岩崎宏美・良美姉妹、9年振りデュエット「混ざるとどっちかわからない」
岩崎宏美
歌手の岩崎宏美が、妹・岩崎良美と9年ぶりにデュエット。米女性ボーカルグループ、ザ・スリー・ディグリーズの「にがい涙」をカバーした。8月21日発売のアルバム『Dear Friends VIII 筒美京平トリビュート』で実現したもので、MusicVoiceの単独取材に応じた宏美は「完成した音源を聴いたら声が似ていて混ざっちゃって、どっちが歌っているかわからないくらい」と笑みを見せつつ、一緒に聴いていた幼い頃を思い出していた。
来年4月に歌手デビュー45周年を迎える。同アルバムは、ジャパニーズ・ポップスの名曲をカバーしたシリーズで、2003年からこれまでの間に7枚をリリース。今作は、セルフカバーを含む筒美氏作曲の10曲を収録した。
良美とデュエットしたのは、米女性ボーカルグループ、ザ・スリー・ディグリーズの「にがい涙」。良美とのデュエットは、同作シリーズの第1弾から第5弾までおこなっていたが、第6弾以降はなく、第5弾に収録の「恋のフーガ」以来9年ぶりとなる。
この曲を選んだのは「当時からザ・スリー・ディグリーズやザ・シュープリームスが好きで、コーラスグループを結成してみたかった」と憧れがあったといい、9年ぶりの姉妹の歌唱については「一緒に歌うのは久しぶりだったけど、やっぱり呼吸が合うんです。完成した音源を聴いたら声が似ていて混ざっちゃって、どっちが歌っているかわからないくらい(笑)。幼い頃に送り迎いの車中で、姉妹でベッツイ&クリスやザ・ピーナッツを一緒に歌っていた時の感覚が蘇った」という。
その「にがい涙」のデュエットでは、今までメインパートの歌唱だった良美もコーラスを担当した。宏美は「分担して出来るようになったことが嬉しかった」と語った。
また、今作ではセルフカバーとして「恋人たち」を選曲した。歌うにあたっては、当時のイメージを崩さないように心掛けたといい、当時は気づかなかった歌詞の意味も今ではより深く理解。深く思いを込めて歌った。
そして、最後に収録されている「センチメンタル・ブルー」は作曲家・筒美京平氏がお気に入りの楽曲だ。
そもそも、筒美氏との出会いは1975年のデビュー曲「二重唱(デュエット)」にさかのぼる。「穏やかな方でした」という印象を抱いた筒美氏はいわば育ての親。筒美氏は1980年リリースのロスでレコーディングした9枚目のアルバム『Wish』で全曲を手掛けた。
今作の選曲に関しても数ある“筒美京平作品”の中から選んだ。基準は自分が歌える歌。デビュー当時に筒美氏から「これから歌っていくにあたり、高音を褒められると思うけど、あなたの魅力は中低音にあるという事を忘れないようにね」という言葉を心に刻んでここまで歌ってきた。
歌手として今後どこを目指すのか。今一番大切にしているのがレコーディングとコンサートだという。「皆さんの前で元気な姿を見せながら歌を聴いていただきたいというのが一番で、CDのように形に残るものは丁寧に作り続けていきたい」。
歌と真摯に向き合ってきた先にあるのは歌手45周年。それを崩さずにを今後も歌に真摯に向き合い迎えたいという宏美。9月14日からはツアー『もうすぐ45周年!岩崎宏美コンサートツアー~残したい花について~』が地元東京・ティアラこうとうからスタートする。
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