ヴァーチャルシンガー“ ALYS ”のカバーが結んだ縁
――昨年はフランスに行かれていましたが、どんな思い出がありますか。
過去に一度、旅行でパリに行ったことがありまして、今回はナンシー(フランス北部、グラン・テスト地域圏の都市)という街でお仕事をさせていただきました。旅行で行くと現地の人と話すことってあまりないと思うんですけど、お仕事だとスタッフさんや来て下さったお客さんとふれあう機会が沢山ありました。フランスの方ってクールなイメージが日本の方はあると思うんですけど、ライブはすごい盛り上がります。それは、すごくビックリしました。
――好きな事で盛り上がるのは全国共通ですね。皆さんもコスプレして?
コスプレしている方も沢山いました。フランスにもプロのコスプレイヤーさんがいるんですけど、すごくクオリティが高くて。
――刺激を受けたんですね。
色んな国に行ってみて思ったのですが、コスプレの楽しみ方が国によって違うんだなと思いました。例えば、衣装を着てパフォーマンスすることの方に重きを置いている国や、衣装を綺麗に作ることを重視していたり様々なんです。それを見ているだけでも楽しかったです。
――視点が国によって違うんですね。さて、LeChatさんのお名前もフランス語ですが、それはフランスに憧れがあって?
私は猫が好きなんですけど、その中で猫で色んな国の言葉を調べていたら、LeChatという言葉が出てきました。どちらかというと「雄猫」という意味なんですけど。
――ということはフランス語じゃなかった可能性もあったわけですね。
そうです。たまたま気に入った響きがフランス語だっただけです。でも、皆さんこの名前がすごく言いづらいみたいで、初めてあった方の8割は噛まれます(笑)。特にLeChatに“さん”を付けると難しいみたいです。
――今のところ私は大丈夫ですけど、そう言われると噛みそうになります。お名前もそうですけど、今作のタイトル『Nouvelle lune』も中々難しいですね。その『Nouvelle lune』をプロデュースされているのが、Lightningさんというフランスの方なのですが、音を聴かせて頂いて、感性が日本の方とはやっぱり違うなと思いました。
わかります(笑)。私も初めて聴いたとき驚きましたし、それがレコーディングで苦労したところでもありました。テンポ感やリズムが難しくて、何度も録り直しました。.
――不思議なトラックだなと私は思いまして。そういえば、昨年メジャーデビューされたわけなのですが、歌はプライベートで歌ったりされていたんですか。
いえ。ほとんどなくて、カラオケにも行ってなかったです。なので、ボイストレーニングに通って“イチ”からやっていきました。音楽も今までは好きなものだけを聴いていたのですが、メジャーでやっていくということはそういうわけには行かないじゃないですか? なので普段聴かないような曲も聴いてみたり。まだまだ勉強中です。
――歌を聴かせていただいて思ったのですが、今までそんなに歌ってきていなかったことが逆にすごくピュアな歌になっているなと感じました。変な癖がないのでボイトレの先生も教えやすかったんじゃないかなと。
癖がある人はそこを直すところからレッスンが始まるみたいですが、それがないとは確かに言われました。
――その良い意味で癖がないのがLeChatさんの武器だと思いました。さて、レコーディングは大変だったとは思うのですが、前作と比べていかがでしたか。
前作はすごくスケジュールがバタバタだったんですけど、今回は前よりも曲を頂いてから考える時間がありました。なので、歌詞一つとってもいろいろ考えることができて良かったです。本当に前作は1日前に曲が届いて、翌日にレコーディングという感じだったので…。
――大変だったんですね。今作はどんなところから制作はスタートしたのでしょうか。
ヴァーチャルシンガー“ ALYS ”の親善大使にも任命して頂きまして、レコード会社も移籍したので何か出来ないかなと考えました。その中でALYSの曲をカバーしてみようとなって、どの曲を歌うかとなった時に「キミのいないこの世界で」が良いと思いました。その作曲者がLightningさんでした。Lightningさんは日本が大好きだったり、私の歌も褒めてくださって。そのご縁もあって全曲プロデュースして下さることになりました。
――「キミのいないこの世界で」をカバーしなければ、このミニアルバムはできていなかったかもしれませんね。さて、曲のタイトルはLeChatさんもアイデアを出したりも?
曲によっては私もアイデアを出させていただきました。2曲目の「Style」は最初は「ぼっち」というタイトルだったんですけど、私の中でちょっとしっくりこなくて…。確かに私は“ぼっち”かも知れないですけど(笑)。
――えっ、LeChatさん、ぼっちなんですか?
かなりぼっちです(笑)。ラーメン屋も一人で行きますから。でも、食券があるところじゃないとダメなんです。なぜかというと店員さんとしゃべるのが苦手なんです。
――今はお話していると、そんな感じはしませんけど(笑)。
こういう場はコミュニケーションを取ろうとする雰囲気があるので大丈夫みたいです(笑)。例えば知り合いの友達を急に紹介されたりするのは苦手です…。なので、お店での支払いとかも今はSuicaのようなICカードで終わるので、すごく嬉しいです(笑)。
――テクノロジーの進化に感謝ですね(笑)。話が逸れましたが「Style」はLeChatさんの歌とメロディがすごくマッチしているなと感じました。
ありがとうございます。でも、この曲すごく苦労しました。自分が思い描いていた歌い方で挑んだら、周りから「それはちょっと違うんじゃない?」と言われて。最初は「えー」と思ったんですけど、後で聴いたら今の歌い方で良かったなと思います。
――最初のバージョンも聴いてみたいです。Lightningさんとはデータでやり取りを?
そうです。レコーディングを終えた後にLightningさんに送って確認してもらいました。リテイクも覚悟していたんですけど、気に入っていただけたみたいで、録り直しもなかったので良かったです。








LeChat、misonoに「“好きよ”と言われたいもん」仲睦まじくデュエット
misono、久々のイベント「緊張する」