そういうのも色々考えて選曲していましたし、あとは自分のキャラクターとかです。声だけではなくとにかく自分を知ってもらうためには、動画のNGを集めて面白く編集して上げたりしました。それだと自分のキャラクターも伝わるので定期的にやりました。そうするとキャラが好きで自分のことを知って頂けることもありますので(笑)。
――そこまで自身を客観視できるのも凄いですね。
とにかく母数を増やして知ってもらうということだったので。お客さんとかを選ばずにとにかく集めるということをしていました。
――歌いかたについては独学でしょうか。
まだ模索中なんです。千本の動画でも最初の頃と真ん中の頃と今と、全部声が違うんです。歌っていくなかで探していく感じです。
――ちなみに、楽曲をカバーする時は耳でコピーするのでしょうか。
何かを参照する時もありますけど、新しい曲は耳コピです。MVが出た日とリリースの日は違ったりするので。やっぱりMVが出た日に反応があるんです。
――直接LUNOさんのTwitterで観る、という以外のルートで視聴者が集まる場合もありますか。
今まで歌ったものをまとめてYouTubeで投稿してくださる方もいるんです。たぶんそれがきっかけでYouTubeからくる時もあります。そういうルートで来て書かれるコメントって全く知らない人なので、第三者の意見というか、そういう方が褒めてくれると特に嬉しいです。
――LUNOさんのフォロワーではなく、歌に惹かれて来た方だから客観的な意見かと思います。
最も世論の目というか(笑)。
――逆に、ひどいアンチコメントなどを目にすることは?
見るとずっと根に持ちます(笑)。気になっちゃうので見ないということはないので、そういうのを見ると落ち込みます。
――メンタル的にどう対処している?
例えば「歌が下手」と書かれたら、「じゃあ歌が上手くなったら好きになってくれるんだな」って考えます。
――一ユーザーの意見として捉えるのですね。
めちゃくちゃ落ち込むんですけど(笑)。逆に、「そうじゃなかったら好きになってくれるんだよね?」というある種の圧みたいなの生まれるというか。
――強いですね(笑)。
本当はそういうコメントより、自分を好きでいてくれる方を大事にするほうが良いと思うんですけど、やっぱり気になっちゃうので。
――賛否や良し悪しの意見より怖いのは無関心かもしれませんね。
それはもう「興味がない」ということかもしれません。
――最後に、現在シンガーソングライターとして活動されていますが、これからチャレンジしていきたいことは何でしょうか。
今はカバー曲を千曲上げたということがあるんですけど、今度はカバーされる側の曲を作っていきたいのが第一にあります。「この曲」と思える曲をどんどん出していくことに今は専念したいです。
(おわり)



