般若が伝えたいこと「人生は冗談。楽しんだ方がいい」
INTERVIEW

般若が伝えたいこと「人生は冗談。楽しんだ方がいい」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年12月27日

読了時間:約8分

求心力

――ヒストリーチャンネルで密着を受けようと思った経緯は?

 ヒストリーチャンネルさんの情熱を受けて決めました。ちょうど去年の12月頃お話を頂いて。でも、俺より成功している人はいるわけで、自分が伝えられるものって泥臭かったりすると思うんですよ。そんなに成功していると思ったことはないですし、派手な事をやっているつもりもない。正直、「俺がですか?」という感じでした。「そんな俺でも良ければ」って感じです。でも、面白いものが作れそうな気はしました。

――密着番組を見てヒップホップをやり始めた中学生時代から気持ちの上では変わっていないような感じを受けました。

 正直、そこまで何も考えていないですよ。目の前のことを精いっぱいやってきたという感じだったから。難しいこと、「こうしなきゃいけない」という細かいことは考えていない。でもキープしていきたい、という気持ちはありますよ。楽曲を出して、ライブをやって、というのは古臭い考えかもしれないけど、それが音楽をやっている人の基本的な聴いてもらう人たちへの答えだと思うので、そこはブレたくない、それが変わっていないところかもしれないですね。

場面写真(C)2019 A+E Networks Japan G.K. All Rights Reserved.

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――10代の頃と今とではネット環境も含めて劇的な変化をしていて。昔の方が良いなと思う時もあります。

 それは、俺も感じるときはあります。俺らの時は、出来上がっていないのがどんどん変化して生まれていった時代。ポケベル、PHS、携帯電話という変化も見られたし。今の人は、公衆電話の掛け方も分からない。子供がスマホをスクロールする時代だから。逆に言うと、生まれた瞬間からこれがあるというのはすごいこと。でも、ここから2、30年したら色んなものが変わっていると思うんですよ。だけど俺のなかでは歌詞を書くというのもゼロからという意識。なので、その作業だけは変わってないんですよ。ツールが変わるかもしれないけど、根本的なことは変わらない。僕の作り方が古いのかもしれないけど。スマホをボーカルブースに持って行って、レコーディングすることは出来ない。いまだにノートに書いているんですよ。そうじゃないと作れないよ。こればっかりは染みついているものなので仕方なくて。

――スマホで打つのと手で書くのとでは出てくる言葉も変わってきそうですね。レコードとかが流行っていますが、そういうものにまた温もりを求めているような。

 それはあると思います。流行というものは、繰り返しだと思うんですよ。いつかまた当時流行っていたものがまた流行る。

――そういうアナログ的な人の温かみも含めて、般若さんには求心力があると思います。ご自身はどう思っていますか?

 正直、そればっかりは分からないけど、自分自身がかっこいいことが出来ないことを知っているし、自分にできることは決して多くないんだろうなと感じて、臨んでいます。なので、一生懸命やるということしかできない。だから一生懸命にやっています。自分の中でも考えることは沢山ありますが、曲を書いてレコーディングをして、全然ダメなときもあれば、バチッとはまって「よっしゃ! やっぱ良い!」と思う時もある。その後者があるからやめられない。

――その一生懸命さが般若さんの魅力でもある気がします。

 本当に自分自身が「才能がある人間だ」とは一度たりとも思ったことはなくて、どこか一個の能力が突出だけだと思うんです。その突出した特殊能力みたいなものがどこにハマるかが大事で、それを探して試行錯誤しているような感覚です。

――般若さんもいじめに遭ったことがある、と告白されていますが、いまいじめとかで苦しんでいる人がいたら、どういうメッセージをかけますか?

 時代が変わっても「いじめ」はずっとあると思うんです。いじめの種類にもよりますが、「気にするな」と言いたい。それと「やり返していいよ」と。俺はやり返してきた。でも、俺みたいなやり方をすると歪んじゃうからさ、ちょっと注意が必要なんだけど(笑)。そういう人との関わりを一切絶つのが一番。ただ、それが学校だと、どうしても難しい。だから、体を鍛えたり、格闘技をやったり。やり返すにしても中途半端ではダメだから徹底的にやる、それは俺の考えです。

――先ほど突出している部分とありましたが、一般的には凹んでいる部分、弱点を見がちですよね。

 バツ、マイナスをつけるのは簡単だと思うんですよ。マイナスって、ずっとつけていったら、ずっとマイナスじゃないですか。だったら、ちょっとでもプラスなところを自分にも相手にも探してあげた方がいいと思う。「ここがダメ」と言うのは簡単な事。長所を見つけるのが一番いいです。自分にも相手にもそれが出来たらいいと思います。

――最後にメッセージを。

 できる範囲で頑張ってほしい。どんな人間だって、永遠に全速力で走られるわけがない。だから、サボるのではなくて、力を抜くところは抜いていいと思うんです。じゃないと、心も体ももたない。走るために、ちょっと休むときは必要だと思います。続けられる範囲でやっていったらいいと思うんですよ。世の中は強い人と弱い人で括ったら、弱い人のほうが圧倒的に多いと思う。だから、訳わからない事件も起こるし。不安同士で集まると、不安が増長するだけ。あとは「夜は絶対寝ろ!」と言いたい。日が出ている時間に行動するべきです。そのほうが、いい時間の使い方ができる。

般若

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番組情報

『music Bean #001 般若』
12月30日(月)23:00~、31日(火)21:00~ヒストリーチャンネルにて再放送

music Bean #001 般若

視聴方法

(おわり)

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場面写真(C)2019 A+E Networks Japan G.K. All Rights Reserved.
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