神はサイコロを振らないが22日、2020年開催予定だった全国ツアーの中止を経て、約2年振りとなる開催となったLive Tour 2021「エーテルの正体」FINALを、大阪なんばHatchで迎えた。

 最終公演は、メンバーが登場する前から熱気に包まれていた。暗闇の中から光とともに「始めるぞ、大阪!」とメンバーが登場すると会場が一気に沸き立ちライブがスタート。「クロノグラフ彗星」をパフォーマンスすると、一気に場内はヒートアップ。「揺らめいて候」とアップテンポの曲を続けると、曲調に合わせて、観客の体を揺さぶっていく。

柳田周作(撮影=toya)

 深海にいるかのような演出で楽器隊がインストゥルメンタルを演奏すると、その世界観をそのままに「遺言状」を披露。4曲目の「泡沫花火」では、今年の夏に終わりを告げるかのように、メロウな歌声を場内に響き渡らせる。「胡蝶蘭」では哀愁漂う歌詞と柳田の歌声ともに、観客を神サイワールドに誘うかのように魅了させる。

吉田喜一(撮影=toya)

 MCでは「楽しいです!僕たちは活動歴5,6年ですが、大阪ではお客さんが5~6人しかいない時もありました。この場に立っているのが信じられないくらいです。それでも、もっともっと大きなところに皆さんを連れて行きます!」と発言し、その熱い気持ちをメンバー全員がセッションで表現した。さらに観客の気持ちに火を灯すように「導火線」「アノニマス」と畳み掛け、アッパーなロックチューン「パーフェクト・ルーキーズ」と場内を熱気に包み込む。

桐木岳貢(撮影=toya)

 そして、昨年コロナ禍の状況下で話題となり、神サイの代表曲の1曲でもある「夜永唄」で、美しい歌声と、まるで孤独に寄り添うような歌詞が観客の胸に突き刺さり、客席からは大きな拍手が巻き起こった。

黒川亮介(撮影=toya)

 感情の高まった観客に向かい柳田は「閉ざされた時代がどれだけ冷たく長くとも、人の思いが、流れた涙が雨となり、雪を溶かし、花を咲かす。」と語り、「徒夢の中で」を披露。それはまるでコロナウイルス感染拡大に伴う閉塞感から解放されたいと切なる願いも込められているかのように感じ取れるものであった。

 神サイ自身初のコラボ楽曲で、7月には同じ場所でアユニ・D(BiSH/PEDRO)と初披露した「初恋」を、単独でパフォーマンス。

 柳田は「メジャーリリースして、一年が光の速さで過ぎて行きました。僕ら、1年間で15曲くらいリリースしてるんですよ。毎日毎日音楽を作っていて、あり得ないくらいこの状況が幸せです。このメンバー4人が出逢えて、集まるって奇跡的なこと。神サイは4人で初めて福岡でライブをしたところから始まり、あれから6年経って、手を貸してくれる人たちや、ファンの人たちも少しずつ増えていって。このメンバー3人に出逢ってから、僕の人生映画みたいだなと思っています。でも、起承転結で言うと、まだ、”起”なんですよ。ようやくスタート地点に立てたというか。こんな大変な時期ではありますが、ここにいる時だけは、1対1です。僕らは音楽を魂をかけて、人生をかけて、愛をぶん投げるので、皆さんは愛で打ち返してくれないでしょうか?」と語りかけ、「1on1」のイントロが鳴り始めた途端に、観客は再びアップテンポの音に呼応するかのように体を揺さぶり、続く「未来永劫」では声は出せないものの場内を一体化させ、「巡る巡る」のダンサンブルなリズムに合わせて、観客をジャンプさせて、大いに盛り上げ本編を締めくくった。

神はサイコロを振らない(撮影=toya)

 拍手が鳴り止まぬ中、アンコールではインディーズ時代の代表曲を披露すると、柳田は「どうか大切な人には、生きているうちに会ってください。僕は、僕を音楽の道に導いてくれた人に会えませんでした。その時の思いを歌った曲を、今日皆さんに届けたいと思います。1秒1秒を大切に生きてください。」と「CLUB 27」を披露し、FINAL公演を全て終了した。幅広い音楽性を取り込み独自の世界観を作り上げている、神はサイコロを振らない。最終公演で解き放たれたメンバーが音に込めた魂は、ファンの心にいつまでも響き続けるに違いない。

セットリスト

1.クロノグラフ彗星
2.揺らめいて候
3.遺言状
4.泡沫花火
5.胡蝶蘭
6.導火線
7.アノニマス
8.パーフェクト・ルーキーズ
9.夜永唄
10.徒夢の中で
11.初恋
12.1on1
13.未来永劫
14.巡る巡る

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