愛知県出身・在住4人組バンド緑黄色社会が8月30日、自身初の映画主題歌となる配信シングル「想い人」をリリースした。高校の同級生だった長屋晴子(Gt、Vo)、小林壱誓(Gt、Cho)、peppe(Key、Cho)の3人と小林の幼馴染であった穴見真吾(Ba、Cho)により2012年に結成。昨年11月に3rdミニアルバム『溢れた水の行方』でメジャーデビューした。映画『初恋ロスタイム』(9月20日全国公開)主題歌の本作は「自分ではない誰かを愛しく、守りたいと思う気持ちを込めた、力強く優しい、リョクシャカ至上最もエモい」というもの。メンバーの4人に本作に込められた想いと、メジャーデビューしてから約1年が経った彼らの変化や今の心境を聞いた。【取材=平吉賢治/撮影=村上順一】
「表現者として色んな一面を」
――メジャーデビューから1年弱が経ちましたが、近況はいかがですか?
小林壱誓 とにかく前向きに曲を作ったりライブに打ち込むしかない時期だと思っています。個人の技術を上げたり、色々と引き出しを増やしていこうとしています。
――どのように引き出しを増やしていますか?
小林壱誓 とにかく聴いて、弾いて、というのしかない気がします。今までは頭の中でフワっと鳴っているものを、絵を描くような感じだったんですけど、それだけではいけないのかなと思いました。
穴見真吾 僕も引き出しに繋がる情報収拾は好きです。メジャーデビューして、ということに関しては映画『初恋ロスタイム』主題歌タイアップというのはメジャーならではなのかなと思います。そういった実感がありつつも、自分はもっと自分でいたいというマインドになっています。タイアップだったら、「こういう話だからこういう曲を出す」とか、その枠の中でもより自分をどう出すかと。そういう意味でも小林が言ったようにインプット作業は必要になってきています。
――長屋さんはどのように音楽的なインプットをしますか?
長屋晴子 私は真吾と違って、色々なものを受け入れるのが苦手なタイプなんです。現状で新しいことができているかと言われたらそうでなくて。その中でどうやってバンドに昇華しているかというと、自分の経験などが多いです。表現するのもなかなか上手くいかないというか、自分の気持ちを出すというのが苦手で。まだ出しきれていない自分の知らない一面があると思うんです。だからまずアウトプットの方をしたいと思います。
――アウトプットは難しさも伴いますよね。
長屋晴子 「何かを明かす」というのは勇気も要ると思います。まだ知らない自分の一面も見つけたいし…人前で自分を出すというのが苦手なんです。だから表現者として色んな一面を出していけたらなと思っています。
――自身でも認識していない自分の一面がある?
長屋晴子 実際、このバンドを活動して8年くらい経ちますが、その期間で変わってきている実感はみんなあると思います。以前は自分のことを話さなかったりしたんですけど、それを歌詞に表したり、ちょっとずつ話すようになりました。歌詞もだんだんと素直な気持ちを出すように変わってきています。
――peppeさんの表現者としてのスタンスは?
peppe 新しいことをするというのに恐怖はあまりなくて。そのときの雰囲気で生きてきてしまったので(笑)。
――アドリブ派?
peppe ピアノはアドリブじゃなくて楽譜派なんですけど(笑)。普段の生活は本当にフィーリングでして。言葉で表すというか、顔、声、とかで表すんです。音楽の部分でも、みんなと音を合わせているときが凄く楽しいんです。ちょっと暗い気分でも音を鳴らせばパーンと!
――peppeさんの音楽のルーツは?
peppe ピアノはクラシックしかやっていないです。
――それで“楽譜派”なのですね。
peppe はい、レコーディングの時も一度楽譜に起こします。コード譜とかではなく、全部音符で書くんです。
――コード譜ではあまり書かれない「フォルテ」の記号など、クラシックの楽譜的に書く?
peppe 全部書きこみます。そういうのが好きなだけなんですけど(笑)。
――バンドのみなさんで共有する楽譜とは別の楽譜を書くのですね。
穴見真吾 peppeだけの楽譜があるんです。
――それをそのままバンドスコアとして作成できそうですね。
peppe すぐ出せますね(笑)。
――自身が書いた完全監修だから絶対間違いないという(笑)。
peppe みんなそうやっていると思ってなかったんですけど、そうでもないみたいで。
――もしかしたら少数派かと思われます。
長屋晴子 サポートミュージシャンの方は譜面に起こすことはあると思うんですけど…。
穴見真吾 オタマジャクシで全部というのは少ないと思うよ?
peppe 楽譜を書くのが個人的に好きなんです(笑)。





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