“唄い屋”清木場俊介が6月30日、配信ライブ『ENLARGE BAR 〜LIVE from RISING HALL〜』を開催した。

 今回は生配信ではなく事前収録という形を取っていたが、「しっかり練習したものをしっかり撮影するというのをやったことがなかったから、唄のスキル的にも上がるし、ライブとは違う緊張感があって、ライブというよりはレコーディングに近かった。めちゃくちゃ緊張感あるし、唄の実力も見定められるし、楽しいというよりは良い勉強になった。」と清木場は語る。

清木場俊介リハーサルの模様

 清木場のオフィシャルSNSでは、このライブに向けてリハーサルで試行錯誤する様子も先立って公開されていた。Pf.染谷俊、Gt.芳賀義彦を迎えてのアコースティック編成ということで、音数の限られるシンプルな編成だからこそごまかしが効かず、より唄の真価が問われることとなる。5時間以上費やして収録したというのも、“唄い屋”を掲げているからこそのライブへ懸ける並々ならぬ意気込みだからであろう。

 1曲目に選んだ曲は『いつか…』。彼がソロとしてデビューをした1stシングルである。続く『なにもできない』も同シングルに収録されていたカップリング曲である。当時、EXILEに在籍していた中で、誰もグループを離れることは予期していなかっただろうが、このシングルが、紛れもなく彼自身がロックへ転向するに当たっての最初の道標であった。リリースから16年の時を経て、当時20代であった清木場が40代になっても唄い続け、更に深みを増して想いを伝える姿は、着実にロックアーティストとして歩んできた証であろう。

 今回、セットリストとして選ばれた10曲の中に『さよならの唄…。』という曲があり、本人が一番こだわったと言う。この楽曲は当時、リリースを止められた経緯もあったと言う。<振り返るな! 今はだまって 唯…前へ 進め!これが… 僕の選んだ道…と>。歌詞を辿るとグループを辞めることと強くリンクしてしまう部分もあったのかも知れないが、清木場自身は、自らがロックで唄っていきたい、それを音楽で伝えなきゃいけないと言う、自分の覚悟の唄でもあったと言う。彼の苦悩のようにも聞こえる<これで…いいの? 正しい…道なの…? 僕は…間違ってる? 誰か…誰か…教えてよ!!…。>と言う歌詞もあるが、それを唄う姿は、間違いなく自分の歩む道を見出して誇り高く唄っていた。

清木場俊介

 一番の人気曲と言っても過言ではないであろう『今。』は、シンプルなバンド編成だからこそ、歌詞のメッセージ性が際立ち、画面越しであってもダイレクトに突き刺さる。「この曲を10年間唄い続けたらこれを作った真意をわかってくれるはず」とリリース当時に語っていた『ROCK★STAR』。2014年のリリースから数えて約7年。<あのロックスターになるために 今歩みは止められねぇ!>と唄うその姿は、その理想像へ向かって歩みを進めている。

 清木場自身が想いを語りながら紡がれるそのセットリストは、リリース順で構成されており、まさに彼のデビューからの軌跡そのものである。コロナ禍でライブやツアーの中止・延期を余儀なくされ、唄う場所が制限されて当たり前がそうで無くなってしまったとて、その足を止めることなく、またひとつ、またひとつと形を残していく。<運がないとか時代のせいにしないで><ここまできて辞めてたまるか ここまできて逃げてたまるか>。『生きてこそ』で示すのは、彼が変わらず示してきたアーティスト人生そのものである。

 本配信は7月1日23:59までアーカイブチケットを販売中。

 2021年9月27日で彼はデビュー20周年を迎える。一人のロックアーティスト清木場俊介の生き様を是非見届けてほしい。【原翔太朗】

セットリスト

<ENLARGE BAR 〜LIVE from RISING HALL〜>
1.いつか…
2.なにもできない
3.さよならの唄…。
4.SAKURA
5.今。
6.ハイドロップス アンド ハイタイムス
7.ROCK★STAR
8.私よ…深く泳ぎなさい
9.僕の傍にいた君は…君の傍にいた僕じゃない
10.生きてこそ

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