堤真一、橋本良亮ら、35人のオーケストラとの舞台共演に「難しい」「驚異的」
堤真一と橋本良亮(A.B.C-Z)が初タッグを組む、俳優とオーケストラのための戯曲『良い子はみんなご褒美がもらえる』初日前会見が19日、TBS赤坂ACTシアターでおこなわれた。
本作は、日本でも多くのファンを持つ英国劇作家のトム・ストッパード氏が、俳優とオーケストラの為に書き下ろした異色作。彼の作品の特徴でもある言葉遊びと明瞭なユーモアと哲学的観念がふんだんに盛り込まれ、オーケストラがBGMや歌の伴奏を演奏する影の存在ではなく、劇中に登場するというかなり斬新な作品だ。
物語は、政治犯として精神病院に入れられた男と、自分には引き連れているオーケストラがあると妄想する精神病患者という2人の病院での出来事を、彼らを取り巻く精神病院の医師、家族らとともに描く。また本作の音楽は、2月28日に逝去した音楽家のアンドレ・プレヴィンさんが担当しており、舞台では35人のオーケストラが、役者陣とともに物語を展開する。
本作の見どころの一つは、その35人のオーケストラとの共演だ。自分はオーケストラを連れているという妄想に囚われた男・イワノフ役を演じる橋本は「僕だけが見えるオーケストラだけど、実際にはお客さんにも見えている。そういう意味でも難しい役。それを毎日考えている。でもオーケストラを聴いて気持ちは良い。楽しみにしています」。
一方、誹謗罪でつかまった政治犯の男・アレクサンドル役を演じる堤は「楽器を奏でる人と舞台立てるのが嬉しい」と語り「初めての経験だし、まだ客観的に見れていないので、これからですかね。音楽に乗ってセリフを言うことはないので、これから逆に無視してやりたい」と意気込んだ。
アレクサンドルの息子・サーシャを演じるのは、韓国を代表する女優、シム・ウンギョン。日本での初舞台となる。「音楽が素晴らしいです。楽しい経験」。サーシャの教師役を務める斉藤由貴は「ボーカルとして歌うわけではないけど、秘めた意思を歌の様に表現していると思う」、舞台の最後の登場人物となる大佐役を演じる外山誠二は「初めてであったのではないかなと思う。そういう方々初めて会った時に『せーの』というとぴたりとハーモニー、驚異的。緊張しました。オーケストラは大変なパワーがある」と印象を語った。
アレクサンドルとイワノフの医師役を務める小手伸也は劇中では、バイオリンでオーケストラに参加する。「音楽劇でもなくミュージカルでもなく、オーケストラが装置であり、共演者でもある。バイオリンを弾くけど緊張な経験。どこでも見られないような演技体験を見せられる」と述べた。
また、劇中でアレクサンドルはハンストをおこなう場面もある。役作りのためか、斉藤から「懸案事項は堤さんがあまり食べないので倒れないかが心配」と言われた堤は「炭水化物ダイエットをしていて、でも今は食べるようにしています。糖質がないと頭が働かなくてたまに何をしゃべっているのか分からなくなる。米は大事です!」と力説した。