Hilcrhymeが6月6日、東京・EX THEATER ROPPONGIでライブと音楽劇が融合した『劇・Hilcrhyme -Lost love song-』を開催した。

 この公演はHilcrhymeの結成15周年を記念して企画されたもので、当日は昼夜2部制で実施され、人気曲「Lost love song」シリーズの最新作「Lost love song 【III】」をモチーフとした音楽劇からスタート。ステージに設置されたジュークボックスから流れる音楽を、バーテンダー姿のTOCがそっとスイッチを押して止め、「BAR“Lost love song”、間もなく開店です」と告げるや、舞台は幕を開ける。

撮影=高宮紀徹(67531graphics)

BARのマスター役という初にしてこれ以上ないハマり役を演じるTOCをはじめ、新人店員役の西川俊介、恋人役に扮した木村葉月や佐藤ピリオド.らが序盤から群像劇を繰り広げていく。当然ながら普段のライブとはまるで異なる雰囲気だが、夢と恋の狭間で揺れる男女のやりとりに絶妙にフェードインした「愛と恋」、うごめく心模様にシンクロするような「Jealous」、悲しみの果てに鳴り響いた「Lost love song」と、TOCが次々と歌い継いでいくHilcrhymeの楽曲群に加え、ダンサーによるポールダンスでも魅せるなど見せ場も満載だ。

撮影=高宮紀徹(67531graphics)

 続く第二幕でも、麗しの常連客を巡る店員たちのバトルを「恋の炎」で彩り、まるで今回の音楽劇のために書かれたような「BAR COUNTER」、登場人物の衝動を投影した「Lost love song 【II】」へとつなぐなど、楽曲がBGMとして添えられるのではなく歌詞の世界観の連鎖でストーリーが展開していく巧みな演出で、第三幕では、TOC演じるマスターの亡くなった妻役として元モーニング娘。の新垣里沙が登場。「Lost love song 【III】」で描かれる切ない別れとともに、その隠された過去があらわになっていく。物語の最後を飾った「事実愛 feat.仲宗根泉(HY)」しかり、一曲一曲がドラマとしての高いクオリティを担保しているからこそ、今回のような音楽劇が成り立ったことを改めて痛感させられた。

 そして、後半戦はブルーのモッズコートを身にまとったTOCが再びステージへと現れ、「トラヴェルマシン」「LAZY HOLIDAY」とアッパーなナンバーの連続で、満を持してのライブセクションをいきなり盛り上げていく。

 「今日は来てくれてありがとう! そして、画面の向こう、日本中でHilcrhymeの15周年を祝ってくれてるあなたを、俺はしっかりと見てるから。最後まで付き合ってな!」とカメラの前に移動し、配信で鑑賞しているオーディエンスへのねぎらいも忘れないTOC。

 「15年間、変わらずに発してきたメッセージを、今日は全部残していくから。ただひたすらに自分を誇れ」

 Hilcrhymeのブレイクポイントはメジャーデビューイヤーの2009年にリリースした「春夏秋冬」であることは自他共に認めるところだが、先ほどのMCを地でいくような「パーソナルCOLOR」をはじめ、シーンが目まぐるしく移り変わろうとブレないHilcrhymeのスタンスは、15年という歳月を重ねられた何よりの理由と言えるだろう。「自分が主人公で良いんだぜ、自分の人生は」と放った「ルーズリーフ」も同様で、前半の音楽劇からは一転、たった一人でステージを横断し、「一人も脇役はいないぜ、一人一人が主人公」と、頼もしい歌声を響かせる。

撮影=高宮紀徹(67531graphics)

 「15年、楽しいだけではなかった。喜怒哀楽、春夏秋冬、全てを詰め込んでる。少しでもそれが伝わってくれたらうれしい」

 「Be ZERO」「THE MC」と、身体の底から力が湧き上がるようなストロングなメッセージを浴びていると、Hilcrhymeの音楽が目の前の、そして画面の前の幾つもの人生にとってかけがえのないものになっていると感じる。そして、「過去を思いふけるよりも刺激的な毎日を過ごさせていただいてます」と、コロナ禍に生まれた未完成の新曲「夜光性」の一節も披露。過去を振り返るだけではなく未来を提示したいというTOCの想いが溢れ出すようなパフォーマンスだった。

 「15周年、しっかりとアニバーサリーイヤーのセットリストを組んできました。これをやらなかったらきっと怒られてしまうでしょう(笑)。“魔法の言葉を君に贈ろう”」

 ライブのクライマックスにはトレードマークのサングラスを外し、オーディエンスとともに手を挙げ「大丈夫」を切々と届け、「改めて15周年、ありがとうございます。これからも一緒にいような」と、最後は「春夏秋冬」を歌い上げ万感のエンディングを迎えた。

 終演後には音楽劇のキャストもステージに呼び込み、「この時代に集まってくれた、見てくれた全ての人にHilcrhymeから感謝します。15周年は通過点です、一緒に素晴らしい16年目を作っていきましょう」と締めくくったHilcrhymeだった。

 なお、本公演のアーカイブ映像は、ローチケ LIVE STREAMING(ZAIKO)、LINE LIVE-VIEWINGにて6月14日(月)23:59まで配信される。また、6月30日(水)には『Hilcrhyme 15th Anniversary CD BOX』をリリース、10月4日(月)には東京・TSUTAYA O-EASTにて恒例の『TOC生誕祭2021』を開催する。【奥“ボウイ”昌史】

セットリスト

音楽劇

1.愛と恋
2.Jealous
3.Lost love song
4.恋の炎
5.BAR COUNTER
6.Lost love song【II】
7.Lost love song【III】
8.事実愛 feat.仲宗根泉(HY)

LIVE

1.トラヴェルマシン
2.LAZY HOLIDAY
3.パーソナルCOLOR
4.ルーズリーフ
5.Be ZERO
6.THE MC
7.夜光性(新曲)
8.大丈夫
9.春夏秋冬

■あらすじ

街のはずれにあるバー、『ロストラブソング』。HilcrhymeTOC演じるマスターが経営するその店では、夜な夜な悲しい恋に落ちた男女の物語が繰り広げられていた。個性豊かな登場人物たちの様々なラブストーリーが展開される中で、
やがてマスター自身の秘められた過去の悲恋も明らかになっていく……!?Hilcrhymeの楽曲と、悲しいラブストーリーが交錯するハイブリッドな音楽劇。

脚本・演出 奥幽筆
プロデュース 飛田アポロ

公演情報

「劇・Hilcrhyme -Lost love song-」
2021年6月6日(日)東京・EX THEATER ROPPONGI
音楽劇出演:Hilcrhyme 新垣里沙 西川俊介 木村葉月 佐藤ピリオド.他
ライブ出演:Hilcrhyme

有料ライブ配信 アーカイブ公開中 視聴チケット好評発売中
視聴チケット:3,300円(税込)

 
販売期間: 6月14日(月)21:00まで
アーカイブ配信期間:6月14日(月)23:59まで
https://ticket.line.me/sp/hilcrhyme_0606_llv

<ローチケLIVE STREAMING(ZAIKO)>
販売期間: 6月14日(月)21:00まで
アーカイブ配信期間:6月14日(月)23:59まで
https://l-tike.com/hilcrhyme-st/

TOC生誕祭2021開催決定
2021年10月4日(月)TSUTAYA O-EAST

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