go!go!vanillasが11月21日、横浜アリーナで初のアリーナツアー『Yokohama, Kobe Arena Tour「Life is Beautiful」』のファイナルを迎えた。初の日本武道館公演から1年。その間にはメジャー5thアルバム『PANDORA』をリリース、それに伴う全国ツアーを行うなど精力的に活動をしてきたバニラズが、今度はどんなアリーナライブを見せてくれるのか。楽しみにしていた人も多かったことだろう。また、今回のツアーでは、神戸・横浜会場限定のCD『LIFE IS BEAUTIFUL』が販売されたほか、先に行われた神戸ワールド記念ホール公演で表題曲の「LIFE IS BEAUTIFUL」がいち早く披露されたことが話題になっていた。

 動物や自然のモチーフによるオープニング映像を経て、4人はステージに現れた。バンドとしての抜き身の佇まいで勝負した武道館に対して、今回のアリーナツアーでは、大画面を利用した映像演出など、音楽とリンクさせる形で舞台演出を取り入れることでバニラズ流のエンターテインメントを展開。世界各国の子どもたちの笑顔が映された「お子さまプレート」に象徴されるように、個人のルーツやカルチャーを尊び、多様性を讃えるメッセージをライブに込めた。今回のツアーの開催地=神戸・横浜が文化の往来する港町であることにも関連したコンセプトだ。それに伴い、柳沢 進太郎(Gt)がボーカルをとる「12:25」、長谷川プリティ敬祐(Ba)がボーカルをとる「バームクーヘン」、ジェットセイヤ(Dr)がボーカルをとる「Ready Steady go!go!」、そしてバニラズ名物全員ボーカル曲「デッドマンズチェイス」と、各々が個性を爆発させるセクションも新たなメッセージ性を帯びていく。また、この日は特別にスマートフォンでの撮影がOKだった「倫敦」など、『PANDORA』収録曲もアルバムツアー時より濃厚なムードの中で演奏された。

go!go!vanillas(撮影=西槇太一)

 とはいえ、取ってつけたようなコンセプトではない。アンコール3曲目「ギフト」演奏前に牧 達弥(Vo/Gt)が話していたように、“誰かの力になって、ちょっと強くなったような気持ちになれて、悲しい時に慰めてくれて、一人の自分をちゃんと肯定してくれる音楽を鳴らしていきたい”というバンドの想いは、ツアーなどで様々な街を訪れ、go!go!vanillasの音楽を求めてくれる人が増えていることを実感する日々の中で生まれたもの。だからこそ、このメッセージは観客の顔を直に見られる有観客ライブという場所で届ける必要があった。ライブ1本の構築のしかた、ステージング面において次のフェーズに入ったことを感じさせるライブだったが、当の4人は気張っている様子はなく、大舞台に緊張している様子もない。むしろバンドの音は「そんなことより、ライブって楽しい!」とでも言いたげで、相変わらずピュアな衝動、音楽を心から楽しむ気持ちに突き動かされているところがバニラズらしくて最高だ。花道を歩き、間近で観客と対面するメンバーのきらきらとした表情たるや。「いやー、好きなようにやらせてもらってます! 何より今日開催されたこと、よう来てくれたね!」(牧)と口から出る実感はあまりにも素直だ。

go!go!vanillas(撮影=西槇太一)

 トラブルにより柳沢が一時退出するも、残った3人で急遽「アクロス ザ ユニバーシティ」を披露することに。レアな場面でバンドとしての頼もしさを見せ、観客をしっかり喜ばせたところで、柳沢復帰後の「カウンターアクション」からクライマックスに入る。ここで牧が、コロナ禍で本当にライブを開催すべきかどうか悩んだこと――しかし“コロナ禍であろうが、喜びや楽しむことは誰にも制限できない”という意思から、感染症対策を十分にとった上でツアーを開催することに決め、この日に向けてたくさん準備を重ねてきたことなどを語り始めた。

 「苦しさ、偏見、いろいろなものを飲み込んで立っている4人を見てほしい。音楽が好きな俺たち4人を見てほしい。そんな想いで迎えたツアーがファイナルを迎えようとしています」
「命ある限り音楽を作り続けたいと思います。なので、みんなに新曲を聴いてほしい」

 そんな言葉とともに披露されたのが新曲の「LIFE IS BEAUTIFUL」だ。そこに連なるは、同じく人生の美しさを歌った「パラノーマルワンダーワールド」。人の一生、命が巡ることを描いたアニメーション映像の中で桜が舞うと会場内でも花吹雪が舞い、大団円を迎えた。

go!go!vanillas(撮影=西槇太一)

 「またここにいる全員と会えるかは分からん。それぞれに歩いていく道があって、人生があるから。でも、またぜってー会いてえ。俺らが音楽を続けている間は今日会った全員幸せでいてほしいし、元気でいてほしい」(牧)

 そんな想いとともに『Yokohama, Kobe Arena Tour「Life is Beautiful」』は幕を閉じた。ツアーは終わったが、その寂しさをかき消すように、終演後にはサプライズ発表が。なんとライブ終了後の11月22日(月)0:00より、本編で演奏した「LIFE IS BEAUTIFUL」、そしてSEに使用されていたインスト曲「RUN RUN RUN」の配信がスタート。同時に「LIFE IS BEAUTIFUL」のMVが公開されたほか、2022年3月より新たな全国ツアーが始まることが発表されたのだ。つまり、go!go!vanillasはこれからも音楽を鳴らし続ける。あなた個人の存在を肯定するために。何があろうと、“あなたの人生は美しい”と伝えるために。【蜂須賀ちなみ】

セットリスト

1.マジック
2.平成ペイン
3.クライベイビー
4.お子さまプレート
5.鏡
6.12:25
7.バームクーヘン
8.Ready Steady go!go!
9.デッドマンズチェイス
10.倫敦
11.ca$h from chao$
12.アダムとイヴ
13.アクロス ザ ユニバーシティ
14.カウンターアクション
15.ストレンジャー
16.one shot kill
17.エマ
18.LIFE IS BEAUTIFUL
19.パラノーマルワンダーワールド
EN1.ロールプレイ
EN2.アメイジングレース
EN3.ギフト

この記事の写真

記事タグ

コメントを書く(ユーザー登録不要)